始発の時
日常回です。
おれことサトゥーは、新しい技を獲得した。なんと寝ながらお仕事が出来るようになったのだ。
おい? そんな目でおれを見るなあ! 歴代の最高神たちも使っていた必須スキルだぞ!?
おれは悪くない! いや。悪いな。まさかこんな大人になっていると過去のおれが知ったら幼少時からぐれていただろう。
まあ。そんなわけで、今日も最高神をしているのだが。
「サトゥーさん、起きて下さい!」
「はわわわ。なんてたわわな! 大胆ですやあ。ハッ! それで大丈夫ですとスキルが言っています!」
「スキルじゃなくて、サトゥーさんの意見を聞いているのです! 巨乳じゃなくて、悪かったですね!(激オコ)」
ほっぺたをおもいっきりつねってくる。
「いてててて! ごめん。ゆりゅしてくだしゃい! おきます。今! 起きた~!」
それはもう怖いディスリ女神のテミスさんにおしかりをうけてしまう。
「今回がスカウトした新たな神たちの初収集日です! 何いつもの通りしているんですか!?」
「そんな事を言われましても・・・。」
「とにかく今は、あなたが最高神なんです! せっかく次世代の神の育成まで視野に入れているので見直してたのに! 台無しですよ! 本当に!」
おや。美人な顔が台無しですぞ。テミスさんや。
実際に言うと殺されそうなので心の中で悪態をつく。鶏肉野郎ですみません。でも命は一つしかありませんので。
「ところで、今年の海温の上昇はこんな感じです。」
「ありがとうございます。トリトンさん。」
見れば水も滴るイケメンのトリトンさん。うん。これぞ美男美女のカップリングだよねー!
はわわわ。おれってばつい、いけない妄想をしてしまう。なんかすみませんっした!
結婚式にはおれも呼んでほしい。ブーケとか渡したいな♪ (迷案中)
新メンバーが参加したサトゥー陣営は限りなく上手く回っているようだ。
*****
おれがそんなアホみたいな事を考えている頃。事態はまたまた悪化していた。
地質調査と住民の信仰調査に赴いたメデューサさんとアラクネさん。
事件は5分前。予期せずにして起こった。
*****
「今日はどうも風が強いっすね。」
「そうだな。」
「うわあ。サンダルに葉っぱが入ってきたっす!」
「髪型が乱れるな。最悪だ。」
ただただしゃがんだ位置と髪型を整えた位置が悪かった。
通りかった農夫にジャガイモ泥棒と洋梨泥棒と間違われ、衛兵のお世話になってしまった。
「おい、お前ら、何しとる!」
「え、なんすか?」
「さあな?」
「衛兵さん、あいつらです!」
「ちょっとお前らこっちにこい!」
「ちょ、ほんと何なんすか?」
「おい。いい加減にしろ。衛兵呼ぶぞ!」
「いや。おれがこの村の衛兵だ。」
それから、地獄の尋問が始まった。
「おい。そろそろ罪を認めんか? 最近なあの辺で泥棒が増えているんだよ! お前らがやったのだろう?」
「いや。私は知らん。」
「だ~か~ら! あっしたちは人違いっていってるじゃないっすか!」
{サトゥーさん、助けて欲しいっす! じつはかくかくしかじか・・・。(念話)}
{了解! 今助けに行くから待ってろよ!}
「隊長! どうやらこの2人の身元保証人が来たようです。お通してもよろしいですか?」
「おう。こいつらじゃあ話にならないな。」
「何なんすか!」
「おい。せっかく来てくれたんだ。事を荒ただせるな。」
テミスさんの神殿の印を見せると、2人はすぐに開放された。
「ありがとう! あっしちょっとだけ、サトゥーさんの事見直したっす!」
「助かった。ありがとう。」
「気にしないで下さい。仲間を助けるのは当然ですから。」
「もしも、もしもだ。私たちに身代金が請求された場合でも、サトゥーさんは助けてくれたのか。」
「まあ、ためらいはしないですね。」
「高額でもっすか?」
「そうですねえ! まあ、夕飯がもやしとかになるかもですけど。」
「そうか。」
「そうなんすねえ。」
「お、おい。なんだよ?」
「いやあ。サトゥーさん私たちの事大好きだなって思っただけっす!」
「まあ。友人としてはな。」
「ふふふ。実は昨日高級ワインが手に入ったんだ。良かったら今夜2人で・・・。」
「抜け駆けはダメっすよ!? サトゥーさんが持ってくる手作りのおつまみは美味しいっすからね!」
「はいはい。おれで良ければお付き合いしますよ。」
夜空に見渡せるような大きな月明かりの下。3つのグラスの乾杯の音が響き渡った。
読んでくれてありがとう♪ 最近忙しくてなかなか書けてないです。涙




