魔法界へ
ゲートを通ると、大型ショッピングモールの
ような場所に出る。
「デカいな」
「何これ……」
「ここか? 魔法界に3店舗しかない
大型ショッピングモール、マオンだ」
驚いている2人を見ると、作ったゲートを
閉じる。
「おほん、君達に質問しよう、魔法使いたい?」
「「使いたい!!」」
(はぁ……ここに仕掛けられた興奮型魔法陣に救われるとは、購買欲爆上げのために仕掛けたらしいんだが……まいっか)
男が笑顔で尋ねると、2人が満面の笑みで
応える。
3人で魔法陣が書かれた土台に乗ると、魔方の杖販売店に転移する。
「うぃーっす、やってるか?」
「あ? お前か……連れのガキは?」
販売店にいた女店主は、ハラス達を見て男を疑いの眼差しを向ける。
「ねぇぼく達、この人の名前知ってる?」
「「ん? 知らないよ~」」
「そっかそっか」
ハラス達が男の名前を知らないことを知ると、更なる疑いの眼差しを向ける。
「あのさぁ……犯罪者を殺したりそいつらの持ち金や芸術品を自分の物にするのは良い……まだ良い、だが児童誘拐……堕ちたね、いや、既に堕ちてるか」
「お前……何か勘違いしてるらしいな……あの子達はあいつの子どもだ」
「何だ~、そんな事か、お前が児童誘拐したと勘違いしたじゃん」
そう話しながら2人がハラス達を見ると、店にある杖を全て見ようとうろうろしていた。
「あの子達魔法陣踏んだ?」
「まぁな、後頼みがある」
「ん?」
「2人の魔通を頼む」
「OK、追加料金貰うね」
「クレカで払うから良いぞ」
女店主がハラス達を集めると説明を始める。
「今から魔通をします」
「「はーい」」
「一瞬痛いけど魔法が使えるようになるからね」
そう話すと腰から杖を2本出し、ウキウキの2人の胸に当てると、何かを出す。
「……グォォ」
「…………ガハァ」
何かが体を貫通した2人は少しのたうち回るが、すぐに痛みが引いたのか起き上がる。
「よく我慢してくれたね、飴ちゃん食べる?」
「「うん!!」」
2人は飴玉を舐めながら店にある杖を見に行く。
「記憶処理用の飴だ、高いぞ」
「すまんな、ガランはともかくハラスはショックがでかすぎる、値段はいくらだ?」
「そだね~市場の値段だと2000だけど……特別に10万にす――」
「じゃあ2000で頼む」
女店主がぼったくりに失敗する所を背に、2人が杖を選んで持ってくる。
「この[屍の杖]好きだな~、ガランは何にした?」
「俺は[混沌の杖]だ、カッコいいだろ」
女店主が2人から杖を受け取ると、後ろの商品棚から紙を2枚取り出す。