表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/23

見えぬ危機

死亡フラグ回。

死亡フラグってなかなか立っているのが分からないらしい。


それは本人不在の時だって起こり得るのだから。本日も絶好調に死亡フラグはたっていた。


「おいおいおい。聞いてないっすよ? あっしも参加しなくちゃいけないんっすか?」

「任されたんだ。仕事はサッと終わらすぞ。」


「分かりやした。やりゃあ良いんすよね!? あっしは最高の芸術家。圧勝で勝って見せますよ!」

「いや。ゲスト出演なんだから、別に勝ってくれなくても良いぞ。」


「何なんすか!? 最初から負ける気持ちでいたら、勝てるもんも勝てないっす!」

「テミスさんの話し私と一緒に聞いていたよな・・・。」


はあ。思わずため息が漏れてしまう。テミスさん、一筋縄ではいかないですよ。やはり芸術家って話すの疲れるな。


選考時間が始まったので、阿修羅のような顔をしたアラクネを送り出す。


「え~。本日ご来館頂きました、来賓客のみな様方並びに・・・」


開会式のセレモニーと共に、オリンポス財団の芸術祭が開幕した。


今回の芸術祭では、なかなかの収入が見込める。世界各地から王やら大商人を招いているからな。


うん。芸術って良く分からんもんだな。


どれもみんな上手く見えるし、みんなにぞれぞれ興奮と、歓喜、悲哀などを会場の皆様へお届けしていた。絵とか、彫刻とか。


しかし、中でもひと際だった群衆の渦がある。


うむ。流石だな。誰もが認める美しい芸術作品をやつ、アラクネは生み出していたのだ。


「どうっすか? この溢れる芸術性は!」


そこには虹色に彩られた、サンゴ礁の群生と海底に差し込む光のカーテン、そして色とりどりの熱帯魚。


「コンセプトは花より団子向けの芸術っすね! これ飴細工なんで、食えるんす!」


「何て綺麗なんだ!」

「素晴らしいぞ! 私はこれまでこんな凄い芸術を見たことないんだ。凄すぎて、視界が・・・。ぅうう。」


「と、とても人間業でない。神の所業だ・・・。」


あ、なんかすみませんっした・・・。


人々から大絶賛を受け、堂々たる受賞を飾り、大いに芸術祭を盛り上げたのだが、大作を売ろうとはせずに、皆さんに試食してもらう流れとなった。


そして大赤字で迎えた閉会式。アラクネは最高にハッピーだった。


幕裏で事態のまずさにやっと気付いたメデューサさん。顔面蒼白でもはや万策尽き、天を仰いでいた。


「もう、全てが終わりましたよ。サトゥーさん。(涙)」

「あ、どーも。お疲れっす!」


「ああ。明日から冥界タルタロス生活か。」

「何でっすか? 人々みんな喜んでいて、大成功っすよね?」


「せめて、牢獄は一緒にしてもらえるよう頼もう。(全てを諦めた顔)」


「アラクネ。短い期間だが、世界は楽しかったなあ・・・。」

「そ、そんなあ。メデューサさん。そんなあ!」


「そんなの嫌っす~!!!(大泣き)」


「お邪魔してもいいかしら・・・。」


「ダメっす! 今お取込み中っす!」


「お、お前は。貴様よくも・・・。」


そこには因縁の相手、知将の女神アテナがいた。


「条件を飲むのなら、今回の件私から援助させて頂きます。」


「最高神に試練を設けたいの。協力してくれるかしら?」


「その話、詳しく聞こうか。」

「ダ、ダメっす! こいつは信用ならないっす!」


銀髪の釣り目の女神アテナの赤い目が妖しく輝いていた。












登場人物紹介♪

アラクネ(元凄腕の織職人):あっしが一人称。砕けた口調が素のよう。

メデューサ(元女王):姉御肌のクール美女。

エコー(元こだまニンフ):片言で喋る。癒し系美少女。

テミス(正義の女神):最近では頼もしいディスリ女神になっている


新キャラ♪

アテナ(智将の女神):アラクネを蜘蛛にした元凶。世界で一番信仰されている、美しい女神。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ