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逃げ出した元最高神

おやおや!? サトゥーさんの逃亡回! 果たして死亡フラグが立つ日は無くなるのか?

神殿の病室に最高神アレス様を寝かせ、おれはとうとう自由への翼を手に入れた。


「さらば、最高神! これから、やりたい放題だぜ! ひゃっほう!」

「それでは、お先に失礼します! テミスさん。お元気で!」


「ちょっと待ってください。私あんな男と働くのいやです。」


その手を放すんだ! 社会は、君の意思を尊重してはくれないんだぜ!?


「そうか。頑張ってください! おれは先にいきます!」


そ、そんな恨んだ視線向けらえても、おれ、死にたくないですから!


あなたが陰ながらおれを助けてくれたのも知ってる! でも、そもそもおれ最高神じゃなかったら命狙われないんだわ! 悪いとは思うけども!


「と、いうわけで、エコーさん! おれの責任も終了です!」

「む、むううう~!(必死の抵抗)」


張り付いているコバンザメをベットに放り投げおれは、とうとう、自由への扉が・・・!


「その、ありがとうよ。」

「ちっ。お前もいつか殺してやるからな!」


「そんじゃ、もう2度と会うことはないでしょう! さらばです!」


どうしてだろう。絶世の美女たちとのお別れがこんなに清々しい気持ちになるなんて!


アラクネさんも、メデューサさんも、さらば! どうぞお幸せに! あなた達の生活はアレス様が保証してくれるでしょう!


自由を手に入れた男には常に死亡フラグが付きまとうものだ。


「ワハハハハハ! 世界よ! 我は神なるぞ!」


さっそくその足で、お金は宝物庫からたんまり頂いてきたので、ちょうど良い!


こじんまりした一戸建てをこれまたこじゃれた田舎町に買った。買い物とかのアクセスも良い、現代人がRPGの世界観で手にするであろう理想の家だ!


久しぶりに眠ることができ、重圧から解放された! 肩が軽い~! 



*****


翌朝、お馴染みの美女たちに囲まれていたことは言うまでもないだろう。


「やだなあ。皆さん! お揃いで。」


「ふっふっふ。私に仕事全部押しつけて。休日は楽しかったですか?」

えええ。テミスさん。やっぱこいつの笑顔怖え~。


何となく、話しの流れが予測できつつあったおれは、抵抗を試みる。諦めねえぞ!


「はっはっは! うら若き乙女たちに夜這いされるとは、なかなかどうしておれも罪な男だなあ!」


「こんな事言っているんだが。」

「あっしちょっとこやつの顎外しておこうと思うっす。」

「わ、たし、置いてったの許さ、ない。」


「ぎゃああ! 痴女にいたずらされる~!」


3人がかりで顎を外しにかかってきた。


「すみません! おれが悪かった! 許してくださ~い!」


「よし、では。私たちの話を聞いて欲しい。」


「私たちは未来を見て来たんだ。」


おっふ。未来? さすが神だぜこんちきしょう! このチートめ!


彼女たちが語る未来。それは最高神アレスが統治した未来。世界は戦争に満ち溢れ、今まで幾たびも英雄、神々に負けてきた劣等感からか、人々をたくさん殺す未来。


そして、おれの最高神の初任務で助けた3人を再び冥界タルタロスに収監する未来。


え。マジですか。神々ってやっぱろくなヤツいねえ。


「君の力が必要なのだ。我々を助けてくれないか。」

「それに、辞める時は一緒ですよ? 裏切りは2度と許しませんからね!」


わああ。これがつり橋効果ってやつか!? またまた可愛く見えてしまうんだよ! テミスさんが。


「そ、そんな。おれの力が必要なんて・・・。」


(〃▽〃)ポッ 照れる。 (〃▽〃)ポッ 顔赤くなっているんだろうなあ。


「その。最高神に戻ってくれたら、あっしは命を今後狙わねえ。」

「そうだな。もう2度と戻りたくないからな。」


「わ、たしも、もう首締めない。や、くそくは守、る。」


おやおや!? しおらしくなっちゃってまあ。


「改めてよろしくお願いします。サトゥーさん。後さっきの寿退社って意味じゃないですから。変な期待させちゃったら謝りますけど。」


うんうん。爽やかな笑みだねえ。おれもディスリ女神の君に期待なんかもうしてないので、お気遣い結構です!


「それに、これといってはなんですけどね。お土産物があります。」


水晶玉を見せてきた。中には、白いヴェールをまとったおれの知らない美女の幸せそうな笑顔が。


「これがサトゥーさんの運命の人です。最高神やってないと彼女に会えません。」


なんだとう! じゃあ、もうちょっとだけ、最高神やっちゃいますか!


うん? 待てよ? 神なんだったら、抜け駆けでさっそく運命の人のところいっちゃっても良いのでは?


「あのう。ズルなんて出来ませんからね? 神の恋愛は道を違えば、成就しないってのが相場なので!」


どうやらテミスさんにはおれの考えが読まれているようだ。さすが、相棒!














 

なかなか逃亡は難しそうですねえ。どんまいです! 次のチャンス狙っていくしかない!


アラクネ(元凄腕の織職人):あっしが一人称。砕けた口調が素のよう。

メデューサ(元女王):姉御肌のクール美女。

エコー(元こだまニンフ):片言で喋る。癒し系美少女。

テミス(正義の女神):最近では頼もしいディスリ女神になっている

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