《2》
よしよしよし!
これでバカ王子から解放されるはずです!
鞄を取るために自室だった場所へ行くとエルナさんがの姿が!鞄持って行けなくなる!?
「先程のはなんですか!アーシェ様!なぜもっと反論しないんですか!あんな事あなたがする訳ないじゃないですか!」
まさかの援護!!
エルナさん良い人すぎます!
「証拠写真を撮られていたようなので、信じてもらえなければ無理な話です。孤児院育ちの私には夢を見すぎました。町で静かに暮らします。大丈夫ですよ。心配いりませんわ」
「アーシェ様…。私は信じます。アーシェ様を。アーシェ様これを持って行って下さい。祖母から代々継がれる髪飾りです。少し宝石が付いていますので、売れば少しお金になるでしょう」
「そんな大事なもの頂けません!このイヤリングなどを売るので大丈夫ですよ!あっ、この事は是非内密に」
「アーシェ様ったら!お強いのですね。ですが是非お持ち下さい。そのイヤリングの宝石にこの髪飾りは敵いませんがお守りとしてでいいので。私はお祈りします。アーシェ様がお幸せになることを」
「エルナさん。きっと最強のお守りですね。ありがとうございます。そろそろ行かないとまためんどくさい事になりそうなので。本当にありがとうございました!エルナさん!」
「どうかお身体には気をつけて下さい」
まさかのエルナさんの援護で少し泣きそうになってしまったわ!さて私は今から隣町までとりあえず行かないと!
その前に!
髪が長ければ長いほど綺麗で美しいとされてるこの国。王子の隣に立つ者として切る事が許されてなかったけど…
「さらば、私の髪の毛!そしてお城生活!そしてこんにちは!新生活!町娘ライフ!」
私がこの計画を立てたのは、前世の記憶が数年前に戻ったからだ。前世でも転生系の漫画や小説を読んでいたから記憶が戻った時は驚いたけど、すぐに受け入れる事ができた。幸い、私のした事のある乙女ゲームだから、どんなエンディングが待っているかは分かっていた。本当は王子様妃の生活に憧れていたけど、前世が日本人で地味な私には白魔法使いとして招かれたお城生活でさえ苦痛でしかなかった。それならいっそバットエンドにして町娘生活をエンジョイしようという考えになったのだ。
ふふふ。計画通りにあのバカ王子が令嬢を信じてくれたおかげで私は解放です!
ありがとう俺様単純バカ王子!
若かったあの頃は俺様カッコイイなんて思ってたけど、やっぱりパートナーになるなら思いやりが大事です。あと好みが同じとかも大事。
さて、こっそり仕入れていた町娘の子達が良く着るワンピースに着替えて新しい人生をスタートさせましょうか!