おもてなし部隊
悪役出てきたら、おもてなししないとですよね! そんな感じのチーム結成回です。
「サトゥーさん。さっそく今日のお仕事があるのですが・・・。」
おずおずと書類を差し出してくるテミスさん。
「どれどれ~! どんどんやっちゃうよ~!」
生き生きとして、書類に目を通してみる。
(コソッコソッ)
「おい。あの運命の人の水晶玉見せてから、やつがすごいやる気になっているんだが?」
「あっし、もうヤバい未来しか見えないっす!」
「し、仕方がないですよ(アセッ)。だってそうでもしないと、あいつ絶対戻ってこないですし!?」
どうしよう。あの運命の人合成写真なんだよなあ。どっかで良い縁見つけて紹介しまくらないと!
裏切りの会議が始まっていた。
「どうしたんですか。皆さん仲良くなったようで! 何よりです!(ニコッ)」
「そ、そうなんですよ~!(アセッ)」
「あっしらみんな仲良しなんで!?」
「なに。その意気投合してな。良いやつばかりで助かるよ。」
「ところで、この神々の戦闘部隊ってやっぱ12神くらいいないとですよね? 今何人いるんですか?」
「え!?」
「そう言えば、あの雑魚軍神以外見ていないな。何か理由でも?」
「そ、それは~。」あ、こいつ何か隠しているわ。盛大に目が泳いでいやがる。
「テミスさん。もしかして。」
「は、はい。神としての戦力は私だけです。」
「ふ、普通はですね。仲が良い神が助けてくれたりして、戦力強化していくのが常識なんですけど・・・。」
あ、これはまず~い。テミスさん。まさか。ボッ〇だったのか。
「でも、私こう見えても強い方なんですよ? 何とか3人分くらいの戦力にはなりますので!」
「いつも、テミスさんにはお世話になってますので、気にしないで。みんなで仲間集めましょう!」
「サトゥーさんは、時々優しいです。珍しいですね。」プイっと頬を膨らめ目をそらす。
このディスリ女神め。今はカチーンと来たぞ? まてまて。いったん落ち着こ!
「よ、良かったら、あっしらも手伝うっすよ!?」
「足手まといになるかもしれんが、微力ながら手を貸すぞ?」
「わ、私もサトゥーさんたまになら、たす、けてあげる。」
しかし、今日もおれは冴えていた! もし、最高神なら、部下に力を与える事ができるのではないか?
「そう言えばさあ。神って新しく作ることできたりします!?」
「サトゥーさん、それ、ナイスですよ! もちろん、皆さんが良ければですが!?」
「もちろんだ!あっしはいけるぜ!」
他2名の同意も得られ、計画は進められる事になったのだが!?
{緊急警報! 緊急警報! 何者かが攻めて来ています!速やかに対処してください!}
どうやら、おれ達を世界はまってくれないらしい。
*****
宮殿の外に出ると、空を真っ暗に覆い尽くすような、巨大なワイバーンの群れがあった。
あ、これおれ死んだわ。
「テミスさん、勝てます!?」
「まあ、軽く本気だせば行けますよ~! 明日、肩こり酷くなるかもですでけど。」
そっかあ。明日迎えられるといいなあ。
「正義は我にあり!」
何か気合で黄金のオーラを纏うと、テミスさんは上空に突っ込んでいった。黄金の閃光と轟音が周囲を照らし出している。いやいやいや。何だこれ。もはや人知を越えれるわ。
流石は正義の女神。めちゃめちゃつよつよみたいです。
おれも何かしないとなあ。テミスさんがうち漏らしたやつらがおれ達をえさだと認識して、お召し上がりに来られる前に。
さっき手渡らされた、書類にもう一度目を通す。さすがはテミスさん。
「これで、戦乙女と作れちゃうわけか? 準備は良いかい? 皆様方?」
「うっす!」
「いいぞ!」
「だい、じゅうぶ!」
おれのありったけの魔力を注ぎこんで、呪文を唱える。
「魔力譲渡」
美女たちの周りに疾風が巻き起こる。
<神装 深淵蛇>
<神装 黄金蜘蛛>
<神装 神和音>
さて、おれの同僚の戦乙女たちの即席の、敵おもてなしチームの準備が整ったのだった。
あ、やべえ。注意書きに、くれぐれもご自身より強くしないでください。君臨が出来なくなってしまいます。ってあるわ。
まあ良いでしょう!何とかなるはず。多分ね!
死亡フラグが立ちまくってしまったのは言うまでもないのかもしれない。
強くなりすぎた、彼女たちの働きで、敵の親玉も遠距離から一方的に蹂躙しているんだが!?
テミスさんも強かったなあ。おれ達の初陣は、幸先の良い勝利で飾られた。
ちなみに、軍人アレス様はテミスさんがす巻きにして、窓から放りだしちゃったそうです。まあ、不死身なのでどっかで元気にやっているでしょう!
テミスさんはディスリ過ぎるクセと、正義感が強すぎるがゆえに、友達が少ないそうです。(涙)