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99.特別寮(異世界)への潜入(1)

「彼はクィンシーです。ほら、学生証は?」

「あ、はい」


ルーベントに促され、男子生徒の服を身に着けたクィアシーナは、その制服のポケットから慌てて学生証を出す。

しかし、当たり前のことだが、そこに記されているのは

「クィアシーナ・ベック(♀)」

と書かれている。


(さすがに、ここの警備は掻い潜れないんじゃ……)


「確認しました。こちら入館証になりますので、首から下げてください。それでは、ごゆっくり――」


警備員はにこやかに笑い、なぜか親指まで立てて門を開けてくれた。


(ここも一般寮と同じで、めちゃくちゃザルじゃんっ!)


そう思ったクィアシーナは、決して間違っていない。

ルーベントと並んで、一般寮とはまた違う、どこか厳かな雰囲気の寮の中へ足を踏み入れる。


――そう。

クィアシーナは今日、特別寮の男子寮に来ていた。


……どうして、こうなった。





(あー今日はお弁当の材料も買い出しに行かなきゃ。というか、お弁当ボックスも買わないと)


休日の朝。

ベッドから起き上がりながら、やらなければならないことを頭の中で洗い出していく。


幸か不幸か、宿題は出ていない。

今週末も特に予定はなく、家のことに全振りできそうだ。


掃除、防護グッズの手入れ、洗濯、買い出し。

来週からのお弁当用に、おかずの作り置きもしておきたい。


一見すると暇そうだが、

実際のところ、やることは盛りだくさんである。



ひとまず朝ごはんを適当に済ませ、部屋の掃除をしている最中――

それは聞こえてきた。



ドンドンドンドン



「!?」


玄関を激しく叩く音。

しかも、やたらとよく通る大声付きだ。


「おはよう! クィアシーナ! いるか!?」


(デジャヴーーーーーッ!)


クィアシーナは、その場で顔を覆った。

この近所迷惑極まりない声――間違いなくルーベントである。


またしても、こんな早朝から。

今度は一体、何の用だというのか。


「おはようございます、ルーベントさん。お願いですから、大きな声を出さないでください」


素早く玄関のドアを開け、

再び爆音ノックを叩き込もうとしていたルーベントを、事前に制する。


「おお、クィアシーナ! 寝癖がすごいな!」


「開口一番最悪なセリフですね。閉めていいですか?」


「待て待て。そういう生活感があるのもいいと思うぞ?

そのパジャマ姿も庶民らしさが最高だ!」


クィアシーナは無言で扉を閉めようとした。

しかし、ルーベントに扉の隙間へ足を突っ込まれ、あえなく阻止されてしまう。


「まあ、まずは朝に押しかけて悪かった。

俺もダンテからのお願いで、ここに来てるんだよ」


ようやく用件らしきものを口にしたルーベントに、

足を挟まれているにもかかわらず、扉を閉めようとしていたクィアシーナの手が、ふと緩む。


「え、ダンテ先輩の?」


「ああ、おまえの"お友達"で特別寮に住むやつは、休日の間に接触しとけってな。だから、ほら」


ルーベントはそう言って、見覚えのある紙袋をクィアシーナの前に掲げた。


「げっ……」


「おいおい、この前着たばかりだろ?

そう嫌がるなよ」


渡された紙袋の中に入っているは、もちろんフォボロス学園の男子生徒の制服である。

あの無法地帯――一般寮に潜入したときの下衆い記憶が蘇り、できることなら二度とお目にかかりたくない代物だった。


「特別寮は、いくら生徒とはいえ……

さすがに、平民の女子生徒の私が、おいそれと入っていいわけないんじゃ……」


「問題ない。過去に、平民の女子を連れ込んだことが何度かある。

そのときも、何の問題もなかった」


「……」


堂々と“実績”を語るルーベントに、クィアシーナは心を無にした。

アレクシスとは違った意味で派手な女遊びをしていることが、嫌でも伝わってくる。


「そんなわけだ。早速着替えてくれ。一応、二人には午前中、出掛けるなと伝えてある」


「二人、ですか?」


特別寮に住む、クィアシーナの“お友達”……

誰だ?


「ああ。会ってからのお楽しみにしておくか!

じゃあ俺は外で待ってるから、ゆっくり支度してくれていいぞ」


「あ、ちょっと時間かかると思うんですが……部屋で待ちます?」


起きてそのままの姿である。

化粧もしたいし、髪も直したい。

平凡な容姿とはいえ、それなりに時間はかかるのだ。


「いや、さすがに休日の女子の家に、一人で上がり込むほど無粋じゃない。

俺のことは気にせず、ゆっくり支度してくれていい。

ただ、二人を待たせていることだけは、頭の片隅にな」


「ありがとうございます――」


本当になぜ、こんなところだけ紳士なんだろうか。

だからモテるのか。


……いや、休日の女子の家に、朝ごはんを食べに一人で上がり込んできたリンスティーという無粋な爆モテ人物がいるので、そういうわけでもないのだな、と思い直した。





そして、冒頭に戻る。


ルーベントと二人、特別寮までの道のりを進み、目的地へと辿り着く。

以前、特別寮は一般寮のさらに奥にあり、完全に隔離されていると聞かされていたが、本当にその通りだった。


一般寮を通り過ぎ、しばらく進むと、高い壁が見えてくる。

それはまるで要塞のようで、中にある建物をすっかり覆い隠している。


壁の一部には頑丈な寮門が設けられており、寮生であれ外部の者であれ、必ずそこを通過しなければ中へは入れない仕組みになっていた。


――ここまで厳重な造りであるにもかかわらず、女子禁制のこの場所に、クィアシーナのショボい変装で通してしまう緩さ。


仮にも、王子や良家の令息が住んでいるというのに、である。


安全性への一抹の不安は覚えるが、これが代々まかり通っているのなら、問題はないのだろう。

……たぶん。


中へ歩を進めるとすぐ、豪華絢爛な造りの、どデカいお屋敷のような建物が目に飛び込んできた。


(一般寮との格差が半端ない……っ!)


特別寮も一般寮と同じ時期に建てられたと聞いていたが、どう見ても、修繕どころか増改築まで施されている。

その外観は古さなど微塵も感じさせず、まさに「お貴族様が住んでいます」と言わんばかりの雰囲気を醸し出していた。


「いかにも、ですね」


クィアシーナは、とりあえず率直な感想を口にしてみる。

しかし、ルーベントは「そうか?」と不思議そうに返しただけだった。


――これだから、坊っちゃんは!


クィアシーナの藪蛇で、育ちの違いをまざまざと見せつけられたことに憤っていると、寮の入り口から私服姿の男子生徒が、門へ向かって歩いてくるのが見えた。


(やば、寮生だ)


一般寮のときはどうにかなったが、ここは事情が違う。

こちらは全員が貴族の生徒だ。ルーベントは「大丈夫」と言っていたが、実際のところはわからない。


クィアシーナは、とっさにルーベントの背に隠れるようにして、やり過ごそうとする。


が――


「ルーベント様! おはようございます!」

「おはようございます!」


二人は揃って頭を下げ、ルーベントに対して丁寧な挨拶を寄越した。


「ああ、おはよう」


顔見知りらしく、ルーベントも手を上げて軽く応じる。


そして。


(げ)


ルーベントは、どこか得意げに口元へ二本の指を当てた。

――「今から女を連れ込むから、他言無用」のポーズである。


それを見た二人は、クィアシーナへ一瞬だけ視線を向け、目を見開いたあと、


「……失礼しました!」


と慌てて同じように二本の指を口元へ当て、そそくさと門の方へと去っていった。


「ルーベントさん……やっぱりこれ、勘違いされません?」


げんなりした様子で問うクィアシーナに、ルーベントは、


「暗黙のルールだからな。仕方ない」


と、しれっと言い放った。


仕方ない……のか?

正直しっくりこないが、ここで議論したところで“お友達”を待たせるだけである。

気にしたら負けだと、自分に言い聞かせた。


寮の中へ入るには、外扉と内扉、二度の施錠を解除しなければならない。

扉の横に取り付けられた魔道具へ、ルーベントが学生証を翳すと、あっさりと外扉が開いた。

そのまま、クィアシーナも一緒に中へと入る。


(期待を裏切らないなぁ)


中へ入ってすぐの廊下も、視界に入る階段も、生徒会館と遜色ない豪華さだった。

廊下は絨毯張りで、階段は手摺に至るまで装飾が施されている。踊り場には生花や絵画が飾られ、どこを見ても手入れが行き届いていた。


一般寮のように落書きがあったり、謎の片方だけの靴が転がっていたり――そんな気配は微塵もない。


「めちゃくちゃ豪華ですね」

「そうか?」

「……」


もはや感想は言うまい。

クィアシーナは心に誓った。


「一階の奥に、談話室がある。おそらく、そろそろ来てるはずだ」


ルーベントに案内され、談話室へと向かう。


トントン


「入るぞ」


返事も待たず、ルーベントは扉を開けた。

いくつかあるうちの一室を予約していたらしく、こじんまりとしていながら、やはり豪華な個室へと足を踏み入れる。


そこには――


「おはよう、デリック君」


「お、おはようございます! ルーベント様」


ルーベントと、先に待っていた人物が挨拶を交わす。

クィアシーナはまだルーベントの背後にいるため、室内の様子がよく見えない。


(デリック?)


はて、誰だっただろう、と記憶を掘り起こしていると、


「今日は時間を作ってくれてありがとう。後ろにいるのは“クインシー”だ」


ルーベントがそう言って、背後にいたクィアシーナをぐいっと前へ押し出した。


中にいた人物と、クィアシーナの目が合う。


その瞬間――

彼は、目に見えて動揺した。


「げぇっ!? ク、クィアシーナさんっ!?」


(あ、小物の彼か)


そこにいたのは、ソファーに仰け反って逃げる構えをしている"デリック・ミルナー"の姿だった。

二年生の魔法科に所属する、なんちゃって貴族主義の彼は、かつてクィアシーナのスカートを火で燃やそうとし、『害虫駆除』の対象として裏庭に呼び出された人物である。


「おはようございます。ご無沙汰しております……デリックさん」


クィアシーナが含みのある挨拶をすると、デリックは顔を引きつらせ、あからさまに体を震わせた。


「おいおい、クインシー。

威圧するなよ。“お友達”なんだろ?」


「ああ、すいません。つい」


クィアシーナはルーベントに嗜められ、てへへ、といった調子で軽くポーズを取ってみせた。


「あー、せっかくの休日なのに、なんで朝からこんな怖い思いをしなきゃいけないわけ?

ほんと最近の俺、ついてないわぁ……」


デリックはぶつぶつと独り言をこぼしている。

どうやら向こうも、クィアシーナが来ることは聞かされていなかったようだ。


「せっかくの休日にすみません。今日は“新生徒会・会計”のデリックさんに、お願いがあってお時間を頂きました」


クィアシーナの言葉に、デリックはきょとんと目を瞬かせる。

それから、顔を盛大に引きつらせた。


「え……なに。俺が新しく生徒会に就任しちゃったもんだから、(みそぎ)? 的なやつ?

生徒会って交代するときに、そんな新旧メンバーでけじめをつけるような、野蛮な伝統があったの……?」


あらぬ方向へ思考を巡らせているデリックを見て、ルーベントがクィアシーナに顔を向けて尋ねる。


「クインシー、おまえコイツに何したんだ?」


「何も。むしろ私が仕掛けられた側のはずだったんですけどね」


「俺がやったのなんて、たった一回だよ!?

しかも未遂!

それなのに裏庭に呼び出されて、凶器をパンパンさせられて、洗いざらい貴族主義の情報吐かされて⋯⋯、俺まだなんかやらされないといけないの!?」


「失礼な。あれは凶器じゃなくて、私の愛用の防護グッズです。そこ、間違えないでください」


クィアシーナの鉄板仕込みのローファーは、凶器などではない。

あくまで、自分の身を守るためのものなのだ。


「なかなか派手にやってたんだなぁ!」


ルーベントが感心したように声を上げる。


「ルーベント様もそっち側かぁ……俺、この状況、詰んでる?」


「詰んでません。ただ、話を聞いてほしいだけですから。落ち着いてください」


そう言うと扉の前で立ったままだったクィアシーナは、ルーベントとともにデリックの前のソファへと腰掛けた。


言わずもがな、座った途端、身体がふわりと沈み、最高の座り心地である。


デリックへ視線を移し、改めて口を開いた。


「あなたは、今、新生徒会に入ったわけですが――それは自らの意思ですか?」


「まさか!」


デリックは飛び跳ねるように否定した。


「俺、前も言ったとおり、なんちゃって貴族主義なんだよ。

実家はみんなバリバリの貴族主義で第一王子派なんだけど、俺はそんなの興味ないわけ。

むしろ、第一王子派じゃなくてダンテ殿下派だし。


……まぁ、最近の殿下はちょっとおかしかったけど。


とにかく、俺は自分から立候補なんかしてないからね!?

たぶん、兄貴がジガルデ先生のときの生徒会だったから、その繋がりで選ばれたんだと思う」


「じゃあ、デリックさんは、よくわからないままに役員に指名されたんですね」


「そう! その通り! 会長のシュターグ嬢に呼び出されたときは何事かと思ったよ!」


相変わらず、本音を一つ残さず喋ってくれる男である。


そこでクィアシーナは、ただの興味本位の質問を一つしてみることにした。


「ちなみに、役職も彼女から指定されたんですか?」


「え? ああ、そうだよ。もし自分で選べるなら、間違いなく庶務を選ぶね!


――そうだ! ルーベント様。あなた元会計でしたよね?

俺、会計の知識がまったくなくて、何をしたらいいのか全然わからないんですけど、どうしたらいいですか!?」


どうやら、役職もガブリエラが指定しているらしい。

そして彼の様子から、会計には向いていないことがひしひしと伝わってくる。


「ん? アドバイスすればいいのか?

困ったことがあれば、同じく元会計のドゥランに聞け。以上だ」


ルーベントも、どちらかと言えば会計には向いていない部類の人物である。

腕を組みながら、まったく役に立たない意見を堂々と口にした。


「そんなぁ! もうドゥラン君には聞きに行きましたよ!

そしたらあの子、なんて言ったと思います!?

『引継書は置いておきました。グッドラック』

ですって! 無表情なくせに親指まで立ててきたんですよ!?

深く質問しようとしたら、姿消しちゃうし……俺、このままだと、この学園の予算、ぐちゃぐちゃにしちゃうかもしれません……」


これには、さすがのクィアシーナもルーベントも、彼に同情した。ドゥランとの掴めないやり取りが目に浮かぶ。

彼も突然振って湧いた役職に就き、右往左往しているのだろうに。


「ま、まあ、就任してすぐだしな。そのうち慣れてくるんじゃないか?」

「そ、そうですよ、最初はみんなそんなもんですよ。

というより、もう一人の会計の方は? その方も苦労されてるんですか?」


クィアシーナが何気なく尋ねると、デリックは悲壮な顔を浮かべた。


「もう一人は、俺よりヤバい奴なんだよ……

アンソニー・ゴールディンって、君と同じ一年なんだけど、聞いたことある?」


「え? アンソニー君? “お友達”ですよ。前にてんとう虫あげました」


アンソニーも、過去にクィアシーナが『害虫駆除』した一人であり、異常に虫が好きな貴族主義の家の令息である。


「ええっ、そうなの!?

あの子、本当に仕事しないんだよ!

執務室の自分の机に虫かごを並べて、ずっと餌やってるか観察しててさ。

俺も見かねて『会計の仕事、覚えようよ』って言ったんだけど……

『じゃあ、この学園に昆虫園を作る予算を立てましょう!

僕、早速見積もりしますね!』って、目を輝かせてさぁ。

他にも、自分のペットの虫の餌代をちゃっかり予算に組み込もうとしたりして。

『それ横領だよ!』って注意したんだけど……

しかも、会長のシュターグ令嬢も全然注意しないんだ!


訳わかんないでしょ!?」


「……」


(確かに、訳がわからない)


貴族主義の家の者を生徒会メンバーに据えた理由はわかる。

けれども、ここまで人事の采配が絶望的なのは、ガブリエラ側に意図がある気がしてならない。


「ガブリエラさんは、あなたがた生徒会メンバーに、役職以外の命令を下したりしていませんか?

たとえば、以前のように――平民が貴族に楯突いていないか監視して、罰を下す、とか……」


「ん? いや、今のところ、そういう命令はないかな。

学則は絶対だけど、監視は魔道具に任せてるし。それに、校内が身分で完全に隔離されたおかげで、下手に罰則を下す必要もないし」


ますます意味がわからない。

彼女のユートピアは、もう完成したということなのだろうか。

だとすれば、――今の生徒会の配置は、何のため?


「まあ、でも発足して日が経ってないからね。

もしかしたら様子見してるだけなのかも。平民は退学! とか言い出したら、さすがの俺も学園辞めるわ。ついていけないよ。

俺の友達、ほとんど平民だからさ。今クラス離れちゃって、寂しいのなんの……」


クィアシーナは、彼の言葉の後半をほとんど聞いていなかった。


「――他のメンバーはどんな感じなのか、お伺いしても?」


「え? 他? 他も似たようなもんだよ」


デリックは姿勢を崩し、心底うんざりした様子で続けた。


「まず、庶務の二人。二年のイグナート君と、三年のジェシーさん。

あ、この二人も貴族主義だから、うちの家とは昔から繋がりあるし、個人的にも知った仲なんだけどさ⋯⋯」


クィアシーナは黙って続きを促す。


「まずイグナート君は、やる気が別の方向にいっちゃってるタイプ。

『姐さんの意思を引き継ぐんだ! そして俺はマグノリアンを超える!』って、ずっと言っててさ。なんか鍛錬してた」


「鍛錬、ですか」


「うん。筋トレとか素振りとか。

……庶務、関係ないよね?」


クィアシーナは眉間を抑えた。


(業務しろよ……)


「それからジェシーさんは――

『わたくしが庶務!? 掃除婦ではなくってよ!?』って怒って、それっきり来なくなっちゃって」


「逆にすがすがしいですね」


ともあれ、庶務が完全に機能していないことだけは、よくわかった。


「次は書記ね」


デリックは指を二本立て、説明を続けた。


「書記は三年生のキャロルさんとグローリアさんなんだけど……」


キャロルとグローリアは、過去にクィアシーナへ刃物を向けてきた、やんちゃなご令嬢たちである。

アレクシスに拘束されて事なきを得たものの、なぜか凶器が消え、そのせいで犯行をしらばっくれたという図太さの持ち主だ。(結局、別件でしょっぴかれて、一度停学になっている)


「二人はシュターグ令嬢の言いなりだね。

彼女の指示を、忠実に実行してる感じ。

そういう意味では、一番“機能してる”かも」


(言いなりか……)


プライドの高そうな二人だったが、ガブリエラには逆らえないらしい。


「最後に、シュターグ令嬢と同じ一年生で、副会長に抜擢されたブレンダ・マクレン嬢。

この子もヤバいね」


デリックが呆れたような口ぶりで言いだしたことから、もはや嫌な予感しかしなかった。



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