渇望する最高神
有る欲しいものができてしまった最高神。果たして!?
おれ、さっそく気付いちゃったんです!
おれの死角は不老不死という事に! よし、そうと決まれば、食べたら不老不死になれるという”金のリンゴ”入手がマストっすよね!?
「というわけで、おれ、金のリンゴを探しに行ってきます!」
「(ガシッ)ちょっとどこに行くんですか? サトゥーさん!?」
「そ、その手を放すんだ! テミスさん? 淑女が淫らに異性に触れちゃいけませんよ!?」
「ほう。今のもう一度聞かせていただきたいです! サトゥーさん?」
「いたたたたたっ! すみませんでした! どうか許して下さい! 肩もげる!」
「観念してくれましたか?」
「はい。お仕事楽しいな~♪ 早く終わらないかな♪」
ギロリッ
「はい。何でもございません!(涙)」
「さて、こんな感じで、今回もハリーケーンを起こそうと思うのですが・・・。」
「まじかあ。結構被害が出るんですね・・・。」
「早めの注意を呼びかけましょう!」
「まあ、それくらいしかする事ありませんからね。」
自然災害の管理も神の仕事らしい。 嫌すぎて、たまらんのだが。
というわけで、おれは夜な夜な地上へと降り立った。もちろん一人で! それもこれも今日の正午あたりだろうか・・・。神々の司令部から、珍しい、商品がある市場に出荷されるという情報が手に入ったのだ!
それをおれが頂いちゃってもいいんじゃね!? 最高神だし! 貰っちゃえ~ってわけで急ぎできたのだが・・・。
「すみませ~ん! これくださ~い!」
後一歩のところで、女性にお会計をされてしまった。
あの~。ちょっとマダム? それともマドモアゼル!? それアカ~ン!
「ご、ごめんなさい。良かったら、そのリンゴを譲ってくれると嬉しいのですが~。(アセッ)」
「あら。何かしら? リンゴならまだいくつか残っていたと思うのだけれど。」
「実はですね! 私神託を受けてまして、市場のこの店で最初に光って見えたものを買うようにという事なんですよ! さすれば、子孫繫栄が約束されるのだとか!」
「はい。」
頼むよ~! これで信じてくれないない? ダメかな~!?
「私の一族のために、何卒、その神託の果実を譲っては頂けないでしょうか? その効果は私たちの一族限定でして!」
少し考えてこむように戸惑った様子の女性。 いよ~し! 畳み掛けどきだ~!
「謝礼ならいくらでもさせて頂きます! 幸い私はいくつか資産を抱えているので!」
「それは、命令でしょうか・・・。最高神様。」
「え、やだなあ。最高神はゼウス様でしょ? 私はそんなものじゃないですよ?」
「お噂はかねがね・・・。サトゥー様なのしょう? 申し遅れました。私は炉の女神のヘスティア。2代前のオリンポス12神の一員です。」
おお!? これは日本である一定層の年代の男子に人気な ☆ロり巨乳!☆ 女神様じゃないですか!
現実はそこまで大きくないんか~い!! (大変失礼)
「しかし、あなたがどうして? 神々は不死ですよね?」
「実は私、夫に先立たれた、未亡人でして・・・。息子が病弱なもので、不死にしてあげようと思い、ここにきたのです。」
バツイチなのか。清楚かつ正統派美人! いいお母さんしているなあ。
「そうだったのですね。いいですよ! 不死者! 神々のルールには多少背きますが。あなたみたいな素敵な女性が、お母さんなんて息子さんは幸せものですね!」
「え!? 良いんですか!? ありがとうございます!」
「いえいえ。また何かございましたら、私たちは支援を惜しみませんので。あなたが幸せでいることが、世界中の皆さんの幸せに影響を及ぼすのですから。」
「フフッ。凄く優しいかたなんですね。今度何かお礼させて下さい。」
「そんな。これもおれの責務ですから。お気になさらず。それでは。」
「また、いつかオリンポス神殿にもお邪魔さえて頂いても良いですか?」
「いつでもお待ちしております。お子様にも神々の祝福が有らんことを!」
そんなこんなで温かい気持ちで別れたおれの本音・・・。
不老不死になりたかった~! そして、可愛いすぎるだろ~! 綺麗すぎて可憐すぎて、目が癒された・・・。
内のポンコツさんたちの誰かと、交代してくれないかなあ。(切望)
神殿へ上がっていく翼の動きが重たかった。
なんか、いつも何かと空回りしているなあ♪ どんまいです! きっといつかいい事ありますよ~♪