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元軍人と新米兵士 通し版

作者: HAL姉

声劇台本(2:0)

男性2人向け声劇台本です。

ルーキー役のみ、一人称、語尾改変等で女性でも使用可能となっております。

利用規約等は設けておりませんので、ご自由にお使い下さいませ。

なお、録画を残せる媒体でのご使用の際は是非ともお願いします。

喜んで聞きに参ります!


所要時間50分前後

キャスト

マスター・軍人A(数年前退役した元軍人):

ルーキー・軍人B(入隊したばかりの新人兵士):



レトロな雰囲気のバー



ルーキー

「ここか…先輩が言っていたバーって…

マスターに会えば分かるって言ってたけど…

どういう意味なんだろうか」


マスター

「……いらっしゃい」


ルーキー

「…(数年前に退役(たいえき)した、叩き上げから少尉(しょうい)にまで(のぼ)りつめた人…この人が…?)」


マスター

「そこで立ち止まると他の客が来たら迷惑だ。

座りな、ボウズ」


ルーキー

「はっ、あ…すみません!」


マスター

「ふうん……お前さん、ルーキーか」


ルーキー

「えっ…何故…」


マスター

「顔を見れば分かる。

ここにはお前さんみたいなガキんちょがよく来るんでな」


ルーキー

「…それって、やっぱりーー…」


マスター

「俺は退役(たいえき)した身だ、今は何の関係も無い」


ルーキー

「…そう、聞いています。行けば分かると…」


マスター

「ここは保育園でも、相談所でも無いんだがな…」


ルーキー

「俺はーー…あ、いえ、私は別に、そういうつもりでは…」


マスター

「ここに来たって事は、そういう事だ。

自覚のある奴は元々寄越(よこ)されないな」


ルーキー

「……何の、自覚ですか…?」


マスター

「まぁそう()くな。

何か作ってやろう…話はそれからだ」


ルーキー

「いえ、酒は…」


マスター

「未成年か?」


ルーキー

「そういう訳では、ないんですけど…」


マスター

「なら少し位構わないだろう。

これも(たしな)みの1つだ、覚えておけ。

あぁ、詳しくは無さそうだな…任せて貰っていいか?」


ルーキー

「え、えぇ、勿論(もちろん)……では、お任せします」


マスター

「……口に合えばいいがな」


ルーキー

「…頂きます」


マスター

「お前さん、まだ体も出来ていない様だが…配属は?」


ルーキー

「空軍第3部隊です」


マスター

「ほぉ…戦闘機乗りか。なかなかのエリートだ」


ルーキー

「やめて下さい。私はーー……軍人失格なんです」


マスター

「詳しく話してみな」


ルーキー

「…………撃てないんです」


マスター

「…そりゃあ確かに軍人失格だ。

戦闘機乗りなんて辞めて旅客機(りょかくき)のハンドルを握っておいた方がいい」


ルーキー

「そんな事は分かっています!

関わる人全てに言われました、お前に戦闘機乗りなど向いていないと」


マスター

「分かっていて(なお)、こだわる理由があるのか」


ルーキー

「…私は幼少の頃、1人の軍人に命を救われました。

突然の戦火のさなか、逃げ遅れた一般市民は何の罪も無く、ただ蹂躙(じゅうりん)され、ばらまかれた散弾に倒れていきました」


マスター

「お前さん、もしかして15年前の戦役(せんえき)の生き残りか?」


ルーキー

「っ!……そうです。

目の前で両親も、まだ足元もおぼつかない妹も…無残な姿で、動かなくなりました…」


マスター

「…あれは、ただの殺戮(さつりく)だった。

敵国の兵士が独断で動いたせいで、膠着(こうちゃく)状態に動きが出て終戦した、と言えば聞こえはいいが…

犠牲になった一般市民の声は黙殺(もくさつ)された」


ルーキー

「生き残った私は、全てを失いました」


マスター

「……そうか」


ルーキー

「命があるだけいいじゃないか、と、貴方は言わないんですね…」


マスター

「…人間、1人では生きていけないさ。

お前さんが全てを失った、と言うのなら…そうなんだろう」


ルーキー

「有難う、ございます…」


マスター

「礼を言われる事じゃあないな」


ルーキー

「…厳戒態勢(げんかいたいせい)を敷いていた現地の軍隊の1人が…傷だらけで、呆然(ぼうぜん)として今にも銃撃の猛火(もうか)に襲われそうになっていた私を抱いて、塹壕(ざんごう)(かくま)ってくれたんです。

彼は、1人でも多くの市民を助けたい、と呟きながら、私に(おお)い被さって盾になってくれました…」


マスター

「……続けな」


ルーキー

「空からの爆撃、平地からの銃撃…(えぐ)られ、飛び散る乾いた土に埋もれながら、私は彼に抱かれて意識を失いました。

目が覚めた時には、簡易の救護テントの中に押し込まれていて…救ってくれた兵士とは、それっきりです」


マスター

「…それで、自分もそんな兵士になりたい、と?」


ルーキー

「志望が浅い、ですか…?」


マスター

「そんな事は無いさ。

だが、軍属に身を置く事が恩を返す、とはならないだろうな」


ルーキー

「恩を返したいとか、そういう事では無いんです…

あれから15年…何度も、何度も夢に見ました。

鳴り響くサイレン、鼓膜(こまく)容赦(ようしゃ)なく叩く爆音、飛び交う怒号(どごう)

目が覚める度に、体は震え、涙が溢れて止まらないんです」


マスター

「……そうか」


ルーキー

「その度に…意思を…継ぎたいと、思ったんです」


マスター

「ほう?」


ルーキー

「彼がその後、どうなったのかは分かりません。

あの戦役(せんえき)で命を落としたかもしれないし、生き残っていて、今も尚、軍属に身を置いているかもしれない。

退(しりぞ)いて、平穏な日々を送っているかも…

ただ…」


マスター

「うん?」


ルーキー

「1人でも多くの市民を助けたい…その声を、私は生涯(しょうがい)忘れる事は出来ないでしょう」


マスター

「いち軍人としては、ありきたりな言葉だ。

特別でも何でもない」


ルーキー

「分かっています!

でも、だからこそ…私の脳裏に、強く残ったんです。

同じ道を(こころざ)したいと思う事は…浅はか、ですか」


マスター

「さぁて、どうかな…

志望動機なんて人それぞれだ。

口を挟む道理なんて無いさ」


ルーキー

「…適性が認められたとの事で空属になりましたが…どうしても、フラッシュバックするんです」


マスター

「そうだろうな。

幼少期の記憶ほど、こびり付いて消す事が出来ないトラウマになる」


ルーキー

「分かっています…結局は、綺麗事を並べているだけだと。

彼の意思を受け継ぐ、なんて…(てい)のいい名目だって言われても仕方ないんです…」


マスター

「上官に言われたのか?」


ルーキー

「えぇ、そうです…

返す言葉もありませんでした…」


マスター

「…お前さんが望む、軍人とは何だ?」


ルーキー

「えっ…?」


マスター

各々(おのおの)、軍人としての望む理想像や、姿勢は様々だろう。

国の為に尽くしたい、国民を守りたい…単純に戦いに身を投じたいだけの者もいる」


ルーキー

「私はっ!」


マスター

「意思を継ぐ、その気持ちに偽りは無いだろうさ。

だが、そこに果たして自分はあるのか?」


ルーキー

「っ!」


マスター

「なかなか得難(えがた)いものだ、他人の為に死力を尽くしたいという思いは、な。

理想像とするのも良し。

だが、詭弁(きべん)だけで物事はそう容易(たやす)くは進まないのも分かっているだろう」


ルーキー

「…分かって、いるつもりです…」


マスター

()くな、お前さんはまだ若い」


ルーキー

「…まだ早い、と…?」


マスター

「理想を追うのは構わない、が、口に出すのは己の力量が(ともな)わなければならない。

綺麗事と言われる所以(ゆえん)だ」


ルーキー

「…未熟です、私は」


マスター

「そうだ。

初対面の俺がルーキーだとすぐに分かる位にな」


ルーキー

「……私は…どうしたら…」


マスター

「それを他人に示されたら、お前さんはそれに従うのか?」


ルーキー

「……いえ…!」


マスター

「…いい目をするじゃないか。

こういうモンはな、自己解決するしかないんだ。

手助けはしてやれるが、最終的に答えを出すのは自分なんだからな」


ルーキー

「少し…分かった気がします」


マスター

「ん?」


ルーキー

「ここに行けと言われた意味が。

有難うございました!

あの、お代は…」


マスター

「それならお前さんの上官から受け取り済みだ」


ルーキー

「それって…」


マスター

「分かったか。お前さんはそれだけ、ヒヨッコって事だ」


ルーキー

「…そういう、事なんですね…」


マスター

「自分の現状を把握し、認める所から先に進めるってもんだ。

これから先、意にそぐわない時も、理不尽(りふじん)(めい)に従わなきゃいけない時にも()うだろう」


ルーキー

「…分かっています」


マスター

声高(こわだか)に自分の主張を通せる世の中じゃないからな。

だが…」


ルーキー

「…?」


マスター

「お前さんの様に、青臭い主張が通る世の中になればいいと、俺も思っているよ」


ルーキー

「…青臭い…ですよね…」


マスター

「俺位の年になるとな、諦めちまうんだ」


ルーキー

「諦める…?」


マスター

「俺にもな、お前さんの様に血気(けっき)盛んで上官に噛み付いていた時代があったって事さ。

敵地へ送り込まれても、自国を防衛する時も…(かか)げる旗は確かにあったんだ」


ルーキー

「…旗……」


マスター

「きっかけは何でもいい。

だが、自ら選択した道は、迷わず進むしかないんだ。

罵倒(ばとう)されようが、(さげす)まれようが…(ほこ)りだけは失ってはならん。

…おっと、時間だな」


ルーキー

「えっ?」


マスター

「点呼の時間までには帰せと言われている」


ルーキー

「あぁ…もう、そんな時間なんですね…」


マスター

「規則を守るのも大事な事だ。

お前さんの先があるなら、な」


ルーキー

「…あの、また…来てもいいですか?」


マスター

「必要があれば、好きにしたらいいさ」


ルーキー

「有難うございます!」


マスター

「上官には俺からも伝えておいてやるよ。

今度は気晴らしに与太話(よたばなし)でもしにきな、ボウズ」


ルーキー

「…次に来る時には、ボウズと呼ばれない様にします」


マスター

()きのいいこった」


ルーキー

「では、失礼致します!」


マスター

「おいおい、敬礼なんてやめてくれ。

今は他に客がいないとはいえ、ここは開かれたバーで、俺ももう引退した身だ」


ルーキー

「あっ、すみません…では、また…

次は客として来させて頂きます」


マスター

「あぁ、またな」





マスター

「…まさか、あの時のボウズだったとはな……これも運命の、巡り合わせ、か…

あれから15年…お前が命懸けで救った命は、お前の信念を指針にしちまったみたいだぜ…

意思は否応(いやおう)なく、受け継がれていくのか…今までも、これからも…

だが、俺は…俺が望んでいるのは…その救われた命が、(へだ)たりも無く平穏に暮らせる世の中なんだがな……

人間は(みにく)い。

欲望は果てしなく、その為に他人を蹴落(けお)とす事に躊躇(ためら)わない。

どこまでもループするくだらない争いに、終止符(しゅうしふ)を打つ未来はあるのか…?

…ははっ、どうせ高みから、笑っていやがるんだろうなぁ。

残りの人生、賭けてみるのも…いいだろう…?」




間(10秒程度)




マスター

「ん、客……?

まだ開店前なんだが……あぁ、ボウズか」


ルーキー

「……こんばんは」


マスター

「何だ、不景気な顔してるな」


ルーキー

「…えぇ、まあ……」


マスター

「ボウズ、今度は与太話(よたばなし)でもしに来なと言っただろう。

また何か抱え込んでんのか」


ルーキー

「…いえ、そうではないんですけど…」


マスター

「とにかく座んな。

この時間に来たって事は、他に客がいない頃合いを見計(みはか)らったんだろう?」


ルーキー

「すみません…」


マスター

「この(あと)の予定は?」


ルーキー

「……帰らされましたんで、もう、何も予定は無い…です…」


マスター

「あぁ、そういう事か。

なら酒を出しても構わないな」


ルーキー

「……少し…強いのを頂けますか」


マスター

「そうだな……ボウズにはまだ早いかもしれんが、いいのがある」


ルーキー

「……(溜め息)」


マスター

「ヤケ酒は勧めないが……これならお前さんには似合いだろう。

飲んでみろ」


ルーキー

「…頂きます………甘い…」


マスター

「……初めてここに来てから、ひと月か」


ルーキー

「えぇ、そうですね…」


マスター

「そう辛気臭い顔をするな、折角(せっかく)のいい酒が不味(まず)くなるぞ」


ルーキー

「…すみません」


マスター

「ふむ………そうさな、今日は俺が話してやろう」


ルーキー

「えっ…?」


マスター

「与太話って奴だ。

あれは、俺がまだお前の年の頃ーー…」





軍人A

「くっそ……ちったぁ手加減しやがれってんだ!」


軍人B

「いい見世物(みせもの)だったぞ。

自業自得(じごうじとく)だな」


軍人A

「あん?

他人事(ひとごと)だと思ったらお前も痛い目に()うぞ!」


軍人B

「俺はお前みたいなヘマしないよ。

ゲンコツ一発で済んだだけでも良しとしたもんだろう。

演習で良かったな」


軍人A

「ぐっ…」


軍人B

「戦場では、どんな言い訳も通じない。

全てにおいて生死に関わってくるんだ」


軍人A

「お前にまで説教されたかねぇんだよ!

階級は一緒だろうが!」


軍人B

「あぁ、今はそうだが、すぐに置いていくさ」


軍人A

「何言ってんだ、お前」


軍人B

「そのままの意味だよ。

俺は一等兵で終わるつもりは毛頭(もうとう)無い。

まだまだ足りないんだ、何もかも」


軍人A

「はん、またアレを言うつもりか。

耳にタコだ」


軍人B

「ははっ」


軍人A

「何笑ってやがる」


軍人B

「理想論だろうが、綺麗事と(ののし)られようが、俺の信念は変わらない。

笑われる前に笑ってやるさ」


軍人A

「…俺には分からん」


軍人B

「理解しろとも、共感しろとも言わない。

目指す指針は、人それぞれでいい」


軍人A

「………なあ、お前、出身はどこだ?」


軍人B

「何だ、急に」


軍人A

「いいから、教えろよ」


軍人B

「名前も知られてない、辺境区(へんきょうく)だよ」


軍人A

「名前も…?

そんな所がこの時代にあんのか」


軍人B

「さぁてね。

確認した訳じゃないが、もう地図からも抹消(まっしょう)されちまっただろう」


軍人A

「な……まさか」


軍人B

(さき)大戦(たいせん)で飛び火()らったんだよ。

あんな片田舎(かたいなか)、放っておいたって何の影響も無かった(はず)なのにな」


軍人A

「……見せつけか」


軍人B

「さあな……今となっては分かりようもない。

狩る者の意向なんて、知りたくないよ」


軍人A

「……すまなかった」


軍人B

「うん?

何故お前が謝るんだ」


軍人A

「いや……」


軍人B

「…話したくなかったら話さないさ。

俺は、ただひたすらに進み続けるだけだ」


軍人A

「…そうか」


軍人B

「そういや、お前はこの州の生まれらしいな」


軍人A

「そうだが…何で知ってるんだ?」


軍人B

「俺は地獄耳なのさ。

情報収集も身を助けるからな」


軍人A

「その内千里眼も使えるとか言い出しそうだ」


軍人B

「いいねぇ、使えたら戦場での指揮が格段に向上するだろう」


軍人A

「冗談をまともに(とら)えるな、馬鹿馬鹿しい」


軍人B

()いつくばってでも、(すが)りついてでも…かけがえのないモノがあるって事だよ。

なあ、お前の家族は息災(そくさい)か?」


軍人A

「ん、あぁ、片親(かたおや)だがな。

親父は俺が幼い頃に病死して、母さんは軍病院で働いている」


軍人B

「ほう……医師か」


軍人A

「そんな所だ」


軍人B

「何故お前は、医師にならなかったんだ?」


軍人A

「とぼけた事を言うな。

俺にそんな頭があると思うか?」


軍人B

「必要なのは頭の出来じゃない、魂さ」


軍人A

「俺は、机に(かじ)りつく位なら走っていてぇんだよ」


軍人B

「脳まで筋肉になってそうだな。

継ぐ事は考えなかったのか?」


軍人A

「さて……考えた事も無かったよ。

もっとも、軍に籍を置く事になるとも思ってはいなかったがな」


軍人B

「そうなのか?

明日からはゆっくり話す時間も持てないだろうし、幼少期の夢でも語ってくれよ」


軍人A

「何の為に?」


軍人B

「与太話さ」


軍人A

「有益な時間とは思えねぇが」


軍人B

「消灯にはまだ早いだろう?

有益か無益かは、俺が決める」


軍人A

「とてもシラフで話せる内容じゃねぇな。

明日は朝イチで最終ブリーフィングだろう、とっとと寝ろ」


軍人B

「初の実戦だ、気になる事があったら集中出来ないじゃないか」


軍人A

「そこまでの話じゃねぇだろ」


軍人B

「おいおい、勿体ぶるとハードル上がるぞ?

いいじゃないか、同期のよしみだ」


軍人A

「…ちっ、しつこい奴だ。

笑うんじゃねぇぞ」


軍人B

「笑わないよ」


軍人A

「…………空を、飛びたかった」


軍人B

「空?」


軍人A

「あぁ。

()り来たりな話さ、親父がパイロットだったんだ」


軍人B

「軍用か?」


軍人A

「いや……虫も殺せない様な人だった、らしい」


軍人B

「へぇ…じゃあ旅客機(りょかくき)か。

らしいってのは何だ?」


軍人A

「人柄について(ほとん)ど記憶が無ぇんだ。

やっと民間機が定着し始めた時代だったからな、親父はろくな休みも無く飛び回っていた」


軍人B

(ふる)い軍用機の果てか」


軍人A

「そうだ。

旅客機とは名ばかりで、避難民の搬送(はんそう)(おも)だったらしい」


軍人B

「先の大戦では、大規模な勧告が出たからな。

俺が生まれ育った片田舎の犠牲の上らしいが…」


軍人A

「安全な地など、どこにも無かった頃だ。

不可侵領域(ふかしんりょういき)後手(ごて)に回った。

政府を…恨んでいるか?」


軍人B

「何を馬鹿な事。

野暮(やぼ)な質問だ」


軍人A

「そうだな、馬鹿な事を聞いた」


軍人B

「俺がここにいる事がその答えだろう。

なぁ、お前は何故パイロットにもならなかったんだ?」


軍人A

「ならなかったんじゃない、なれなかったんだ。

言っただろう?

頭の出来が悪かったんだよ。

頼みの(つな)も切れちまった」


軍人B

「…そうか、それでここに」


軍人A

「もう一度…観たかった。

一度だけ親父の操縦する機に乗せて貰った時の、突き抜ける青を、視界の(はし)に去っていく白を、遥かな地平線を…」


軍人B

「ははっ」


軍人A

「……もうこの話は終わりだ」


軍人B

「すまない、笑わないと約束したんだったな」


軍人A

「くそっ、だから言いたくなかったんだ」


軍人B

「悪かったよ、あまりにも詩的な表現だったから、ついな」


軍人A

「キャラじゃないと言いてぇんだろう」


軍人B

「あぁ、その通りだ。

お詫びに俺の話を聞かせてやるよ」


軍人A

「散々聞いた」


軍人B

「そう言うなよ。

継いだ話はしていないだろう?」


軍人A

「継いだ?」


軍人B

「先の大戦での事さ。

俺は、生かされたんだ」


軍人A

「何の事だ」


軍人B

「あの日は晴天だった。

俺は、家族分の洗濯物を干す母親の足元で見つけた(あり)の行列に夢中になっていた」


軍人A

「大戦中とは思えない光景だな」


軍人B

「あぁ、平和だったんだ。

自国が他国と争ってるなんて、これっぽっちも思っちゃいなかったさ。

どこか遠い、知らない国同士の争いだとね。

まだ片手の年だった俺には、報道を理解する知も無かった」


軍人A

「無理も無い…」


軍人B

「蟻の行列がどこから始まって、どこへ向かっているのか…

それを突き止めようと、しゃがみ込んで追い掛けていた。

BGMは母親の軽快なハミングだ。

ふと、そこに影が差した。

突然耳鳴りがして、暗くなった事に不審がった俺は顔を上げた。

そこには、同じ様に空を見上げて固まった母親の顔と、青空一面を(おお)い尽くす戦闘機の群れが映っていた。

母親は、手にしていた洗濯(かご)を放り出して、代わりに俺を抱えて走り出した。

俺は、何が起きているのか分からなかったが、ただならぬ気配にその腕にしがみつく事しか出来なかった。

遠くからヒュルヒュルと音を立てて何かが落ちてくるのが、母親の背中越しに見えた。

そこで、一度意識が途切れた」


軍人A

「途切れた?」


軍人B

「あぁ、気付いたらどこか、建物の中で寝かされていた。

今思うと多分あれはシェルター内だったんだろうな。

心配そうに俺の顔を覗き込んでいたのは、母親ではなかった」


軍人A

「まさか…」


軍人B

「勝手に殺さないでくれ、母親は生きている」


軍人A

「何も言ってねぇだろうが」


軍人B

「気休めに床に敷かれた布切れに寝かされていた俺の隣りで、応急処置をされていたのが母親だった。

だが俺は、それに気付けなかったんだ」


軍人A

「どういう事だ?」


軍人B

「まるでミイラみたいに、身体中あちこち包帯だらけだった。

包帯の隙間から覗く鼻と口だけでは、俺には母親だと判別出来る訳も無い。

痛みに耐える(うめ)き声も、耳に残っていたあのハミングとは重ならなかった。

だから、ただ(おび)えて、(そば)にいた兵士に(すが)りついていたんだ」


軍人A

「……その後は、どうなったんだ」


軍人B

「建物の中には見知った人物はいなかった。

孤児(こじ)と識別されて、軍が運営する施設に収容されたのさ」


軍人A

「そうか……いや、ちょっと待ってくれ。

その時は分からなかったのに、何故隣りにいたのが母親だと?」


軍人B

「その兵士から手紙で知らされたんだ、3年前にな。

成人し、施設を出る年だった。

その手紙には、俺の母親があれから(しばら)く軍病院で治療されていて、脊髄(せきずい)に損傷があって1人では動けない事、失語症になっている事、筆談(ひつだん)でやっと身元が分かり、俺の母親だった事が判明したと書かれていた」


軍人A

「今も…生きているのか?」


軍人B

「…多分な。

死んだという(しら)せは無い」


軍人A

「多分って…会いに行ってねぇのか、何故!」


軍人B

「行けると思うか!?」


軍人A

「っ……それは…」


軍人B

「…天涯孤独(てんがいこどく)だと、ずっと思っていたんだ。

憎かった!

俺を天涯孤独にした戦争を!

全てを奪っていった敵国を恨んだ!!

……復讐(ふくしゅう)してやろうと思って軍に入ろうとしていた俺に、突然母親が生きていると報せが来たんだ。

生きていてくれた事は素直に嬉しかった。

でも、まだ会いには行けないんだ。

何も…()していないから」


軍人A

「……そうか」


軍人B

「………胸を張って、会いに行きたいんだ。

あの人は、命懸けで息子の俺を守ってくれた。

あの時居合わせた兵士も、あれから何年も経ったのにわざわざ報せてくれた。

だから俺は、(むく)いる為に1人でも多くの人をーー…」





マスター

「………与太話はこれで終わりだ」


ルーキー

「え…」


マスター

「すまんな、開店の時間だ。

今日は帰ってくれるか?」


ルーキー

「な、何故です?

私は客としてここに居られないんですか!?」


マスター

「予約が入ってるんだよ。

また来な、ボウズ」


ルーキー

「待って下さい、今の話の人ってーー…!」


マスター

「さぁ、帰った帰った」


ルーキー

「教えて下さい、その人はきっと!」


マスター

「今度来たら話してやる。

お前さんが知りたい事もな」


ルーキー

「ほ、本当ですか…?」


マスター

「あぁ、約束しよう」


ルーキー

「…わ、分かりました、今日はこれで失礼します…

絶対ですよ!」


マスター

「分かったって、お前さんもしつこいな」


ルーキー

「約束、忘れませんから!

それに、今度こそボウズと呼ばれない様にします!

では!」


マスター

「…は、覚えてやがったか……お前さんは、まだまだボウズだよ。

しっかし、つい口が滑っちまった。

またどうせ、高みから見物して笑ってやがるんだろうな、あいつは…

昨日、どこの(つて)か知らんが俺の所に報せが来たんだ。

もう会えたか?

今頃、順番が違うだろうって、母親に怒られてんだろうな。

俺は、番がまだ来そうにねぇからもう暫くガキ共の世話をする事にしたよ。

俺も胸張って、お前に会いに行ける様にな」




間(10秒程度)




ルーキー

「…よし、今日こそ……!」


マスター

「いらっしゃい……うん?

何だお前さんか、久し振りだな」


ルーキー

「えぇ、そうですね。

あれから2年…()ちました」


マスター

「もうそんなになるか。

俺も歳を取ったな」


ルーキー

「え…?」


マスター

「歳を取るとな、1年があっという間なんだ。

そうか…2年……お前さんはどうしていたんだ?」


ルーキー

「何とか、やれている…と思います。

部下も持つ様になりました」


マスター

「ほう…?

体格も少しは(さま)になった様だ。

そうか…お前さんも下仕官(かしかん)持ちか」


ルーキー

「えぇまあ…お察しの通り、毎日悩み悩みですが…」


マスター

「そんなもんだ。

そしてそれは、日に日に重くなっていく」


ルーキー

「重く……えぇ、そうですね。

せいぜい押し潰されない様にします」


マスター

「ふん、可愛(かわい)げが無くなったな、お前さんも」


ルーキー

()め言葉と受け取っておきます。

ところで…」


マスター

「分かっている。

だが、いつまで立ち話をしているつもりだ?」


ルーキー

「お答えを頂いたら、座らせて頂きます。

約束…お忘れになられていない様で安心しました」


マスター

「そこまでボケちゃいねぇさ。

だがな、ここは俺の店だ。

ルールは俺が決める、分かるな」


ルーキー

「……では、失礼します」


マスター

「分かりゃあいい。

さて曹長(そうちょう)どの、酒は…」


ルーキー

「階級で呼ぶのはよして下さい。

そうですね、では……バーボンを少し、頂きます」


マスター

「少しは分かる様になってきたか。

お前さんは運がいいな。

バーボンなら先日仕入れたヤツがある。

とっておきを開けてやろう」


ルーキー

「…有難うございます」


マスター

「…2年……か…」


ルーキー

美味(うま)い…

今、何か…?」


マスター

「いや、少しな…」


ルーキー

「…昨夜、久し振りに夢を見ました」


マスター

「夢…?」


ルーキー

「えぇ、あの頃毎晩の様に見ていた、悪夢です」


マスター

「…そうか」


ルーキー

「2年の間に忘れたと思っていたんですけどね。

日々の訓練や、下仕官のトラブル沙汰(ざた)の片付けやらで毎日追われてましたから」


マスター

「ははっ」


ルーキー

「…何です?」


マスター

「いや…お前さん、気付いてねぇ様だからな。

それはな、忘れたんじゃねぇ、単なる逃避(とうひ)だ」


ルーキー

「いえ、そんな事は…!」


マスター

「思い(いた)らねぇなら、お前さんもその程度って事だ。

なぁ、本当に…忘れてしまっていいのか?」


ルーキー

「っ!

……それは…しかし、忘れてしまうのが一番いいんです。

でないと私はーー…」


マスター

「撃てなくなる、か?」


ルーキー

「……もう、嫌なんです。

失望したくない」


マスター

「自分に、か?

それは嘘だな」


ルーキー

「それはどういう意味ですか」


マスター

「分かっているだろう。

お前さんは、周りに失望されたくないだけだ。

ここに初めて来た頃の自分を恥じているのか」


ルーキー

「それは…勿論(もちろん)そうです。

撃てないなんて、軍人失格だと貴方も言ったじゃありませんか!」


マスター

「あぁ、そうだ。

だがな、俺は忘れろと言った覚えはねぇぞ」


ルーキー

「しかしそれでは…!」


マスター

「あの戦役(せんえき)でお前を救ったのは俺の同期の男だ」


ルーキー

「っ!!!

やっぱり、そうだったんですね…」


マスター

「あいつは、お前の盾になって二階級特進した」


ルーキー

「そんなっ……」


マスター

「…気付いていたんだろう、何故そんなに驚く」


ルーキー

「……すみません」


マスター

「望んだ答えじゃなかったからか?」


ルーキー

「………すみません…」


マスター

「俺にはな……お前さんは、希望なんだ」


ルーキー

「え…」


マスター

「皆、色んなモン抱えて、もがきながら生きている。

そこに軽重(けいちょう)深浅(しんせん)も無い。

自分だけの積荷(つみに)背負(せお)ってんだ」


ルーキー

「でも俺には何も…!」


マスター

「残ってねぇか?」


ルーキー

「……分からなく、なったんです」


マスター

「…吐け。

壁にぶちまけるよりは多少マシだ」


ルーキー

「この2年……必死でした。

この店に来る事が支えだったんです。

あの頃の自分には聞く権利が無いと…教えて頂けなかったのは、そういう事なんだと思って、必死で。

ただそれだけで。

いつか、胸を張って会いに行こうって…ずっと…」


マスター

「……そんな大層(たいそう)な店じゃないがな」


ルーキー

「いいんです、これは自分で勝手に決めただけですから。

そうでもしないと、前に進めなかった」


マスター

「…で、胸を張れる様になったか?」


ルーキー

「それは……どうなんでしょう。

この店に入るまでは、そのつもりで…」


マスター

「それで、分からなくなった、と」


ルーキー

「……少しは、変われたと思ったんですけど…」


マスター

「ふむ……少し、教えてやる。

あの時何があったのかをーー…」





軍人B

「…いつまでそうしているつもりだ?」


軍人A

「一人にしてくれ」


軍人B

「覚悟はしていたんだろう?

()やむ気持ちは分かるがーー…」


軍人A

「お前に何が分かるってんだ!!!」


軍人B

「……そうだな、俺はまだ部下に殉職者(じゅんしょくしゃ)を出していない」


軍人A

「…すまん、それ以上言うな」


軍人B

「お前が謝る必要は無いさ。

俺もな」


軍人A

「……なぁお前は…後悔しねぇか」


軍人B

「何を」


軍人A

「…ここに()る事を」


軍人B

「後悔しているのか?」


軍人A

「…分からなく、なったんだ」


軍人B

「…俺にはな、知っての通り夢がある。

それを叶える為にここにいる。

だから後悔なんてした事はない」


軍人A

「夢…それは、ここに居なきゃ叶わねぇのか?」


軍人B

「どうだろうな…他にも手段はあるのかもしれないが…

俺は、ここで叶えると決めた」


軍人A

「何故だ!?

少しでも多くの人を助けたい、あぁ大層な夢だ!

だがここじゃなくてもいいだろう!?」


軍人B

「そうかもしれないな。

だが、(かし)ぐかもしれないだろう?

目的地へ行く道は(いく)つもあるが、迷えばいつまでも到達(とうたつ)出来ないさ。

遠回りでもいい。

この道がどんなに悪路(あくろ)でも、俺はこれからも道を(たが)えるつもりはない」


軍人A

「自分で決めた道だから、何があっても後悔しねぇって言うのか」


軍人B

「少し違うな。

悔やんでも何も得られないと知っているからだ。

過去は戻らない、どんなに望んでも。

どんなに血の涙を流しても、あの(あり)の行列は巣には帰れない」


軍人A

「過去は切り捨てるっていうのか!?」


軍人B

「違う。

(かて)にするんだ」


軍人A

「糧…だと…?」


軍人B

「あぁ。

だから、ずっと胸にあるんだ」


軍人A

「…お前は、強いな」


軍人B

「いいや、人一倍臆病者(おくびょうもの)さ。

迷子の子猫ちゃんになりたくないだけだよ」


軍人A

「…俺にも…そんな何かがあるんだろうか」


軍人B

「空を飛びたいんだろう?」


軍人A

「それは叶わねぇガキの頃の夢だ」


軍人B

「叶うさ」


軍人A

「はっ、どうやって」


軍人B

「俺には見える。

お前がいつか、空を飛んでいるのをな」


軍人A

「馬鹿も休み休み言え」


軍人B

「なぁ、その時はきっと俺も隣りでーー…」


SE:空襲警報、サイレン


軍人A

「こんな昼間に非常警報!?」


軍人B

夜襲(やしゅう)ばかりだと(あなど)っていたな、これも作戦か!

行くぞ!」


軍人A

「待て、無線だ!

こちら第5ぶたーー…今、何と…」


軍人B

「どうした?」


軍人A

「待って下さい、それでも出動すべきでは…

納得出来ません!!

クソッ、どうなってんだ!」


軍人B

「おい、行かないのか!?」


軍人A

「…俺達の部隊は待機命令が出た」


軍人B

「待機!?

何故だ!!」


軍人A

「あくまでも本線は夜襲、此度(こたび)空襲(くうしゅう)陽動(ようどう)作戦だと」


軍人B

「陽動だとしても、(さら)されるのは民間人じゃないのか!?

協定を破った向こうが何もせずに帰る訳がないだろう!!」


軍人A

「待て、命令に(そむ)くのか!」


軍人B

「クソ喰らえだ!

悔やみたくないからな!」


軍人A

「くっ、俺も行く!!」





ルーキー

「…不思議だったんです。

あの時確かに、敵襲は夜間だけと決められていた(はず)でした。

夜間のみシェルターに避難(ひなん)すれば、それ以外は家で過ごす事が出来た」


マスター

「協定を提示(ていじ)してきたのは元々敵国だったが、こちらとしても条件が良いと飲んだ。

民間人の被害を最小限に抑えられるからな。

以前、お前さんの話を聞いた時にすぐに分かったさ。

あの日の事だとな」


ルーキー

「…その協定が、破られたのは何故なんですか」


マスター

「最初からそのつもりだったかは分からんが、お互い夜襲のみで決めの一手を図りかねていた。

(ごう)を煮やしたんだろうとの見解が出たが…結局の所反旗(はんき)(ひるがえ)した敵国の軍人共が武力で反勢力を(つぶ)して終戦した、ってのはお前さんも知っているだろう」


ルーキー

「えぇ……

人は何故、争うんでしょうね…」


マスター

「さぁな、(ごう)が深いんだろうよ」


ルーキー

「業……ですか」


マスター

「あぁ、(いにしえ)から続く、業だ。

そういやぁ……叶わなかったな、結局は」


ルーキー

「……少尉(しょうい)


マスター

「あん?

おいおい、俺は退役(たいえき)した身だとーー…」


ルーキー

「本日は、書状を預かってきております。

お受け取り下さい」


マスター

「…いらん、持って帰れ」


ルーキー

「それは出来ません。

どうかお目通しをお願いします」


マスター

「ちっ…嫌な予感はしていたんだ、あれから2年…姑息(こそく)な手を使いやがって」


ルーキー

「この店の契約は5年だと(うかが)いました。

私がここへ初めて来たのは3年目、もうじき契約は切れます」


マスター

「駄目だ、戻るつもりは毛頭(もうとう)無ぇぞ!

司令を呼べ!」


ルーキー

「その司令からの書状ですので…

それと、もう一つ」


マスター

「まだ何かあんのか!?」


ルーキー

「司令からお預かりした手紙です。

どうぞ」


マスター

「手紙…?」


ルーキー

「えぇ、大尉(たいい)から、と言えば分かる、と…」


マスター

「っ、寄越(よこ)せ!」


手紙・軍人B

「万が一の為に、ここに記しておく。

その時ならきっと、お前より階級も上になっているだろうしな。

司令には、お前がもし退役する事があったら渡してくれと伝えておいた。

なぁ、一緒に見てみたくなったんだ。

お前が言っていた、突き抜ける青を、視界の端に去っていく白を、遥かな地平線を。

頼む、俺の夢も乗せてやってくれ。

空で待っている」


マスター

「……っ…馬鹿野郎が…」


ルーキー

「…司令がお待ちです」


マスター

「書状、見せてくれ」


ルーキー

「どうぞ。

では、私は先に戻ります。

失礼致します!」


マスター

「……第1航空船団(こうくうせんだん)、第3部隊顧問隊長ぶたいこもんたいちょう

とんでもねぇ大役(たいやく)押し付けやがって、あの野郎…

余計な手回しするんじゃねぇ」


軍人B

「空を飛びたいんだろう?

叶うさ。

俺には見える。

お前がいつか、空を飛んでいるのをな。

お前の番は、まだまだ先だ」


マスター

「あぁ、俺にはやらなきゃいけねぇ事がある。

そうだろ…?

…せいぜいボウズ達の未来を、青臭くしてやるさ。

第1航空船団、第3部隊顧問隊長、拝命(はいめい)致します!!」




-end-

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