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海のイケメン、スラム街の野生児

前回の続きです。

さて、先ほど剣神クーフーリンをバカンスに送り出してから、おれは次の目的地へと向かう。


ほんのちょっと前まで、何か月も戦場にいたのだ。これからおれの仲間たちとの顔合わせの時に殺気でもだされていたら、エコーちゃんと平和の女神パークスさんあたりが怖がりそうだからなあ。


ゆっくりと羽を伸ばして来て欲しいなあ。


さて、次の目的地はみんな大好き(?)海です!


あああ。パークスさんの水着姿見たかったなあ。おれも男なので、ちょっと邪になるのも許して欲しい。


きっとすごーくプルンプルンなんだろう! 後で後ろ姿にでも手を合わせて許しを請う事にする。


おれ、男に生まれて良かったべ~って思っていた時・・・。


水面に立つ謎のイケメンに声をかけられた。


「サトゥー様でいらっしゃいますか? 私は前海神の息子、トリトンです。」


水も滴る良い男ってのはきっと彼のために用意されたのだろう。少し濡れた髪。話す時に時折見える八重歯は、純白の輝きを放っていた。


「お仕事お疲れ様です。今回はどうしてこちらへいらっしゃったのですか?」

「実はあなたを探していたのです。」


「私ですか?」

「海神の血族で最も穏やかなな性格という噂は事実のようですし・・・。あなたに次代の海神をお願いしたいのですが。」


「そ、そんな! 私でよろしいのでしょうか? 恐れ多いです。」

「もし荷が負担に感じてしまうのであれば、他の人にお任せするつもりです。」


おれが最高神を辞める時に、素晴らしい人材を揃えておけば、後任も楽できるであろう! いやそうであって欲しい。


「大変光栄であります。私喜んでお受け致します。」

「ありがとう。君になら安心して任せられます!」


その直後、水色の神々しいオーラがトリトンさんの身をまとい始め、魔力が底上げされていく。彼は新オリンポス12神の実質N0。2、海神トリトンへと昇格されたのであった。


彼と礼儀正しくお別れした後、おれは今後が凄く心配になってきた。


おれの仕事仲間・・・。女性陣にまともなの、テミスさんとメデューサさんだけなのではと。


ええい! 考えたら負けだ! おれは浮かんだ考えを振り払って、今回の遠征で最後のスカウト枠のスラム街へと向かっていた。



*****


こっから南半球へと神速で移動してっと。おや。あの黒い煙の柱がいくつも上がっている町かな?


お目当ての野生児を探す。


「お、お兄ちゃん! おれ頑張るよ!」

「偉いぞ、弟A!」

「みんながいれば、何にも怖くない!」

「その通りだ! 弟B!」


おいおいおい! 名前ひっでえなあ!? いや呼び方か?


「おーい。そこの仲良し兄弟たち。」


「うわ。怪しいおっさんだ!」


「失礼だなあ! 君の名前は?」


「オトーサンが昔、怪しい人には名前教えちゃダメって言ってだぞ! オトエと言います。」

「おい、言っちゃっているぞ!」

「は、しまった。ごめん! オトビ!」


「おいおい。バレてしまっているじゃねえか! 全くおれ、アニエの弟とは・・・。は、しまった!」


なるほど。把握。アニエ、オトエ、オトビね。


「ごめん兄ちゃん!」

「こちらこそごめん!」

「僕がしっかりしてないから! みんなごめん!」


こんな感じで、3人仲良く暮らしているのだ。こんな良い子たちを立派な神に育てられたら・・・。


「君たちの素直さにおれは感銘を受けました。」

「そのまっすぐな心を神々の世界で活かしてみませんか!」


「その、神様になったらお腹すかないの?」

「こいつらもみんな神にしてくれるなら。おれは別にいい。」

「おれも大丈夫です。おじちゃんの衣服上等ですし、結構いい暮らししてそうですね!」


「ほんじゃあ行こうか!」


天涯孤独な彼らは誰に挨拶する事もなく、夜の闇へと溶け込んだ。














主人公はフツメンのようです。(ディスリ女神談)

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