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6.迷いの森体験ツアー

今まで特に書いてませんでしたが、よくある例でLvの目安を用意しました。

Lv1~4 一般人

Lv5~9 戦闘訓練した一般人

Lv10~19 ザコ討伐を任せられるレベル

Lv20~29 中ボス的な討伐を任せられるレベル

Lv30~39 ボス的な討伐を任せられるレベル

Lv40~49 名指しで依頼をされるレベル

Lv50~59 ギルドを作ると人が入ってくるレベル


あと、攻撃力・防御力等の表記が無いのは、ゲームでもそうだからです。

その辺はおいおい説明していこうかと…

今日も【迷いの森】に子供たちが遊びに来ている。

安全そうな道を通り、果物などを採取しつつ探検するのが日課だ。

暇潰しと運動を兼ねていて、遊びの常連は足腰が鍛えられている。


だが、今日のメンツはいつもと違い、大人が三人増えている。


「こっちこっち!とっておきの場所があるんだ!」


子供たちは、普段と逆で大人に教える側になっているため、とても機嫌が良い。

危険を感じていないのか、ゆっくり歩く大人達を待っている間、逆立ちしたりしている。


「わ、分かった…分かったから、そこで少し休ませてくれないか」

「私も足が…デスクワークで体力が落ちたようですな…」

運動不足の大人は、探検コースの半分すら終わっていない段階で早くもバテている。


「お前たち、あまり先に行くんじゃないぞ。何かあったら守り切れないからな」

大人のうち一人はバテていない。

むしろ余裕が有り余っている感じだ。


実はこの不思議な組み合わせ、再編した【迷いの森調査隊】だ。

といっても、仮の状態ではあるが。

子供達が安全に遊べているルートだけでも調査しようという活動だ。

ちなみに隊長は子供達で、毎日ローテーションするローカルルールがある。


「しょうがないなー、じゃあおやつタイム!この木の実、美味いんだよなー」

「「おー!」」


今日は初の大人参加ということで、一番古株の子が仕切っている。

そこに大人メンツの護衛の冒険者、植物研究者、更になんとイスカ領主まで居るのである。

実は以前の調査隊、物量作戦のようなもので、全体の指揮が足りていなかった。

臨時傭兵も含まれ、誰かが粗相をして木の魔物の怒りを買ったのではないかと考えたのだ。


「まずは採取した果実に毒などが無いかを調べます。食べる前に見せてください」

「はーい、約束だしなー」

植物研究者が待ったをかけ、子供たちが採取したものを見ていく。

大人達は調査だけが目的なので、採取しているのは子供達だけだ。

ちなみにこの研究者、植物限定だが結構高レベルな鑑定が出来るため、今回抜擢されている。


########

品名:ポイズン・オキシックの実 Lv55

特徴:生食可、毒性なし。優しい甘みと少し強めの酸味。紫色が食べ頃。

用途:ジャムやタルトなど。

産地:迷いの森

########

品名:ブレイド・サッサの実 Lv20

特徴:生食可、毒性なし。少し硬く、独特の香りがする。栄養価が高い。

用途:乾燥携帯食など。

産地:迷いの森

########

品名:ナイトメア・アッパウの実 Lv140

特徴:生食可、毒性なし。甘く水分量が多い。皮は加工する事で食べられる。

用途:パイやコンポートなど。

産地:迷いの森

########


「ブフォッ!」

研究者が飲んでいた水を噴き出した事で全員が注目する。


「知らない間にとんでもない生物の素材を取っていたようで…この実の主、Lv140ですって」

「はあ!?おいおい、俺はLv50なんだが」

冒険者の男性は驚愕した後、辺りを警戒するが…平和な森の光景しかない。

ちなみにLv50は、ギルド依頼などの取引相手と直にやり取りできるほどの熟練冒険者だ。


「あ、それこの辺じゃ一番美味いやつだ!」

「残念、それは二番目。こっちが一番よ」


いつの間にか女性が現れ、子供に何かの果実を見せる。


「あ、森のお姉ちゃん!今日も頼まれたやつ持ってきたから、それと交換してよー」

「「僕も、僕も」」

「はいはい、どうぞ」

子供たちは、草の束のようなものを渡し、かわりに果実をもらう。


「おい、あんた何者だ?気配もなく一人でこんな所に軽装でいる。勘だが、ただ者ではない」

「いや、待て、先に私に話させてくれ」

冒険者が警戒を高めるが、今まで特に何も注意しなかった領主が焦って止めに入る。


「失礼いたしました。私はイスカ領主、ロークスと申します」

「この森の調査を目的として、この者達と行動しております」

領主が姿勢を正して挨拶すると、女性は少し考えた後名乗る。


「森の魔女と呼ばれている者よ。好きに呼んでもらって良いわ」

「…とりあえず、それを止めさせてもらえない?」

「ち…」

魔女が冒険者を指差すと、冒険者は舌打ちし、逆手に持っていた道具を捨て大人しくする。

一つは未知の敵を調べるために使うアイテムで、生物鑑定に似た効果を発揮できる。

効果は高いが、使い捨てかつ高額なので気軽には使えない。

もう一つは、大きな音を発するだけのアイテムで、怯ませ隙を作るためのものだ。


魔女の鑑定結果は出ているが…どんな人物か知っていても知らなくても謎の結果だ。

鑑定を妨害したりする魔法等もあるが、その場合失敗したことは分かる。

つまり成功しているが、よく分からないのだ。

########

名前:グレイス=フレイリア

種族:人間族 Lv1

能力:特になし

技能:特になし

########


「申し訳ありません…おい、フラック。以後魔女殿に何か仕掛けたりしないように」

「あんたがそう言うなら従うが…」

フラックと呼ばれた冒険者は後ろに下がり、腕を組んで様子を見ている。


「話を戻すけど、アナタ達はこの森の安全な所を知りたいのね?」

「ええ、危険な木の魔物が現れるという情報がありまして…」

「最低限、その活動範囲に入らない箇所を確認しておきたいのです」


魔女は首をかしげながら、あの話かな、と言いつつ考えている。


「良い機会だから、場所を変えて話しましょうか」

「ありがとうございます」

「ドワ、今日は調査中断だ。子供たちを連れて先に戻ってくれるか」

「はい。明日までには今日の調査を纏めておきますので」


魔女、ロークス、フラックの三人は森の奥へ進んでいく。


------------------------------


「そういえば何を交換していたのですか?」

帰り道、休憩タイミングでドワが子供たちに尋ねる。

交換していた物について気になっていたのだ。


「よく分かんないけど、僕たちの村に生えてる雑草が欲しいんだってさ」

「いつも持って行くと何かと交換してくれるんだよ!」

「今日もらったのはコレだね!」


一応見ておきますか、と言い鑑定する。

########

品名:デス・ヘリックスの実 Lv165

特徴:生食可。マナ濃度の高い土地産以外は即死級の猛毒。とても上品な甘み。

用途:ケーキや果物茶など。

産地:迷いの森

########


「ブフォッ!」

この瞬間、子供達から「水を吐く人」というあだ名を付けられることになった。

ゲームでは、主人公切り替えでパペットトリオがメインになっている時に使える機能で"素材採取"というものがあります。

厳密に言うとグリンの能力で、マナを使って実行します。

使って色んな所を這いまわったり、物を剥がしたりする事で作中に出て来ているようなアイテムを入手できます。

高速実行モードも用意したんですが、つい使い過ぎてマナ切れ=全滅ENDパターン案件が多かったので…

その時だけ特例で、切れても戦闘しなければセーフというシステムにしました。

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