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神の罪【短編小説】

掲載日:2026/02/06

短編です。

自らの犯してしまった罪に悩む神のお話

※細かい描写はございませんが、虐待等重い内容があります。苦手な方はご注意ください

※細かい描写はございませんが、虐待等重い内容があります。苦手な方はご注意ください







…俺は、ずっと、考えていることがある。

俺は数百年前、邪神との戦いで隙を見せ、魂の核を破壊されてしまった。…核を失った魂は、その成分が少しずつ霧散して失われていき、個体差はあるがだいたい十年もしたら、完全に消滅してしまう。…神として、まだ消滅するわけにはいかない。消滅を防ぐ方法は、何らかの生物の魂に寄生し、魂の成分を分けてもらいつつ、核を再生することだ。核を再生するまでにだいたい2年はかかる。それまで寄生し続けなくてはいけない。…俺は、そこでたまたま見つけた人間の胎児に寄生することにしたのだ。


生まれた子はとても不幸な子だった。…俺が寄生する際にその影響を少なくするのが下手なばかりに、その子は強い力、人間離れした能力を持って生まれた。…俺は昔からこういう、器用に何かを調節しなくてはいけない系のことは苦手だ。…その子は虐待を受けるようになった。人間離れした能力のせいで簡単に死ぬことはないが、痛みは軽減されていないだろう。………魂の核を再生するまでは、私は何もすることができない。何も、助けるすべがないのだ。


俺の魂の核が再生して、寄生主からある程度離れて動けるようになった時には、俺の仕事がかなり溜まっていた。…俺は破壊神だ、この星の神の中で1番力がつよいのは俺だ。他の神にはできない仕事もある。……その間、まさかあの子が極限状態にいるなど、知りもしなかった。


俺が仕事を一通り終え、戻ってきた頃には、あの子は見知らぬ寺にいて、前よりも少し明るくなったように見えた。よい環境に恵まれたようでよかったとほっとした。……しかし、俺はあの子の過去を甘く見すぎていたのだ。というよりは、幼い子供の人間の心と、神の心の違いをよく考えていなかったというべきか。


あの子はよく心身ともに調子を崩すことが多かった。ある日、まだ十年も生きていないあの子が言った。

「……私が……普通の人間だったなら、父上も、私のことを…愛してくださったのかな……」


……それはきっと独り言だった。俺に向けて言ったわけではないはずだ。……しかし、あの子が普通の人間でない原因は俺にある。……俺は、数百年経った今でも、この言葉が頭から離れないのだ。あいつは、その後神に成り上がった今も、決して心身ともに万全ではない。俺は、神として消滅を防ぐべきだった。それは今でも、間違った判断ではなかったと思う。それでも、考えてしまうのだ。「…もしも、生まれ変わらなければ」

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