《1》
明日はすごく大きなイベント
披露宴パーティの日
私、アーシェ・イリナは一応明日のパーティの主役で王子の妃になる予定
だが明日は私にとって人生を左右する出来事が起きるのだ。その為、私は夜な夜なこっそり準備をしている。
「うーん。これぐらいでいいかしら。小さめの鞄なら怪しまれないでしょう」
ふふふ。明日が楽しみだわ!
待ってて私の楽しい人生!!
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「アーシェ様とてもお綺麗です」
「ありがとうございます。こんな豪華なドレスに宝石私にはもったいないわ。エルナさんもう少し減らしませんか?」
「キリア王子の隣を歩くのです!これぐらいでは足りないくらいです!とてもお似合いです。さてそろそろ会場へ行きましょうか。王子が待っていますよ」
「はい。皆様、孤児院育ちの私に親切にして頂き本当にありがとうございます」
「とんでもございません!これからも沢山お世話させて下さいね!」
ここにいるメイドさん達は本当に良い人で特に私の付き人になったエルナさんは私を本当に良くしてくれて、大好きな人達。
嫌いなのはあのバカ王子だけ。
ふふふ。きっと計画はうまくいくはずです。
会場へ入るとみんなきらびやかで、どの方も眩しい。私はバカ王子、いやキリア王子を探した。どこだどこだ。王子様は!
「アーシェ・イリナ!」
きたーー!探してたよ!王子様!
王子の声が響きわたり、まわりの方々が私達を注目している。
「キリア王子、ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
冷静に。おしとやかに。
「そんな事はどうでもいい。今この令嬢から聞いたんだが…。いろんな令嬢への嫌がらせをしているらしいな?しかも俺の為にやっている事だと言い回ってるとまで聞いたが」
はいはい。そうです。今私はしてもない事をでっちあげられてるんです。その王子の後ろに隠れているミリハ・シュイーナ令嬢とそのとりまき達に。変身魔法が得意なとりまきが私の姿に変わって嫌がらせをし、その証拠写真を王子へ見せる。王子にアタックしまくっている令嬢が好感度底辺の私から嫌がらせを受けてるなんて聞けばイライラするのだろう。
でもこんな会場で発言する前に普通は私に聞きますよね?まぁいいですけど。
「言い返す言葉もないのか。俺はお前を信じていたのに。まぁ証拠まで撮られてたら仕方ないよな。バカな奴め。俺への侮辱、裏切り行為でお前を追放する。城から今すぐ出ていけ」
さて、私はここからどうするかというと…
「申し訳ありません。孤児院育ちの私に、ここまでして頂きありがとうございました。私は嫌がらせなんてしていません。ですが、信用できないというならば仕方ありません。何も言えません。今まで本当にありがとうございました」
私は頭を下げながら言い、最後はニコリと笑って会場を去った。