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地獄  作者: 布渋
2/6

繰り返し

「ハラス~おきなさい、今日は3年生でしょ」

「え? はい」

(夢か……にしてもきつい夢だったな、まぁ悪夢なんて忘れて朝飯食うか)

 先程見た事を夢と断定し、リビングに向かうと2人で朝食を口にかきこむ。

 2人が玄関に向かい、父親がドアに手をかけるとけたたましいサイレンが鳴る。

(あれ、夢で聞いた奴だ)

 ハラスがそう考えると父親にリビングへ連れていかれる。

 父親が2人をリビング置き、釘バットを持つと玄関に向かう。

(確か夢だと逃げ――)

「逃げろー!!」

(あれ? 2回目じゃん)

 ハラスが振り返ると、母親の頭上で蛇が大口を開けていた。

「危ない母さん!!」

 母親を突き飛ばすと、ハラスが蛇に丸呑みにされた。

(あ……これ繰り返してる奴だ、3人で生き残るにはどうするか考えなきゃ)

 

 そう考えながら死ぬと、またベッドの上で目を覚ます。

 何十通り、何百通りの両親救出方法を試したが、自分が死ぬor全滅ENDしか辿れなかった。

 ある時は10m程ある鳥に生きたまま内臓を喰われ、ある時スライムに生きたまま消化されていた。

 逃亡生活で疲れた母親が自殺した時もあった。

 

 ベッドで起きたハラスは、とても落ち着いていた。

「ハラス~おきなさい、今日で3年生でしょ」

「は~い」

 トーンを変えずに話すと、家族のいるリビングに向かう。

「おはよ」

「おうハラス、おはよ~」

 父親との挨拶を終えると、料理をしている母親の元へ向かう。

 まな板の上にある包丁を取ると、母親の横腹を刺す。

「……え?」

「ハラス!! 何してるんだ!!」

 母親を介抱するために来た父親の首をまな板近くにあった果物ナイフで刺す。

「……ハラス、何を……」

「……ハラス、どうしたんだ、ゴフ」

「ごめん……これしか無いんだ、ごめん……ごめん」

 倒れた両親に泣きながら包丁を何回も刺して殺すと、ナイフポーチを腰につけて家から飛び出る。

(もうすぐ蛇がくる、確か車で逃げた時にデカい鳥に襲われたよな)


 自転車に乗り、鳥に襲われた場所へ走らせるとサイレンが鳴り、後ろから蛇が3匹出てくる。

 1匹がハラスを見ると、標的をハラスに変えて後を折ってくる。

(間抜けが、今から何処に行くか知らねぇのか)

 坂道を自転車で下りながら考えると、何かの影がハラスの上を通りすぎる。

「来やがった」

 ハラスが呟くと同時に、後ろの蛇が10m程ある鳥に捕まり、何処かに持ってかれる。

 坂道を下り終え大通りに出ると、そこは蛇やスライムに蹂躙されていた。

「チ、食料を貰えると思ったんだが」

 ハラスが独り言を話すと、怪物達に蹂躙されてる大通りを走り抜ける。



 



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