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1. プロローグ
40話まで毎日更新します。
――うう、眩しい。
クィアシーナは、ありとあらゆるジャンルの美形を取り揃えました! と言いたくなる博物館のような空間の中にいた。
正確には、学校の敷地内にある生徒会館の一室なのだが。
右に美人、左にも美人。
一つ飛ばしても飛ばさなくても、これまた全員美人。
どうなってるんだ、生徒会。
顔採用か、そうなのか。
この場で自分は異分子すぎる。
けれども、彼らが別次元の存在すぎて、むしろこの学園から浮いているのはあっちのほうなんじゃないか。
――そうでも思わないと、この先やっていけそうもない。
「ようこそ、生徒会へ、クィアシーナ。私たちは君を心から歓迎するよ」
「まだ一年なのに、おまえのガッツ、良いと思うぜ」
「大変だと思うけど、無理せず自分のペースで頑張ってね」
どうやら、美しい顔の人たちは心も美しいらしい。
誰一人、薔薇園の中に混じってしまった雑草に、文句を言ってくる者はいない。
……うん、逆に不安だ。
私はこの先、ここで《《囮として》》、無事に与えられた役割をこなしていけるのだろうか――。
でも、このとき抱えていた自分の懸念が、
とんでもなく"かわいいもの"に思えるほどの騒動に巻き込まれていくなんて。
このときの私は、想像すらしていなかった。




