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神々の大罪2

深淵タルタロス編の第2回! あの有名な方の登場です!

人間、いつ死ぬか覚悟を決めている人は少ないものだ。


みんながみんな腑抜けというかチキンというわけじゃない。大抵の事において、死ぬ気でやる! と力んでしまうよりも、リラックスして普段通りの力を発揮するほうが上手くいくことが多いからだ。


そんな雑談はここまでにしておこう。誰かさんのいびきが聞こえてきたからな。



*****



今私のそばにいる、最高神の背中に死亡フラグが1本。見事にそそり立っている。


私正義の女神なので。一応命助けてやらんこともないのです。恐らく原因は今手錠さえもつけずに野放しの元メデューサのこの女。


後ろに視線も向けずに距離を図ってみる。距離1.8M。大体攻撃するのに飛び掛かってきたとして滞空時間が0.15秒ほどだろうか。


十分対処可能だ。しかし、私がサトゥーを助けたとしても、こいつの力量を把握する事が出来ないので、私にとってうまみがない。


一つ貸しにしといてやりますよ! サトゥーさん!


「サトゥーさん、この後どうしますか? 私もうお腹すいたので、帰りたいです!」


これ見よがしに怠惰アピールをしてみる。我ながら性格なかなかだとは思うが、その程度の男なら、さっさと粛清されたほうが世界のためだろう。



「すみません。もうちょっとだけ付き合って下さい。後2人ほど救助したいのです。それも緊急で!」

「分かりました! お付き合いします!」


背後にいたメデューサは、この2人の必死さに少しばかり毒気が抜け、襲い掛かるのを一時中断した。


メデューサが戦闘態勢を解除したのを確認して、私は小さいため息をつく。


次の予定はあの女か。正直高慢な性格の彼女とは相容れる気がしない。



*****



道が分らない中おれはテミスさんの後を急ぎ足でついていく。正直何千年も収監されている人の救助に数分の差は誤差かもしれない。


でも、彼女たちは一日でも早く自由を求めているはずだ! その時、救助に来た人がナマケモノ・ウォークだったらそれこそいたたまれないだろう。


蜘蛛の巣ベタベタ嫌だなあ。しかし、現実は小説よりも奇なりだ。


透き通った絹のような装飾が施されたまるで世界観が変わったような美しい部屋。


だれがここを牢獄だと信じようか。部屋の隅の方に布がいくつも重なった、小さなテントみたいなものがある。


壁側には、布で彩られた様々なアート作品がちりばめられており、部屋の雰囲気をどうしてか上品さえ感じさせる作りだ。


「もしも~し! 蜘蛛女アラクネさ~ん!? いらっしゃいますか!?」


ー> 来てくれたのですね! 私の騎士ナイト様! どうぞこちらにいらして!? いい事しましょうよ~! <ー


何とも幻想的な声が聞こえる。なんだ。興味が凄く惹かれる。もしかして、おれ声フェチだったのか?


「は、ふぁい!? えええ。そんな、だいたn・・・」


ー> 絶対篭絡インプリカティオ <ー


突然おれは背後から、鈍器が迫る気配がし、気持ち分だけ身をよじって逃げようとする。


「いてええええ! 何をしやがるこのディスリ女神! おれのたまたま狙ってケリーとかはしたないぜ!

ぐっわ。後から痛みが・・・。内股うっちまった!!」


「ご自身の名前を言って下さい。少しだけでも変な素振りをしたならば、この場で排除させて頂きます。」


うっわ。こいつ、本気だよ!? 腕パキパキならしながら殺意向けないで!? あなたホントは女神辞めてて殺し屋なのでは!?


「お、おれはサトゥーです! ちょ、分かった。話せば分かる! ね!? 暴力何もうまな~い!? お分かり!?」


後ろ向きで這ってでも逃げようとするおれ。やべえ。地獄で死んだら、地獄いきじゃね!? おれは天国で超絶美人な天使たちにパフパフしてもらうため、善良に生きるって決めてるんだあ!天女でも可。


今死ぬわけにはいかんのだ! いや、死んでたまるか!


「どうやら、精神攻撃から逃れられたようです。ふう。良かったです!あれは初見殺しですからねえ。」


いやあ。テミスさんの笑顔が急に可愛く見えてきた。なるほどなあ。これがつり橋効果ってやつかあ!

すごいなあつり橋効果! しかし、この子ディスリ女神なんだよなあ。なしよりの無しなんだよなあ。


「チッ。余計な事を! お前らもみんな殺してやる! みんな死んじまえば良いんだ!」


「まあまあ。そんな事言わないで下さい! 後、私こんなんでも最高神ですけど、一回死んでみたとか出来ないんですよね。」


「わ、私は何千年もこの暗闇の中で1人朽ち果てるのだぞ!? これ以上辱しめを受ける前にいっそ私を殺してくれ・・・。」


アラクネさんの鳴き声が響き渡る。


「良かったら、これを使って下さい。」


ポケットティッシュを手渡す。


「な、何のつもりだ!? これは何とも清潔な紙だな!?」


元々研究熱心だったのだろう。彼女の潤んだ瞳は瞬く間に輝きをを増していく。


その一瞬の間におれは呪いの全解除を済ませておいたのだった。


「私の足が元に戻っている!?」


何ともしなやかな美しい足を愛おしそうになで続けている彼女。世界は残酷だ。こんな美女が世に名を広めていないなんて。


全くもって世紀の損失だ! 違う。そうじゃない。彼女があまりに不遇なのだ。


「ご迷惑をおかけし申し訳ありません。これからあなたは自由です。」


「もちろん、メデューサさんも、アラクネさんも、何かこの後やりたい事があれば、出来る限りサポートさせて頂きますし、何一つ不自由はさせません。」


「ほう。この場で2人も口説こうとするとは。ロマンチックの欠片も無いヤツめ。哀れだな。」

「女性を助けて、イキリだす人はちょっと・・・。」


「浮気宣言とか、普通に引きます~。」


「いや。2人はともかく、テミスさん!? それはないでしょ!? 今そういう流れじゃなかったですよね!?」


「アホなふりしててもあなた相当優秀ですよね!? まったく。」

「え。そんな事ありますけど。何か照れる・・・。(真っ赤)」


まったく最後までしまらないんだよ。おれは。グスン。最高神なんて・・・。(以下略)


死亡フラグが2本たっているのが見えた。



 










アラクネ(元凄腕の織職人)

メデューサ(元女王)

テミス(正義の女神:最近では頼もしいディスリ女神になっている)


女しかおらんじゃん♪ そう思ったあなた♪ 残念ながら、ハーレムにはならなさそうですよ!

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