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三話

三話になります!

よろしくお願いいたします!

「これ、ありがとう」

「ううん、気を遣わなくていいよ、お兄ちゃん」

サイダーの代金を渡そうとしたが、彼女は受け取らなかった。

「いいや、悪いよ。それは」

「いいんだよ。私が好きでやった事だから。それとも、お兄ちゃんは私の好意を無下にするの?」

悲しそうな瞳だった。

そんな瞳から向けられる視線が当たれば、心が締め付けられる。

「わかった。じゃあ、代わりに何かできる事はない?」

その瞬間、十文字さんは獲物が罠に引っかかった事を喜ぶハンターの様な笑みを浮かべた。

「お兄ちゃんなら、そう言ってくれると思ったよ」

(あれ、これってはめられた?」

「まずはね、お兄ちゃんは今後私の態度や接し方を改めるように注意すると思うから、

それは無いようによろしくね。それと後はね」

ご自身一人で話を進めている。

相違なく、僕が何を言っても彼女は聞く耳持たないだろう。

「私からのスキンシップは絶対に受け入れる事?いい?」

「そのスキンシップって言うのは?」

「こういう事ー☆」

またも首に手を回されてしがみつかれる。

良い香りが鼻腔を刺激するので、魅了されてしまいそうだ。

「でも、お兄ちゃんもこんな可愛い子にこういう事されて嬉しいのは肯定じゃないの?」

「うっ」

すぐに否定できないのは、肯定とみなされても仕方ないだろう。

それは僕だって男だから、それなりに異性には興味もある。

だからこういうシチュエーションだって有り体に言えば、嬉しい事だ。

「まぁ、追い詰めすぎるのもかわいそうだから、今はこれくらいでね」

密着していた体が離れる。

「お兄ちゃん、今日のお昼一緒に食べよう!屋上で待っているから!」

元気よく手を振って視界から姿を消した。

この現場を人に見られていなかったのは幸いだ。

ホームールームが始まるまでの間、僕は教室の掃除を始めた。

ほうきではいて、黒板けしを綺麗にしたり、窓を拭き終えると、達成感に満たされた。

「おはよう」

掃除の後片付けをしている時、彼女は現れた。

「あ、十文字さんおはよう」

「優慈君、おはよう。教室、綺麗にしてくれていたんだね。ありがとう」

本当に見目麗しい人だ。

性格も良くて、クラスメイトからも、教師からも良い印象を受けている。

次元が違うとはこの事だ。

彼女一人が近くにいるだけで、アウェイなので、僕は後片付けをした後、教室を出る事にした。

「待って」

すると、呼び止められた。

「優慈君って、いつも皆のために動いてくれているよね。私、知っているよ。

朝早く登校して、掃除したり、用務員さんのお手伝いをしたりしている事」

「どうして、その事をご存知で?」

「妹から聞いたの」

合点がいった。

「あのさ、私、優慈君の事もっと知りたい。だから、私と、友達になってくれない?」

瞬間、彼女が幸せそうに手を繋いで歩く姿が頭に浮かんだ。

「ご、ごめん!」

僕はその場から走り去った。

「優慈君!?」

心配そうにしていたが、申し訳ないけど、今は構っていられる時じゃない。

洗面所で顔を洗って、気持ちを落ち着かせた後、いつも通り授業を受けて、

昼休みを迎えた。

屋上へと向かう。

「お兄ちゃん、お疲れー」

彼女は僕より先に待っていた。

「待たせちゃった?」

「ううん、大丈夫。さ、ご飯食べよ」

向かい合う形で座り、僕はお弁当箱を開いた。

「お兄ちゃんのお弁当美味しそうだねぇ、けど、私のも負けていないよ?」

お弁当箱を渡された。

「私がお兄ちゃんの為に作ったお弁当だよ☆」

「ありがとう。そう気を遣わなくても大丈夫だよ」

「いいの。お兄ちゃんはありがたく受け取るべき」

ここは拝受した方が安泰だ。

受け取ったお弁当箱を開くと、中には、唐揚げ、ハンバーグ等僕の好きなおかずが詰められていた。

「これだけあったら、かなりのガッツが付くね」

「うん、仰る通りだ。いただきます」

いざ、口にすると、その美味しさに驚きを隠せなかった。

本当に美味しい。箸が止まらない。

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした」

いつもより贅沢な昼食だった。

「お兄ちゃん、お弁当の有り体な所感を聞かせて」

「真率に、とても美味しかった。非の打ちどころがないお弁当だったよ」

「ありがとう。お兄ちゃんに対する気持ちが奏功していて嬉しいよ」

嬉しそうに笑った。

太陽の様に明るい笑顔だった。

「ところで、私疑問に感じてる事なんだけど、どうしてお兄ちゃんは私達姉妹の事を知らなかったの?」

その問いを投げかけられるとは存じなかった。

「僕は、休み時間はゆっくりしているか、ランニングしているかだから、そういった情報が入る事は

あまりないんだよ」

「聞いた内容い相違ないね」

「ん?どういう事?」

「お姉ちゃんからお兄ちゃんは日頃どうしているか、教えてもらっているからね。

教えてもらった内容に相違なかったと今理解したんだよ」

「あの、どうして僕の所に来るように」

「それはね、いや、ごめん。今話すのはよしとく。最高のオポチュニティが来たらその時

教えてあげる」

「そっか」

「ご飯も終えた所で、まだ時間あるからゆっくりしよ」

ご自身の膝をぽんぽんと叩く。

「ここ」

「えっ?」

「膝枕してあげる」

「遠慮しておくね」

「遠慮せずに、ここで寝て」

「ごめん。流石にそこまでは」

「ここでもし、私が悲鳴あげたら、お兄ちゃんはどうなるかな」

「喜んで、膝をお借りします」

そう恫喝されては、抵抗できない。

おずおずと、膝に頭をのせる。

とても柔らかくて、弾力があった。

「お兄ちゃんは、いつも頑張っていて、優しくて、そんなお兄ちゃんだから、こうやって

心身休めてほしくて」

それは愛を感じられる優しい声だった。

このまま身を委ねていたい。

昼休みが終わると、いつも以上に午後の授業も、帰宅した後のランニングもいつもより

更に良いパフォーマンスを発揮出来た。

ありがとうございました!

引き続きよろしくお願い致します!

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