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職人の来人

新たなる神の登場回。あの有名な方が登場します!

おれ、先日の対戦中に思った事がある。何故、みんなのサポートにおれが徹しなければならないのだろうかと。


どうせなら、”おれに任せとけ!”とかって言ってみたいじゃん!?


そういうわけで、朝からテミスさんに魔法の戦闘の訓練を付けて貰っているのだが、どうにもよろしくないらしい。


魔法を発動する際にその当人のオーラの波が起る。そして魔法が出現したりするのだが、これで大体の向き不向きがわかるのだとか。


例えば攻撃魔法。一点に集中をし、軌道を整え、タイミングなどを見計らって力を解き放つ。だがしかし!


おれは力を解き放つ事がめちゃくちゃ下手くそのようだ。


「ちょっと! サトゥーさん!? もう攻撃魔法使おうとしないで下さい! 体が発光してますよ? 明らかに魔力暴走が起こっています!」


そ、そんな~! ファイヤーボールとか打って見たかったのに。


「防御及び支援魔法、呪い解除は一発で成功したじゃないですか! そっちを極めましょう!」

「そ、そんなあ!? おれの夢が~(涙)」


「それに、サトゥーさんの強みは力じゃなくて、判断力です。人として間違えないって誰でも出来ることじゃないんですよ? それに、人から神に爆発せずになる事が出来ましたし!」


「え!? 何サラッと怖い事言ってるんですか?」

「それに、魔力操作音痴なんで! あ、こっちの話しなので、お気になさらず!」


うわあ。笑顔可愛ええやないか~い! おれ、音痴だったのか。ショボーン。


おれの背後では、四方に向けて盛大な攻撃魔法が展開されている。


<神装 深淵蛇サーペント> 物質を石化し、徐々に崩壊させる光線の全方位連続攻撃陣展開・・・


<神装 黄金蜘蛛アラーネア> 光速の量子糸を吹き飛ばし、捕縛、切断、空間への割れ目の無差別攻撃・・・


<神装 神和音ソヌス> 音による衝撃波で魔力塊壁や全範囲攻撃・・・


おいおい。みんなカッコイイ技使いやがって! おれもいつか使えるようになってやるからな!


「ふっ。いつか追いついて見せるさ。」


最高神らしからぬ、セリフに留めて置くことにした。


「こ、この力があれば、世界を滅ぼす事が出来るっす!」

「確かに、可能だな!」

「爆風、こう、げき楽し、い♪」


「いっときますが、私、3人まとめて処分する事は容易いことなので、調子にのると・・・。お仕置きしますよ!?」


うわあ。これは女神辞めてるな。死神様でももうちょいチャーミングな笑顔だぞ!?


エリスさんの、裏の顔を拝めたおれは、穏便に最高神を辞める事にした。



*****



神になっても、苦手な事ってあるんすか? いつかおれは誰かに聞いてみたいと思っていた質問だ。


例えば、今目の前に突如浮かび上がった炎柱。高温で真っ白だよ。産毛がこげこげなんだが。


それと、後ろから急に話しかけられることかなあ。


「なんじゃい。まだ若造ではないか。」 ヒエエ。もう、誰!? 普通にびっくりするから止めて欲しいんだぜ!


「ど、とちら様でしょうか。」

「そうさなあ。お前さんからすれば前オリンポス12神じゃなあ。」


「そうでしたか。もしかして、あなた様は鍛冶の神ヘパイストス様?」

「いかにも。まさかわしの事を知っているとは思わなかったわい。」


いやあ。有名だよ!? 職人肌の火と鍛冶の神ヘパイストス! 


「何かございましたでしょうか。」

「いや、何。神が自爆する波紋を感じとってなあ。神族の誰かがピンチになったのではないかと思い、はせ参じたという訳なんじゃ。」


それっておれの魔力暴走のことやないかい! 


「ご迷惑おかけしました! おれはこの通り元気です!」

「やはり、お主じゃったか。これは失礼。最高神どの。」


「これはご丁寧にどうも。サトゥーです。」

「ヘパイストスじゃ。」


彼と握り締めあった手はごつごつとした、職人の手だった。


「おい。テミス。ちゃんと仕事はしちょるか?」

「は、はい。師匠! もちろんです!」


「元気そうじゃのう。なら良い。」

「お2人は?」


「こいつはわしの教え子じゃ。昔っからじゃじゃ馬でのう。」

「ちょっと、言わないで下さいよ!」


へええ。そ~なんだ! その話もっと詳しく!


「ひねくれてはいるが、良いやつなんじゃ。言葉には棘があるが、最高神のお主を必ず支えてくれるはずじゃ。どうかこやつの事をよろしく頼む。」


「いえ。そんな。いつもこちらこそお世話になっております。」


「ふむう。どうじゃ、このまま公私ともに支えあうというのは!?」


「それだけは、絶対にお断りです!」 仲良く同時ハモッてしまったのは仕方のない事なのかもしれない。


「フォッフォッフォッ! なんじゃい。案外仲良しじゃのう! しかし、いつか神の世界を変えたいと一心不乱に武芸や学問に誰よりも熱心に取り組んできたテミスが、今や天界NO.2なのじゃな! いやあ。めでたい事じゃ!」


「もう、師匠はちょっと帰って下さい! うるさいです!」


テミスさんの真っ赤な憤慨顔。これはレアなので拝んで置くことにした。

強力な助っ人男神獲得か? 今後の展開が楽しみですね♪

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