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地獄  作者: 布渋
3/6

仲間との出会い

 しばらく自転車で走っていると、湖が見えて

くる。

「……出来れば家族で来たかったな」

 独り言を呟くと、近くの民家から蛇が突っ込んでくる。

「グフゥ……」

 横腹に頭突きを貰うと5m程ふっ飛び湖に落ちる。

(あちゃ~……また死ぬか、次は頭突きされんよう気を付ければいっか)

 軽く考えると失う意識に身を任せる。


 目を覚ますと、家の天井ではなく洞窟が目に入る。

「やっと起きたか」

 近くにいた同年代くらいの色白金髪男子に

チョコレートを貰う。

「食いな、まぁ旨くはないが」

「ありがと」

 男子から貰ったチョコを食べると、口の中に

チョコの甘味と共に不快な味が広がる。

「あの……これって」

「そりゃそうだ、海水に浸かったチョコが旨い訳ねぇ」

「……先に言ってよ」

「いや~ごめんごめん」

 渋い顔をしながらチョコを食べ終えると、目の前でにやけていた男子が自己紹介を始める。

「よっす、俺ガランって言うんだ、よろしくな」

「俺はハラスだ、よろしく」

 ガランと握手すると、彼の懐からリボルバーが

落ちる。

「あ……これは……その……」

「お前……これかっこいいな」

「え……あ、そうだろ~、しかもこれ防水なんだぜ」

「マジか、日本なのに凄いな~」

 ハラスの言葉にガランがにやけ顔で自慢していると、突然地震がおこる。

「え……地震?」

「何が……」

「逃げるぞハラス」

「う……うん」

 ガランに手を引かれ洞窟を出ると、砂利道と湖が目に入る。

「改めてありがと、助けてくれて」

「良いんだよ、予知で見た事をしただけだ、にしてもあの夢は何なんだ」

「え? 夢って男の声が聞こえたあれ?」

「あぁそうだが……もしかしてお前も――」

 自分が見た夢について確認しようとすると、目の前にぼろ雑巾のようになった蛇が降ってくる。

「なぁ……これって」

「蛇だな」

 2人が蛇を凝視すると、遠くから砂利を踏む音が聞こえてくる。

「なぁガラン」

「近づいてきてる……よな」

「もし蛇をこれにした奴なら……」

「……ヤベェ」

 臨戦態勢になった2人が足音のする方を見ると、杖を持ち、帽子を深く被り目を隠し、ロングコートを着た男が歩いてくる。

「動くな!! 腹に風穴開けたいか!!」

「近づくな!! 包丁で腹刺すぞ!!」

 手を震わせながら男に武器を構えると、男が

杖を振りかざす。

 すると2人の後ろにいた鳥が雑巾のように

絞られる。

 見るに絶えない姿になった鳥を見ていると、2人の後ろに男が移動する。

「いや~君達が生きてて良かったよ、金髪君がガランで黒髪君がハラス君だったかな、さぁ行くぞ」

 2人の顔を見ると、男は堰が切れたように話し始める。

「あの……何処に行くんだ?」

「すまないすまない、何処に行くか話してなかったな、魔法界だ、後ハラスや~、君の里親に会いたいんだが」 

「……死んだよ」

「…………すまない、後で墓を作るよ」

 ハラスの言葉で場の空気が凍ると、男が魔法界に通ずるゲートを作る。

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