押しかけ女房
1章完結です・・・。ちょっと期間あけてまた再始動します。紳士・淑女の皆様のためにちょっとエッチくしようと思ってましたが、ただの可愛い娘になってしまった。力不足です、すみません!
皆さんは絶世の美女を間近で拝んだ事があるだろうか。
潤んだ目で手を握りしめられた事は? これは自慢ではない。もし、圧倒的なオーラに免疫のない方には絶対におすすめしない。
「あなた、私のものになりなさい。もちろん、夫という意味でよ♪」
おれは今美魔女風の女神に襲われかけていた。これが2人っきりならおれも大胆に行動していたかもしれない。
でも、よりによって例の休日のお出かけタイムのタイミングでだ。
「え、ええ・・・。」
「あら。これはサトゥーさんにも春が来ましたねえ。(ニヤニヤ)」
ちょっと、そこの2人!? 助けて頂けないでしょうか? おい、仲間だろ。そこ、わざと知らんぷり決め込んでいんじゃねえよ! 一人は何故かフリーズしてしまっているし(?)
「もちろん、私は夫に尽くすタイプの女だわ。でも、結婚後も自由恋愛は認めて欲しいの。何故って? 私は世界に愛されているのだから!」
「もちろん、私の中の一番はあなたよ! それじゃあ不満なのかしら?」
アパパパパ。なんてセクシーなんだ! おれの理性は崩壊寸前だった。
しかし、嫌なことが頭をよぎる。こんなにも美しい方。この方は只者ではないに違いない。
おれの神話の知識はかなりおそ松なものだが、ない頭を振り絞って考えてみる。絶世の美女の女神の代表格は・・・。
月の女神アルテミス。弓を使う狩人。ちょっと違う気がする。
美の女神アプロディテ。写真集の印象から、顔つきが違う。どっちの方が美女かって? おれが比べるなんておこがましすぎて無理です。はい。
肌の色はクリームチーズの様にしっとりとスッキリしたマシュマロ肌。恐らく西欧系の女神さまだろう。
最後に頭をよぎったのが、北欧神話の愛と美の女神だ。
「もしかして、あなたはフレイヤ様でしょうか。」
「そうよ~。私の事ご存知なんて、嬉しいじゃない。」
素敵なウインクをサービスしてくれた。
「せっかくの申し出、大変光栄に思いますが、実は今日いつもお世話になっている仲間たちとデートをしておりまして。突然のプロポーズはちょっと・・・。遠慮させていただきます。」
鋼の意思を振り絞って何とか言葉を絞り出す。
「あら。年上の女性は苦手かしら?」
「そ~いうわけではないです。むしろタイプです。」
「ただ・・・。」
「まって。ゆっくり話を聞きたいわ。そこの曲がり角のパブで一杯いかがかしら。」
飛ぶ鳥を落とすような絶世の美女の強引なお誘い・・・。これは全人類の紳士諸君が大歓喜のシチュエーションではなかろうか!
しかし、そんな仕方ないな~。そこまでおっしゃるのならのおいしい状況を台無しにしてくれるのが・・・。
「さあ。私たちは行きましょうか! 2人ともどうぞごゆっくり~!」
絶妙なタイミングの気づかいがエコーちゃんの闘志を燃え上がらせたのだった。
「サトゥーさん、いかないで?」
涙がこぼれ落ちていく瞳で見上げられるおれ。えっと。そんな可愛い顔で邪魔しないでも良いんじゃない? 反則なんだってば。
「サトゥーさん、いつも、私たちの、こと、大時にして、くれて、る。」
「私、もサトゥーさんの事、好きってなった。」
美少女からの思わぬ告白におれの思考は宇宙一周の旅へと出かけかけた。
い、いつから? 誰が好き? ああ。これは、その。ブラックホールのラーメンがハイスペックで?
まてまてまて。おちつけ! 今はお昼だ。瞑想するわけにはいかない!
「サトゥーさん、私に魅力感じてないの、知ってる。」
「でも、私はサトゥーさんの側に、ずっといる、よ?」
スッと息を整え愛はささやかれる・・・。
「寒い夜は、私が温め、る。」
「悲しい時は、背伸びしてでも、抱きしめて、側にいる。」
「サトゥーさんの笑顔のそばで、私も笑顔でいたい。」
「こんなにサトゥーさんの事大好きな美少女、他に、いない、よ!?」
「神々の生命は無限だって、聞いた。サトゥーさんと一緒なら、寂しくならない。これからも、一緒に一番近くで、生きたいって思った。」
「この手をとってくれるよ、ね?」
おずおずと差し出された手は、いかに彼女が勇気を振り絞って告白してくれたかを物語っていた。
「あらあ。お熱いわあ。私はお邪魔できそうにないわね。」
フレイヤ様が茶化してしくる。
人生に正解なんてないのだろう。おれは迷わず手をとった自分の大胆さに我ながら驚いたのだった。
読んでくれてありがとう♪ もともと文章書くのが好きで、投稿してましたが、なかなか上達せず、歯がゆい思いをするばかりです。いつか皆さんに本当に面白いと思って頂けるような作品を生み出せたらなあというのが目標なので、今後も頑張っていこうと思います!




