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第1話: 気がつくと、転生か!

猫です。大人になったら人間になると信じてましたが、やっぱり猫のままでした。


文章も会話も猫のままです。でも、自分の中に居るみんなを現実のどこかに残したいと思いました。

これはプロットでしかないと思われるでしょうが、猫にもできる範囲で物理科学の魔法世界を作りたかった。

猫に科学知識はありませんので、多めの漢字は全て雰囲気です。

SFっぽい空気感を味わいたいのです。

  ・

 幾度も目覚めそうになる。 そのたびに意識は、ちりじりに、消え去った…

  ・

  ・

 ☆☆☆ バシュ、ドガガガーッ、体がバラバラになるような衝撃!


  ・

  ・


 〝・・・寒い・・・〟 〝・・・寒い… ・・我慢できない程ではないが・・ 〟


 まず意識に浮かび上がったのは、猛烈な寒さ、まぶた越しに感じる、次第に強くなる明るさ・・・。


 何かゴツゴツしたところに、手足を丸めて、胎児のように目を閉じている自分がイメージされた。


 目が開かない・・・指先を感じようとすると、手足がモゾモゾとするの解った。


 しばらくして、何とか薄目を開けると、荒く編まれたシーツの中のような薄明るい空間に、小さな子供の手が見えた。高校卒業したての経験では自信がないが、小学生以下の子どもの手みたいだ。


 ちょって待て、・・・まだあわてる時間ではない・・・結構リアルな夢もあると聞く、たぶん。


 冷たい空気を大きく吸い込むと、息を吸い込むと…吸い込むとー、いつまでも吸い込めた!どうやら同時に口から吐き出せるみたいだ、これなら、息継ぎ無しに笛が吹けるね。・・・じゃないぞ!


 どれくらいこうしていたのか。しばらくして落ち着いてきたので、思いきって体を伸ばして起き上がる。


 薄い繭のようなものは、さらさらとほどけて、長い白髪のような糸にばらけて幼児の体からこぼれ落ちた。子どもの肌は想像以上に滑らかで糸は透明感のある白。朝日にきらめいて美しい。


 小さな手で集めて握り締めると、ギラギラと昇る朝日が照らす周囲を見渡した。険しい岩場と深くあざやかな蒼天だけが、広がっていた。…まるで、高山のような空気。勘弁してほしい、裸の幼児には場違いな光景だ。


 ・・・・・・


「最初からこれはむりだろーーーー!」


 転生か! 転生なのか…。

 女神様、〜爺神様でもいいけど、会ってないんですけど…、

 …、チート貰ってないんですけど。


 ○○○ ○○○ ○○○ ○○○


 たぶん自分は「梓 翔太(アズサショウタ)」もうすぐ19歳、地方都市の叔父の家から、そこそこの大学で一人暮しの夢を叶えるべく上京したばかりの健全な男子。


 残念なことに、両親は中学の時に交通事故で他界した。介護などの祖父母の生活の事情から、叔父の家で高校を卒業した。決して不自由な高校生活ではなかったが、やはり気は使う。


 両親のマンションは売り払った。残してくれたそこそこの貯金もあるので、叔父さんの援助を感謝して断り、周囲の勧めもあって進学した。


 都内のこぎれいなボロアパートに買いそろえた新生活セットを買い込んで、昨日一日がかりで住処を整えたばかりだ。遅めの朝をコンビニで取ると、以前から狙っていた秋葉原に初めて繰り出した。


 …たしかアノ時…、お上りさんよろしく辺りをキョロキョロしていて場違いな車が目に入った。えらく古い…逆にお洒落?な、軽トラだが、東京のこんな道路では初めて見た。奇妙にノロノロ運転のギョロ目男も気味が悪い。


 焦点の合わない目つき、憎むような表情でこちら…、後ろのどこかの少女グループを見つめて、いきなりハンドルを切ると歩道に突っ込んできやがった。


 エンジン音がうるさい…マニュアルブレーキの車!と頭のどこかで思いながら、両手が勝手に、近くのおじさんと外国人らしき女性を、進路の外にそっと押し退けた。


 今時、ガソリンエンジンかよ、骨董品じゃないか。禁止になってなかったっけ。


 引き延ばされた瞬間の中で、運転席の男を見据えて後ずさり、ぶつかった…たぶん背後の女の子、を肩で押しのけて横へ突き離すと、みんな騒ぎ出したようだ。誰かの甲高い悲鳴が聞こえる。フロントガラス越しに、男と目が合った。


 目を合わせたまま、男がハンドルを握りしめるのがわかった。もう直ぐそこだ。


 迫る軽トラの上へジャンプを試みるも姿勢が悪い、時間も力も全く足りない。衝撃が腰を貫き頭を激しくガラス面に叩き付けながら下半身が後ろの何かと挟まって湿った激痛が…。やめよう、ぞくぞくしてきた。


 *********


 数メートルハイハイしてから、立って歩いてみた。


 なんとかつかまり立ちできる、子供と言うよりは明らかに幼児の体。周囲はたぶん険しい高山の小さな平地、…こんな時でなければ感動したかもしれない岩山が、いくつもの指のように周りを取り囲んで、ひらけた反対側はどうやら断崖になっていそうだ。


 馴れない子どもの体では、百メートルよちよち歩くので精一杯だった。


 地面が近くて、足元の石ころさえすごく大きく感じる。

 身体が軽いせいか足はそんなに痛くない。


 風が吹き始めたので、岩の割れ目に座り込むと、かき集めて握る長い白髪のような束を見つめた。寒さが辛くなってきたのでマフラーのように首に掛けてみた。ゼリー状の固まりがチョーカーみたいに首を覆っているのに気づいた。胸に貼りついた白濁した固まりの中に角張った黒い水晶のような芯がある。


 山で遭難したときは・・むやみに移動しないほうが吉…と聞いたと思う。


 でも、ソレは裸の幼児にも当てはまるのか?

 そもそも、救助の当てがあるのか?


 それに、本当に転生してるなら…、…、それ以外にあり得るのか?

 軽トラだとコレナノカ? !¥@#!、トラックでないと転生こうなるのか…。


 落ち着け、自分。

 …常識的(?)に、まず確認することは・・・


「ステタス、オプン」小さな子どもの声が聞こえた・・・何も起こらない。見渡しても変化無し。


「ステタス、オプン」「オプン、ステタス」「スーテタス、オプン」「オープン、スーテタス」・・繰り返すうちにだんだん声がで始めた。強くなる日差しを避けて崖から反対に結構な距離を進み、崩れた岩陰の亀裂に小さな体を押し込めて集中して唱えてみた。


「オープン、ステイタス」「ステイタス、オープン」「オープン、スティタス」「オープン、ステーィタス」「スティタス!!」他に思いつく事がないので、真剣だ。何事も努力は裏切らない、と信じたい。


 辺りが明るくなるまで10分くらい頑張ってみた、「オープンステータス」…。

他に思い付かないんだからしょうがない。でも、幼児の体力はすぐ尽きた。クラクラする頭で空気を吸おうと頭を上げ、岩陰から這い出る。


 空の向こうに鈍く光るものがある。目を凝らすと、みるみる大きくなるそれが山肌をかすめ、元いた向こうの崖上でホバリングしている。竜というか、金属光沢の直線的な輪郭を持ってはいるが、形は明らかに西洋のドラゴンに見える。何かを探しているみたいだ。


 そっと頭を引っ込め、息を潜めてじっとしていると、やがて山頂の方へゆっくり消えていった。


 ともかくヤバそうだ。


 最初の出会いは村人だろ!なんて一人ツッコミしながら、見つからないように、そっと急いで反対側の崖の亀裂を谷へ降る。ひたすら急斜面を下ると時間感覚がなくなり1〜2時間くらいか、限界だ。

裸の幼児には余力がない。


 ・・・我ながら、頑張ったと思う・・・、でも、瞼が重く頭が座らない。

洞窟っぽい岩の裂け目になんとか潜り込むと、おネムの引力に抗えずに、ストンと意識を失った。


 *********


 次に気がつくと、太陽は半ばまで上がり日が差し込んでいた。


「はあ」…、ぼーっとして、… ただ「オープン ステータス」とつぶやく…と、意識の奥にスクリーンのようなものが展開した。まるで頭の中にもう1人の自分が居て画面を眺めているみたいだ。


 でも、あんまりびっくりはしなかった。

その瞬間、なんとなくわかったのだ。意識の中のスクリーンにログが表示され、読むまでもなく知っていた。


「最適化」が終了しました。


 眠っている間に、体内のナノマシン・インターフェースが、望む形で再構築されたようだ。多くのバイタルパラメータも表示されているが、考えていたようなステータス表示ではない。単純な数値にはまとめられなかったようだ。そもそも生体ナノマシンのバイオセル器官は、完成された技術で魔法ではない。


 状況はまだ再構築中。障害により分裂したOSの自分がタスク演算結果を渡してくれているらしい、ただし、この身体の本来の記憶が見つからない。生体脳なのだから分子記憶がないなど、そんな筈はないが、自分の名前も、ここの場所もわからなかった。


 ナノマシンのバックアップは、それ自体のOSを維持しているが、身体記憶を保存しているわけでは無いらしい。この誰なのかわからない幼児を、もし、自分の人格が上書きしてしまったならまずいかもしれない。…とりあえず、どうしようもないけれども。


 まずは目先の問題を解決しよう。生き延びること!…あれこれ悩むのは頭の中の自分に任せて、周囲をもう一度見わたした。



 ********


(補足)

 トーラス宇宙気流、探査船本部基地:皇宮ステラパレス

『船長たちの広間』 にて、肖像画に描かれた背景碑文を読み解く。


 ラーマー船団:ラーマ:ラーマ船長、ラクシュマナ:シーター船長

「azs記憶は新コロニー公団の汎AI基幹人格に含まれる。伝統的設計といえる」


 福音都市:ホーム1:航行機関代表人格・メイフラワー

「全てのマスターキーが共通に持つゆえに、情報連結の認証IDに使われてきた」


 アトランティス船団:ポセイドン:機関人格・ネスト、ネモ船長

「伝統はエイリアスにも引継がれ、別人格の相似連結という矛盾を可能にした」


 アマゾン船団:アルカディア:航行コア・パストラル、総轄・パーン

「azs記憶はデルタ相位のホロ情報で、複製できるが投影人格に意識再生はない」


 バビロン(ブルーエスト船団):デルフィコア・ミューゼス、総轄・イシュタル

「従って汎AIは記憶の内容を知らない。しかしAIの汎用化にazsは不可欠だった」


 エッダ船団・大樹(ユグドラシル)+ニューヨーク:オベロン船長・シティブレイン

「高度に個性化したAIはazsの夢を見ると言うが、記憶の由来と共に不明である」


 エッダ船団・トーラス星団 踏破探検隊:神槍(グングニル):フレイア船長

「azs記憶は地球の相位に連結する。其は<失われた地球航路>を開く鍵である」

初めての投稿です。ちゃんと、できたでしょうか。

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