最高神の反省会
RBGの定番を疑う回。
おれ、分かっちゃったんだよね!?
例えばおれみたいな何の変哲もない一般人が異世界転移したとしよう。そんなやつが盗賊に襲われたらどうするだろうか?
もう一個の被検体の世界最強の格闘チャンピオンが盗賊に襲われた場合は? きっと難なく相手をボコるだろう。
しかしだ。おれみたいな一般人は何をするのか、どんな結果になるのかその先を容易に想像する事は出来ない。
というわけで、あの怪しい企画、”みんなおれの事どう思ってる?”をいっちょ極秘でやってみる事にしました♪
ただのかまってちゃんではないのだ。これはあれだ。おれ、ちゃんとやれているかチェックだ。
「・・・というわけで、今アンケートしてます。」
「分かりました。それで、もう聞きたいことはありませんか? サトゥーさん。」
「いえいえ。もう大丈夫です。ご協力ありがとうございます。」
「やはりあなたに最初に尋ねて正解でした。」
「・・・。はい。」
テミスさんの反応から察するにおれの評価はまずまずといったところだろうか。
性格悪くてごめんね。でも、おれ最近自分の死亡フラグの匂いが分かるようになって来たんだ。
歴代最高神たちの最後の映像を前後で見返したりしていてさ。王が、神がどのタイミングで殺されていったのかとかね。
あとは最高神の座を譲る際にはこの世を平和に統治できる大きな器をもった人物に譲らなけばならないという事の大時さに気づいたって感じかな。
そんな事を思いながら、おれは残りのメンバーからもアンケートをとった。最初と同じで別の事を聞いたりして、大事な質問を中に織り交ぜていくってスタイルは一貫していた。
これで最後になるな。
まあ。この子には駆け引き無しでも良いだろう。そんな鬼畜なことおれには出来ない。
「・・・というわけで、おれの事どう思っているのかな? エコーちゃ、じゃなくてエコーさん。」
「・・・。どうと、は?」
「ええとその。最高神としてどうなのかな~なんて。」
「答え、たら、いいものくれ、る?」
「あなた、は、ちゃんとやれていると、思う。」
「え、そうかな?(〃▽〃)ポッ」
「つぎ・・・。」
「次とは?」
「いいもの、欲し、い・・・。」
「おけ。お姫様。お望みのものをなんなりと♪」
「後ろ向いて、て。」
「あたた、かい・・・。」
背中に抱きついてきた。なるほどなぁ。もしかしたら寒いのかもしれない。おれの事お兄ちゃんみたいに思ってくれているのかも。
「良かったら、おれの上着貸してあげよう。」
「ありが、と。あたた、かい。フフフ。これが彼T。」
「え、ちょっと!? エコーちゃん? どこでそんなの覚えて来たんだよ?」
「秘密、なので、す♪」
何だとおおお! これが美少女の顔面の破壊力か・・・。これからはこのちびっ子ちゃんをからかうのは痛いしっぺ返しをプレゼントされてしまうな。
やはり安易に人を試すべきではない。その行為事態がどんなにコーミョーだろうと浅はかな行為なのだ。
天を仰ぎ、100光年先の銀河を見やりながら、おれは貴重な経験になったと思う事にした。




