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神々の大罪1

主人公の苦労回です。地獄タルタロスへ用があるそうです。

「あいつら、どアホ! マジでクソバッカ!」


本人がいない今素直な感想を言えるこのご時世。(噓です。マネしちゃダメだよ♪)おれは前任の最高神をディスリまくっていた。


世界の皆さんどうぞおれの悪業を許してくれ。なんかこんなおれが最高神でごめんね。


というのも、オリンポス神たちときたら、人間の事を完全に下に見て悪業の限りを尽くしていやがる。


おれは中でも特に酷い扱いを受けている、彼女たちを救済させて頂く事にした。


「おーい。テミス秘書! 彼女たちは今どこに!?」

「秘書呼びやめて下さい。普通にセクハラです。」


「え、ちょっと!? テミスさん、おれへの当たり強すぎない? うわあ。ちょっと引くんですけど!?」

「テミスでいいです。」


「さいですか。」


なんだ。疲れるなあ。この女神とはあまり関わりたくない。話かけないようにしよう。


でもおれ、地獄タルタロスへの行き方なんて知らない。つまり聞くしかないのだ。


「ついてきて下さい。こちらです。」

「・・・。(コクリ)」


存外、優秀であるらしい。まあ、仕事の関係ってやつだよね!? フフフ。借りは作りたくないものだ。出来る限り自分の力で頑張ろう!


ボタンを押し、下へ下へと動き出す空間。いやこれ世界観違うやつ。


「・・・。テミスさん。」

「はい。」


「これってエレベーターですよね!?」

「そうですね。」


「いや。何で天界と地獄がエレベーターで直行出来るわけ!?」

「神も地獄には良く用がありますので。これは忠告ですが。あまり内情を知らない方がいいですよ。辞める時に記憶を消されてしまうとお困りでしょうから。」


うんうん。もしかして彼女はめんどくさいけど根はいい奴なのかもしれない。


「(ゴクリ)そう言うものですか。」

「はい。」


この時おれは知るよしも無かった。さっそく死亡フラグが1本たっている事を。



*****


「いいですか? この鏡を持っていて下さい。絶対に見てはいけませんよ!?」

「分かりました!?」


独房の格子の前でおれは念を押されていた。


そうか。見ちゃいけないのか!? でも、普通の鏡に見えるんだが!? おれはこの時テミスさんの言葉の意味が理解できていなかったのだ。


*****


私は何千年も前からここの独房に閉じ込められている。この世を恨みつくし、神を憎みすぎた私の憎悪は今日も色あせることなく赤く黒く身を焦がし続けている。


だからこそ、目の前で繰り広げられる茶番が、腹がたってたまらない。


時は10分ほど前。2人組の神が珍しくやってきた。一人が新米らしく、鏡を覗き込んだまま、「鏡見ない。絶対見ない。よし。鏡見ない。」何やらブツブツ言っている。


しかし、何故か我慢出来なかったのか、鏡を見てしまい、ちょうど後ろの位置にいた、私の顔が写し出される。


「アパパパパパ・・・。」手から滑り落ちた鏡がパリンと子気味よく砕けちる。


なんだ情けない男だな。やはり新米の下級神か。隙を見て石にしてやろう。


*****


「蛇が頭にいっぱい。うじゃうじゃ。悪夢だ・・・。助けて下さい! テミスさん! 何でも、何でもしますから! おれをこの部屋からだして! たのむ!」


「わ。ちょっと。やめて!? 中のぞかないようにハンカチでせっかく抑えているのに! 何このねばねば!? 鼻水!? やだ汚い!」


「あなた女神ですよね! ここに救いを求めている善良の男がいます! 今まで犯罪なんか起こしたこともない! いや。これからあなただけを崇拝しますので、ダメなんです。おれ。蛇だけは! ほんと無理なんです!」


「洋服についちゃったでしょうが! 聖水我が身を清めたまえ(アクアベニディクタ) ふうきれいになった。」


振り払った手が見事におれの顎をヒット。壁に激突したおれは、九死に一生を得ていた。


打ちどころが致命傷でなかったのだ。良く生き残れた。ゴムまりみたいに飛んだのに。


「サトゥーさん。まあ大変。鼻血が出てます。あれ。鼻水かも。まいっか。」


いてええええ。このクソ女神め。自分でやっといて、その優しさは反則だろ!? 優しくハンカチで拭ってそして、ヒールをかけてくれている。すみません。取り乱してご迷惑をかけて申し訳ございません。



*****


こいつら、うるさすぎるし普通に迷惑なので、早く帰ってくれないかなと私は全力で願っている。


「はい。これから神々の呪いを解除します。りぴ0と・あふたーみー 呪い全解除ディスプレ・ソルヴレ さん・はい♪」


「へ、へっくしょい。えっとディスプレ・ソルヴレ?? あってます? そしておれは何をすればいいんだ?」


後ろの監獄の中がペカーと光り、元メデューサのこれまた物凄い美女が石畳に座っていた。


「こ、これはどういうつもりか、説明してもらおうか!」


良かった! 蛇はもう視界にはいってこない!


「私たちは、あなたを救うために、ここにやってきました。」


男の子なら一度言ってみたいセリフ。キリッとした瞳でちょっと言ってみた。


「こんな事がゼウス(元最高神)、アテナ(知恵の神)にばれたら何されるかわらないのだぞ!?」


「ご心配なく。私が現最高神のえっとそうだなあ。さとぅ・・・」

「ゴット・シュガーです!」


「なるほど。そう言う設定か。」


「ちょっと! 設定じゃないですから! ちゃんと本物みたいなもんですから!」

「フッ。これは失礼。ゴット・シュガー殿。」


「テミスさん!? あれはボツって言いましたよね!?」

「名前なんて、好きに呼んでも良いじゃないですか。」


「なんだ。自称最高神。従者にさえ敬まわれていないではないか。」

「テミスさん!?」

「サトゥーさんの事を悪く言うのはやめて下さい! 良く知らないくせに!」


「ほう。良く知っている貴様の感想は?」

「めっちゃ普通の人ですね。普通すぎるのが逆に凄い。」


テミスさん、それディスってますって。フォローになってない。グスン。おれもう最高神辞めたい。


ところで辞表ってどこに出せば良いのだろうか。


「まあ、貴様の事は知らん。それで私は今後何をされるのだ!?」


「あなたは釈放です。ほんと今までご迷惑をおかけしました。今日から自由の身です。」


「なるほど。」


「はい。私がこの場で言質をとる証人を努めさせていただきますね。責任重大です。(フンスッ)」


こいつらをぶち殺して私はこの世界を滅ぼしに行こうと思う。背後に邪悪な影が広がっていった。















今まで出てきた神紹介コーナー

・ゼウス(天空の神・元最高神)

・ポセイドン(海の神)

・タルタロス(深淵の神 この作品では地獄という設定)

・アテナ(知恵の神)

*テミス(正義の女神)

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