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帝都にある谷の町の住人  作者: うしねことその身内
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5.小料理屋を経営する親戚の家

5.小料理屋を経営する親戚の家


親戚の家は、港町にあり、江戸時代から続く木造かつ日本庭園の美しい小料理屋を経営していた。

小料理屋というよりも、雰囲気は料亭と行ったところだった。

ただ、その料亭っぽい小料理屋の裏に、実際に親戚が暮らす家があり、

その家も江戸時代からの木造の建物だった。


この家は父の弟、耕造おじさんの家で、

妻の照子、長男の順三、長女のきりのほか、

数名の女中さんが暮らしていた。


門を入り、父が弟の名を呼ぶ。


「おーい、耕造、来たぞ。」


しばらくして、父の弟の嫁が出てくる。


「これは、ようこそ、遠いところを来てくれました。」


「遠くないよ。今度開業したあの私鉄を使うと、1時間とちょっとで来れるんだ。」


なぜか、亮一が自慢げに語る。

父は、

「なんでお前が自慢げに言うんだ。」

と返す。


父の弟の嫁はクスクス笑っている。


「さあどうぞ、中に入ってください。」


鉄二一家は玄関から縁側を通り、16畳ほどある、居間に通される。


居間のテーブルには、すでに小料理がおかれており、

小料理というか、立派な懐石料理だった。


「もう昼なので、食べながら話をしよう。」

と耕造おじさんが言う。


鉄二は、

「そうだな、積もる話もあるし。」

と返す。


その後、耕造一家と鉄二一家で和やかな食事会となった。


食事が終わるころ、

「港のほうに行って、船を見にみないか? 

今日は上海航路の船が入港しているはずだ。」


順三が、亮一と私を誘う。


兄は船も興味の範囲の様で、


「よし、行こう。」


と返事をする。

なぜか佳代子も一緒についていくことになった。


港は耕造おじさんの家から歩いて、30分位のところにあり、

途中倉庫街を通る。


順三はなぜか、倉庫にも詳しく、

「この倉庫は〇〇の□□という荷物が保管されているんだ。」


と詳しく説明してくれる。


「なんでそこまで詳しいの?」


と佳代子が聞くと、

「実際に荷物を出し入れしているところを見ているからな。」

という。


佳代子は心の中で、順三は暇なのかな?と思った。


しばらくすると、

外国航路の船が数隻停泊しているところに出た。


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