4 15~17世紀の、ヨーロッパ人の世界進出
参考:山川出版社「歴史総合 近代から現代へ」P33~P35
目次(キーワード)
背景
地中海
アジア産品
貿易
キリスト教
大航海時代
大航海時代の結果
世界
影響
南北アメリカ大陸
アジア
大きい(大きく・大きな)
イギリス
スペイン
先住民
ヨーロッパ
ポルトガル
フランス
オランダ
大規模
人口減少
アフリカ
社会
ヨーロッパと世界の一体化
銀
経済
大西洋
アジアの独り勝ち
結びつき
植民地ではない
香辛料
このタイトル名から、「ヨーロッパ人がアジアなど世界を指導し始めた最初の時代」と誤解する人が多い。
確かにアメリカやアフリカへの影響力を強めたが、アジアにとっては「新しいお客さんが来たね」という程度だった。
教科書を正確に丁寧に読み込めばわかるが、そういう学習方法を採っている人はとても少ないんだ。
ーーーその1 背景ーーー
(1)<地中海>
ヨーロッパの近隣には、地中海という波浪の比較的静かな海がある。日本の瀬戸内海に似ている。
ここは、中世後期の14世紀に十字軍戦争をきっかけにアジアの珍品を取引する海上貿易が盛んになった場所だ。
「戦争をきっかけに」というところが、辛いよね。でも現代でも戦争をきっかけに景気が回復するということはよくあることなのだ。日本の戦後の高度経済成長は、朝鮮戦争が背中を押してくれたおかげなのだよ。
しかし15世紀になると、東からイスラームのオスマン帝国が現れ、東地中海を軍事的に制圧してしまうのだ。
もちろん平和的に商人が通過することはできる。ただ、オスマン帝国から巨額の通行料を徴収されるのだよ。現代でいうと、関税だね。結果、東の珍品には破格の価格上乗せがされ、富裕層にしか売れなくなって利益が上がらなくなったのだ。
(2)<アジア産品>
アジア産の珍品といえば、東南アジア原産の香辛料だ。
薄味の料理を劇的に美味にしてくれる、魔法の品だよ。ヨーロッパ人は、これに夢中になった。
いや、ヨーロッパ人だけじゃないね、濃い味が好きな人はごまんといる。出てくる料理全てにマスタードを大量に付ける人もいる。幕の内弁当をソースでじゃぶじゃぶにして、ソース弁当にしている人も多い。
オスマン帝国に通せんぼされて香辛料が手に入りにくくなると、ヨーロッパ人は血眼になってこれを追い求めるんだ。
結局それが、大航海時代の最大動機だったわけで。
もちろん「黄金の国ジパング」の噂も、大きいわけだが。
大航海時代の結果、東南アジアへのヨーロッパ船直接派遣が叶うと、香辛料を爆買い(場合によっては強奪)することになる。もう、香辛料中毒だね。
(3)<貿易>
オスマン帝国にアジアとの直接貿易路を封鎖されたので、遠回りしてでも行きたいという要望が強まり新ルートの開発が始まるんだ。
これが、大航海時代の「発見」だ。
ただアフリカの南回りでアジアへ行くのは、悲惨を極めた。喜望峰は、別名嵐の岬ともいわれる。南緯40度以南の海は、年がら年中、空恐ろしい風浪状態なのだ。
そこで地動説・地球球体説を信じた人たちが、西回りでアジアへ行こうと試みる。コロンブスだね。
そしてドーンと突きあたった場所が、南北アメリカ大陸だったと。
さて、貿易というと商人がやることなのだが、実はこの商人は別の場面では強奪犯罪者つまり海賊に変貌したりするんだ。取引相手が自分より力が強いときは商人として貿易をし、相手が自分より弱いと見たら海賊になる。
そんなバカな?と思うかもしれないが、これが世界のリアルだ。
歴史上も、中世北欧から渡来していたヴァイキング海賊は、実は商人でもあった。
中世の東アジアを跋扈していた倭寇も、実は中国商人がその正体だった。倭寇イコール日本人海賊、じゃないんだ。(日本人海賊商人も含んでいたが)
現代では、貿易は平和的に紳士的に行うべきというルールがあるが、それでも一部の国は相手国に対し不当な高関税をかけ脅迫まがいの貿易をしていたりする。
こういう歴史の真の姿を見るたびに、歴史学習は小中学生には時期尚早だとよく分かる。歴史学習には残酷かつ性的な内容が多いので、基本的にR15なんだ。
この時期、ヨーロッパ人は、アメリカ大陸は植民地化し、アジアは植民地化しなかった。
その理由が、上記なんだ。アメリカ大陸の諸国・先住民たちはヨーロッパに軍事力で劣勢だったのに対し、アジア諸国(日本も)はヨーロッパ人がまともに戦うと大敗する強力な軍事力を持っていたのだ。
軍事力を持たず丸腰だといかに危険かが、よく分かると思う。
そして軍事力だけでなく、経済力も貿易力もヨーロッパ諸国はアジア諸国に対し劣勢で、ヨーロッパ人たちはアジアの既存の貿易ルートにちゃっかり乗っかるしか手段がなかったんだ。
ヨーロッパ人はアジアの珍品を爆買いしたが、その対価は中南米から無償で強奪してきた銀で支払ったんだよ。当時は互いに共通する通貨が無かったのでヨーロッパ人は相場が分からず、アジア諸国がうまいこと銀を多めにせしめていたんだ。
(4)<キリスト教>
宗教改革の結果、新旧両宗派が厳しく対立して互いに勢力圏を広げようと他地域への布教活動を盛んにした。
こうしてキリスト教は、世界じゅうに広がったんだ。
特に熱心だったのが、スペインとポルトガル。
この地域イベリア半島は、中世の長い間イスラーム勢力に国土を支配されていて、領土奪還とキリスト教復活が民族の悲願だったんだ。中世末期の15世紀にようやく奪還に成功。その勢いで海外に雄飛したというわけだ。
キリスト教は、最初はアフリカを目指したんだけど、やがて南北アメリカ大陸という「未開」の地を「発見」したことでそこへの布教を本格化した。
現代ではこの南北アメリカ大陸全体が、キリスト教一色に染まっている。
米国民がキリスト教に非常に熱心(つまりイスラームへの強い敵がい心)というのは、こういう歴史的な背景によるものだ。
ーーーその2<大航海時代>ーーー
大航海というと、とても大げさな表現だ。
しかし、15世紀末までヨーロッパ人はヨーロッパとその周辺に引きこもっていた。
それが16世紀になると全世界に飛び出した。ヨーロッパ人にしてみれば、大きな飛躍だったから「大」と付けたくなる気持ちも分かる。
このとき飛び出したのは、ポルトガル・スペイン・イギリス・オランダ・フランスの5か国だ。
前2国が先に飛び出し、後3国が追いかけた。
太平洋地域にも飛び出したがそれは時期尚早だったので、とりあえず軍事的に優位がとれる大西洋地域を席巻し最初の一体化世界を作り出した。
ーーーその3 大航海時代の結果ーーー
え?大航海時代の中身は?コロンブスをはじめ様々な冒険家の事績は?
そんなのは、歴史総合ではどうでもよい。
この点が、「歴史総合、つまんない」理由だけど。
(1)<世界>
マルコポーロの著作『東方見聞録』のフランス語名が『世界の記述』という名前で、この教科書が取り上げ「世界の始まり~!」といった雰囲気を醸し出しているが、この著作の原題は不明で、フランスで訳されたときに読者に分かりやすく命名し直したタイトルである。
まあそれはともかく、大航海の結果、「世界」つまり諸国のグローバル状態が初めて出現した。
それまでの歴史でも、ヨーロッパ世界とか、ローマ世界とか、アジア世界とか呼ばれるのだが、それは「地域完結型の狭い世界に生きている」的な呼び方。
ここでいう世界は、「地域を越えた大洋の向こうの地域とのつながり」のある世界だ。
16~17世紀に出現したのは、大西洋を挟む、北東(ヨーロッパ)・西(南北アメリカ)・南東(アフリカ)の3地域からなる世界。
アジアは?
ハブられたのではなく、実はアジアの独り勝ちで、その風下に上記の大西洋世界が存在していた。
この時代認識は、実はあまり知られていない。
ヨーロッパの世界進出ばかり強調されて「ヨーロッパの時代が始まった!」ように時代を捉える人が、とても多い。
(2)<影響>
よって、大航海時代がもたらした影響は、大西洋世界では非常に大きく、アジアでは何の影響もなかったということになる。
この認識が、とても重要。
アジアへの影響がゼロというわけではない。
例えば、中南米原産のサツマイモが江戸時代の日本で奨励されて重要作物になったり、中南米原産のトウガラシが朝鮮の食生活の一つになったりという変化はあった。
しかしアジア諸国の政治・社会・経済を大変革させるような影響は、なかった。
ヨーロッパ諸国では、社会を揺るがすような強烈な大影響があった。
これも当時はただ伝わったというだけでアジアと同じように彩りを加えただけだと思われたが、後々の大変革の主要動機になっていった。
例として、インド産の綿織物の素晴らしい出来ぐあいにイギリス人は夢中になり、イギリス国内でも自前で製造できないかと皆あれこれと模索した。
それが産業技術の改良、産業革命の引き金となった。
中南米原産のジャガイモが、ヨーロッパの小麦メインの農業を根本から変えた。
ジャガイモは地下茎で、地面の下に埋まっているためヨーロッパで頻発していた戦争で踏み荒らされることが少なかったため、普及した。
東ドイツや東ヨーロッパの冷涼な気候でもできやすいことから、東欧の主要作物となり、これが東ドイツから起こったプロイセン王国の原動力となりドイツ統一へと向かう。
アジア原産の茶・砂糖が大量にもたらされ、甘ったるい(私は甘いのが苦手)お菓子が登場し、現代世界の甘党たちの生きるよすがになっている。
王妃マリー・アントワネットの「パンがなければケーキを食べればよいのに」という問題発言が原因で、フランス革命が起こったとか何とか。
(3)<南北アメリカ大陸>
ヨーロッパ諸国の最初の植民地にされた。
北アメリカ大陸の奥地には大平原が広がっていたが、先住民の人口が非常に少なくてほとんど未開発。
当時は入植者に奥地を開発するだけの余力がなく、東海岸地域だけを細々と開発し暮らしていた。
それに対し中南米には、数々の珍しい作物があり、さらに埋蔵量豊富な銀鉱山があった。
先住民が建てたインカ帝国などがあったが、ヨーロッパの当時の鉄砲軍事力で十分に圧倒可能だったので(相手が弱かったので)打ち負かし滅ぼし財宝を強奪し住民を奴隷化し植民地化した。
奴隷化する過程で、キリスト教の布教が住民を教化(つまり洗脳)するのに功を奏した。もちろんこの情報は日本にも伝わり、豊臣秀吉の禁教令、江戸時代の鎖国につながる。
ただ影響を受けたのはこの大陸だけでなく、力を行使した側のヨーロッパにも跳ね返ってきたのだ。
中南米産の大量の銀(本当は金が欲しかったのだけど、希少過ぎて見つからない)にヨーロッパ人は狂喜した。さっそく通貨として運用した。
しかしお金は多ければ多いほど良いか?というと、そうではないのだ。個人的には良いだろうが、国家的規模でみると「お金が多い⇒物が少ない⇒物価上昇⇒財政破綻・生活苦」となる。この結果、スペインは財政悪化により近代列強になれなかったし、フランスでは農村の生活が行き詰まり革命の原因にもなるんだ。
また中南米にヨーロッパ人が大量に作ったサトウキビ農園で、大量の砂糖がヨーロッパにもたらされ、ヨーロッパ人は砂糖なしで生きられない身体になってしまった。
こうして中南米は、事実上ヨーロッパの一部と化した。
(4)<大きい(大きく・大きな)>
この単元では、この形容詞が大活躍する。歴史を大きく変えたからだ。
「大航海時代」という呼称が、引きこもっていたヨーロッパ人の心情というのは前に書いた。
南北アメリカ大陸に対してヨーロッパ人は無双状態だったので、この広大な大陸に対しとことん大規模にやらかしていったのだ。
農園を大規模に作り、大量にサトウキビなどを生産し、アフリカから大人数の黒人を拉致してアフリカの人口を激減させた。
そのヨーロッパへの跳ね返りの影響もとても大きく、経済を根本から変え、身体が砂糖と化した。
ただ誤解してはいけないのが、アジアとの関係だ。
ヨーロッパ人は確かに大量のアジアの珍品を持ち帰ったが、それはアジア諸国にとっては「新規の爆買いしてくれるお客さんが来た!」という程度でしかなかったのだ。
むしろヨーロッパ人が爆買いの支払いに大量の銀を払ってくれたので、アジア諸国は大きな儲けだった。
(5)<イギリス>
大航海時代に世界に雄飛したヨーロッパ諸国は、5か国。
イギリスは、その第2波。
北アメリカ大陸に行った連中は、強奪できるような物産が少なかったので、移民として土地を開拓し細々と生活した。
中南米に行った連中は、大量の物産を強奪したあげく、大農園を作って先住民を奴隷労働させた。ただ先に行ったスペインに後れを取った。
(6)<スペイン>
大航海時代の第1波として、七つの海にまたがる太陽の沈まない大帝国を作り上げた。
当時の王家は、神聖ローマ皇帝でもあったハプスブルク家。
つまりヨーロッパ全土に君臨し、世界じゅうを支配する、まさに世界の帝王だった。
その原動力は、中南米産の大量の銀と、大規模農園の産品。どちらも先住民を奴隷としてただ働き(食事と寝る所だけ支給)させて、手に入れた。
(7)<先住民>
ヨーロッパ人が「発見」と呼んだ南北アメリカ大陸には、先住民がもちろんいた。その人口は、実に数千万人といわれる。
ちなみに、この頃のヨーロッパの人口は6~8000万人、中国は2~3億人、日本は3~4000万人、インドは1~2億人。
アメリカの先住民が一致団結すれば抵抗できた数だが、いかんせん、兵器技術に差があり(銃砲VS弓矢)、分散して住んでいたので負けてしまった。
中国やインドは桁違いに多く、これではヨーロッパ人には侵略は無理。
日本が侵略されなかった理由は、織田・豊臣・徳川政権が築き上げた強力な(兵器だけでなく、戦争指揮能力もずば抜けていた)軍事政権だったからだ。
なお現代の日本は憲法上は軍隊を持たない国だが、事実上の軍隊である自衛隊が存在していて、その実力(特に海上自衛隊)は世界トップ10以内とされている。容易に侵略されない抑止力を持っていると思われる。
(8)<ヨーロッパ>
大航海時代を経てヨーロッパが世界の表舞台に登場するのだが、しかし主役ではない。
大西洋と南北アメリカ大陸を支配したが、アジア諸国には負けている。
だから、準主役か、脇役の一番手といったところか。
重要なのはそこではなくて、引きこもっていたヨーロッパが他の地域とつながりを持ったということが重要だ。
中南米やアフリカとの、経済(銀・産品)・文化(キリスト教)交流。内実は、強奪・拉致・搾取・奴隷的扱いだが。
この交流の中には、ヨーロッパ人の風土病を他地域に伝播させたというのもある。現代世界で蔓延している、インフルエンザや麻疹、百日咳だ。その他、チフスや天然痘。
またアフリカの風土病マラリアが、拉致された黒人と共にアメリカを経て全世界に伝播した。
アメリカ大陸の風土病といわれる梅毒が、全世界に伝播した。
アジアとの、経済(珍品・銀)交流。軍事力で劣勢だったので、やむなく平和的に。
(9)<ポルトガル>
スペインと共に大航海時代の第1波2国の一つ。
中南米に行ったが、スペインに後れを取ってしまった。(世界に雄飛したのはこの国が先だったが、主にアフリカ方面へ行ったので)現代のブラジルだけかろうじて確保。
アジア貿易では活躍し、当時民間貿易を規制していた中国(明)と各地を結ぶ貿易を中継して巨利を上げた。日本に鉄砲をもたらした。
(10)<フランス>
大航海時代第2波の3国の一つ。
中南米で大農園を経営したが、スペインに後れを取った。
(11)<オランダ>
大航海時代第2波の一つ。
中南米で大農園を経営した。
アジアにも進出し、江戸時代の日本と外交・貿易した。
「スペイン・ポルトガル人は戦闘的だから来航を禁止された、オランダ人は平和的だから許された」というイメージがあると思うが、それは当時の日本が強力な軍事国家だったため侵略されなかったというだけだ。
オランダも、東南アジアでは小さな島々を占領し植民地化し先住民を奴隷化し虐殺しているのだ。
(12)<大規模>
「大」という形容詞の説明は先にしたが、貿易品が特に大量だったためここで追加説明。
ヨーロッパ人が強奪または爆買いして持ち帰った品々は、次の通り。
砂糖・香辛料・茶・陶磁器・綿織物・絹。
これらを使って作った品物は、ケーキなどの洋菓子、陶製カップの紅茶、各国の上層階級のご婦人方のお召し物(ドレス・ショール・ハンカチ・手袋)。
これらの産品はどれも非常に高価で、これらが一般に出回るのは産業革命によって自前生産が可能になってからだ。
(13)<人口減少>
中南米の先住民は数千万人いたといわれるが、ヨーロッパ人による虐殺や奴隷化により激減し、1千万人未満になった。
アフリカから連行された黒人は約1千万人でアフリカ総人口の20%程度だったが、アフリカの西海岸の被害が大きくこの地域はほぼ壊滅した。
(14)<アフリカ>
現代アメリカ大陸に在住する黒人の先祖は、多くがアフリカ西海岸の先住民。
アフリカといっても、当時のヨーロッパ人が立ち入れるのは海沿いだけ。奥地まで行く余裕はなかった。
それでもアフリカの海岸沿いは、ヨーロッパ経済と一体化することになった。
(15)<社会>
ある歴史的な事象が起こったとき、それが歴史を変える出来事というためには社会を変動させたことが必要だ。
この大航海時代は、南北アメリカ大陸、アフリカとヨーロッパの社会を大きく揺るがした。
南北アメリカは植民地化され、アフリカからは多くの人が連れ去られた。
ヨーロッパは、経済面・政治面で革命の時代を迎えることになる。
ーーーその4 ヨーロッパと世界の<一体化>ーーー
世界のグローバル化の第1段階といわれる、この時代。
グローバル化というと、現代と同じく、まず経済だ。
経済の考え方は、矢印で見るとよく分かる。あれが起これば、これが起こる。これが起これば、それが起こる。この矢印の順序が、経済の動きだ。
(1)<銀>
中南米鉱山⇒ヨーロッパ⇒アジア
ヨーロッパが強奪し、アジアに渡る。
(2)<経済>
北米は、入植者による自給自足にとどまる。
中南米は、銀がヨーロッパへ、アジアへ。
この結果、世界経済の富の集中具合は、アジア>ヨーロッパ>アメリカ・アフリカ、となった。
(3)<大西洋>
世界グローバル化の第1の舞台は、大西洋である。
太平洋ではない。この点を、注意。
ーーーその5 アジアの独り勝ちーーー
これは、世界史を表面だけ学習する人にとっては到達しがたい、この時代への認識だろう。
教科書の文章を丁寧に読み込めばわかるが、そんな授業をしている学校はほとんどないと思う。超難関大学を受験するような生徒さんの歴史教科書読解が、まさにこれだ。「超難関」が何を意味しているのか(歴史の真の姿を問うている)が、よく分かる。
近年の「探究」授業は、この歴史の真の姿理解に少しでも近づけようとする努力かな?うーん。絵図表の読解は、ちょっとずれているよ?
(1)<結びつき>
その内容には、差がある。
ヨーロッパとアメリカ・アフリカの関係は、欧>米・アフリカ。
ヨーロッパとアジアとの関係は、欧<亜。
(2)<植民地>
南北アメリカ大陸は、ヨーロッパ人に植民地化された。
アジアは、植民地化されなかった。
(3)<香辛料>
アジアの最大の珍品が、ヨーロッパ人に爆買いされ、ヨーロッパ人(のみならず世界じゅうの人)を香辛料なしで生きていけない身体にした。
その影響力は、砂糖を上回っていた。砂糖は食べなくてもいいお菓子だけど、香辛料は料理全般だからだ。
これは、ラノベやアニメによく出てくる異世界物でも描かれている。
現代日本人が異世界で、現代の香辛料まみれの濃い味の食品を売り、バカ売れして大儲けというあれだ。
この作品類は、世界史を表している。




