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第18話「覚醒する銀色の力」


東門の巨獣を退けたレイン。


しかし、彼の中で目覚めた銀色の力には、まだ多くの謎が隠されていた。


王宮の魔導研究室で明らかになる、英雄レオン・アルディスとの繋がり。


そして、リリアのペンダントとの共鳴によって、レインは再び五百年前の記憶を見ることになる。


魔剣グラディウスを握る英雄。

その力を止めようとする謎の声。


英雄が歩んだ道の先に、一体何があったのか。


一方、王都の地下では封印に異変が起き始めていた。


第18話「覚醒する銀色の力」。


目覚める力と、近づく封印の崩壊。

物語は新たな局面へと進んでいく。

王都アストリア、東門。


巨大な魔物との戦いが終わり、王都には束の間の静寂が戻っていた。


しかし、その静寂を喜ぶ者ばかりではなかった。


崩れた城壁。

傷ついた兵士たち。

避難を終えた住民たち。


王都が受けた被害は決して小さくない。


レインは倒れた巨獣のそばに立ち、先ほどの戦いを思い返していた。


「……あの力は、いったい何だったんだ」


剣を握る手を見る。


巨獣の黒い紋章を砕いた瞬間、自分の中から溢れ出した銀色の光。


あれは、今までの自分には扱えない力だった。


「レイン」


声をかけたのはセレナだった。


「少し話があるわ」


「どうしたんだ?」


「あなたの力についてよ。先ほどの戦いで、普通の魔法とは違う反応が確認されたの」


セレナの後ろには、王宮の老魔導士も立っていた。


「少し調べさせてもらえぬか」


レインは頷いた。


「わかった。俺も知りたい」


◆


王宮、魔導研究室。


部屋の中央には大きな魔法陣が描かれていた。


レインがその上に立つと、老魔導士は銀のネックレスを見つめた。


「その首飾りを身につけたまま、魔力を流してみなさい」


「こうか?」


レインが意識を集中させる。


すると、魔法陣が淡く光り始めた。


青、赤、緑、そして金色。


さまざまな色の光が現れた後、魔法陣の中央に銀色の光が浮かび上がった。


老魔導士の表情が変わる。


「まさか……これは……」


「何かわかったんですか?」


「これは通常の属性魔法ではない。古代の記録に残されている、英雄の力に近い反応じゃ」


「英雄の力……?」


老魔導士は静かに頷いた。


「五百年前、英雄レオン・アルディスが扱ったとされる力じゃ」


その言葉に、レインは息を呑んだ。


「レオンと同じ……?」


「まだ同じ力だと断定することはできぬ。しかし、その可能性は十分にある」


そのとき、リリアのペンダントが輝いた。


レインのネックレスと共鳴し、研究室全体が銀色の光に包まれる。


そして、レインの脳裏に再び記憶が流れ込んできた。


◆


五百年前。


燃え盛る城の中。


銀色の瞳を持つ青年が、黒い剣を握る人物と向かい合っていた。


「レオン! その剣を使ってはならない!」


誰かの叫び声。


しかし、青年は答えなかった。


彼の手には、魔剣グラディウスが握られていた。


『契約を果たせ。我が主よ』


魔剣の声が響く。


青年は剣を見つめ、静かに呟いた。


「……これで終わらせる」


次の瞬間、銀色の光が城全体を包み込んだ。


◆


「レイン!」


セレナの声で、レインは現実へと戻った。


身体が大きく揺れ、膝をつく。


「大丈夫!?」


リリアが駆け寄る。


「ああ……でも、今のは……」


レインは見た記憶を二人に話した。


老魔導士は険しい表情で考え込んでいた。


「魔剣グラディウスを握るレオン……。やはり、あの剣と英雄の間には深い繋がりがあるようじゃ」


「でも、記憶の中の誰かは、グラディウスを使うなと言っていた」


レインは首元のネックレスに触れた。


「グラディウスは、何かを隠している」


その言葉に、誰も反論できなかった。


◆


その頃、王都地下神殿。


封印された魔剣グラディウスの周囲に、銀色の光が走っていた。


『……目覚めたか』


魔剣は低く呟く。


『レオンと同じ道を歩むつもりか、我が主よ』


封印を覆う魔法陣に亀裂が走る。


これまで幾重にも重なっていた封印のうち、残された段階がわずかになっていた。


そのとき、神殿の奥から別の声が響いた。


『まだ、その時ではない』


グラディウスの光が一瞬止まる。


『……誰だ』


返答はなかった。


ただ、神殿の奥にある古い扉が、かすかに震えていた。


◆


夜。


王宮のバルコニー。


レインは一人、王都の夜景を眺めていた。


「俺は、何者なんだろうな……」


五百年前の英雄と同じ力。


自分に語りかける魔剣。


そして、少しずつ明らかになっていく過去の記憶。


どれも簡単には受け止められないものばかりだった。


そこへリリアがやってきた。


「ここにいたんだ」


「ああ。少し考え事をしていた」


「レインはレインだよ。五百年前の誰かと同じ力を持っていたとしても、今のレインがどう生きるかは、レイン自身が決められるよ」


レインは少し驚いた後、静かに笑った。


「……そうだな。ありがとう、リリア」


そのときだった。


王都の地下から、強烈な振動が伝わってきた。


空気が震え、王宮の窓が一斉に揺れる。


「な、何!?」


二人が地下神殿の方向を振り返る。


王都の地下から、黒い光が空へと伸びていた。


そして、レインのネックレスが激しく輝き始める。


『封印解除まで、あと一段階』


グラディウスの声が響いた。


しかし、その声には今までになかった緊張が感じられた。


「まさか……封印が!」


レインは剣を手に取った。


その頃、黒い玉座の間では、赤い瞳の人物が静かに笑っていた。


「銀色の力が目覚めたか。ならば、こちらも準備を進めよう」


人物の背後には、巨大な扉がそびえ立っていた。


扉には二つの紋章。


英雄の紋章と、黒紋教団の紋章が刻まれている。


「次は、王都の地下に眠るものを迎えに行く」


五百年前に終わったはずの戦争。


その真実が、再び動き始めようとしていた。


第18話を読んでいただき、ありがとうございました!


今回は、レインの中に眠っていた銀色の力について、少しずつ明らかになっていく回でした。


その力は、五百年前の英雄レオン・アルディスが扱っていたものと関係している可能性が浮上しました。


さらに、レインが見た記憶の中では、レオンが魔剣グラディウスを握っていました。


しかし、そこには魔剣の使用を止めようとする謎の人物の声もありました。


グラディウスは本当にレインの味方なのか。

レオンはなぜ魔剣を使ったのか。

そして、地下神殿の奥に眠る存在とは何なのか。


物語の核心に近づくほど、新たな謎も増えていきます。


そして、ついに魔剣グラディウスの封印にも大きな異変が起き始めました。


次回、第19話では、いよいよ魔剣グラディウスの解放に迫ります。


五百年間封じられてきた魔剣が解き放たれたとき、王都には何が起こるのでしょうか。


第一章も残すところあとわずかです。


引き続き『エルディア・クロニクル』をよろしくお願いします!

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