5.弱くはない落ちてそうな鎧と水面下の戦い
複数場面を話数で分けて切っている人の気持ちがよく分かった…
同時進行があると、すごくカオスな文字数になるという。
たまたま今回解説的なものを固めたせいでもあるんですが。
あと、カット&カットにより癒しキャラを出すタイミングが無くなったので、時々リコラディアにとばっちりダメージが行きます。
【迷いの森】では、新時代の転生者達のために、魔女が色々と説明を聞かせている。
誰でも転生出来る分、デメリットが存在するからだ。
「さて、落ち着いたところで。まずパペットについて説明するから聞いてね」
「ちゃんと理解しないと、すぐ倒れて土の養分になっちゃうからね」
魔女が説明を始めると、三人は気を引き締めて聞く。
「簡単に言えば、ある素材で作った人形に、アナタ達の意識が入っているようなものね」
「詳細は慣らしながらおいおい話していくわ」
目下必要な知識は…といって話を進める。
「まず、自身を動かすための燃料が必要ね。人間族で言うところの食事のようなもので…」
「パペットの場合はマナを消費して動くから、マナを補充できれば良いの」
「消費量も個体差があってバラバラで、魔法を使うタイプは消費が重くなりがちね」
つまり、と言って指を差されたのはリコラディアだ。
「アナタ、この中で一番重いわ」
「え、重…」
リコラディアは女性特有の何かでダメージを受けている!
「この森はマナが濃くなるように管理しているから気にしなくて良いけど…外に出た場合は注意ね。」
「外ではグリンがマナを何とかしてくれるけど、よく分からないと思うから後で体験してもらいましょう」
グリンと名乗った男性は頷く。
クエラセルはマナ問題を解決する手段の予想をしているが全く思いつかない。
リコラディアはそれどころではない!
「アナタ達は高性能だから、実はデメリットはあと一つだけ…」
「正体を見破る能力で人間族でない事がばれるくらいね」
「あとは要望にあった事以外は、人間族と同じだと思ってくれて良いわ」
クエラセルは少し気にしている様子だったが、当面は気を付ければ良いだけだということで解決した。
リコラディアは…
「さて、パペットの簡単な説明をしたところで今日はもう一つ、強化した装備を紹介するからね」
「まずは無難に改造してみたから、後で好みによって弄って良いわ」
そういって魔女は、左手で何かを書くような動作を始め、同時に右手の人差し指でくるくると空気をかき混ぜるような動作をしている。
そしてすぐに動作を止め、座っている三人の方を指差す。
「即興魔法 鑑定眼」
部屋が一瞬光で包まれる。
と同時に、三人全員の頭の中に装備品のイメージが入ってくる。
リコラディアは何かを感じたのか、復活して目を輝かせている。
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品名:属性耐性強化の安定した茶皮鎧
特性:
<ポイズン・リバース> 毒ダメージでダメージ分回復する
<リ・ヒール> 体力回復効果のある魔法とアイテムを受けた時、追加で僅かに回復
<属性魔法耐性増加> 全属性魔法耐性が増加
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品名:破砕強化の安定した赤黒ローブ
特性:
<ポイズン・リバース> 毒ダメージでダメージ分回復する
<リ・マナヒール> マナ回復効果のある魔法とアイテムを受けた時、追加で僅かに回復
<魔法攻撃力強化> 魔法攻撃の威力が上昇する
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品名:安定を求める青ローブ
特性:
<ポイズン・リバース> 毒ダメージでダメージ分回復する
<ディールアウト> 他者を回復する際の効果上昇(自身は対象外)
<緊急回避> 不意打ち攻撃を察知しやすくなる
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「ベチュラちゃんの素材をふんだんに使ってこんな感じになりましたー」
「最初にしては上等な装備だと思うから、後で効果を試そっか」
三人は「よく分からないけどなんだか凄そう」という感じで説明を聞き終わった。
「ちなみに鑑定系に全く才能がない者がこの魔法を使うとこうなります」
魔女は遠い目で言う。
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品名:弱くはない落ちてそうな鎧
特性:
<裏は毒> 回復?それはダメージかつ毒である
<する回復 一度?> アイテムは回復である。増やす?
<増やします> 全ては増幅する魔法
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関係ないが、後日「鑑定眼!」と高らかに宣言して不発するリコラディアを見る事になる。
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その頃、【迷いの森】すぐ近くの小さな農村では、夫婦が話し込んでいた。
謎の少女が訪ねて行った家の出来事である。
周辺地域への連絡も済んで戻ってきたのだ。
もちろん一瞬で移動が済むような便利なものはないが、緊急の配達システムがあるので利用した。
フット・ドッグという、とても強靭な足腰をした獣に乗って高速で移動し、最寄りの村などに"再配送"を依頼しに行く。
依頼された場所は、また行き先別に分かれてフット・ドッグを走らせ、繰り返せば連絡が行き渡るかなりの力技システムだ。
落ち着いたところで魔人族の女性が訪ねる。
「ところで、あの子をそのまま街に向かわせて良かったの?」
「あなたの調べた情報では攻撃系が単調そうだから、深い落とし穴に落とせば解決すると思うのだけど」
女性は魔物用の攻撃アイテムも多種多様に作っているため、
何かを使って相手を封じる戦略が見えてくるのだ。
「いや、だめだ。知能の低いやつなら、確かにその通りなんだが…」
獣人族の男性は悩ましげだ。
実はこの男性、以前は結構な腕の冒険者で、高位アンデッドとも戦闘経験があるのだ。
高位といってもピンキリだが、おおよそLv50を超えると高位とされる。
「やつは、明らかに勝てる俺たちに全く危害を加えず情報を聞き出してきた」
「それと食事の時に違和感を感じなかったよな?きれいに全部食べていた」
「そうね、美味しそうに食べていたわ」
「そこなんだよ」
男性は頭を抱え始めた。
「この地域での暗黙の了解で、解毒作用のあるハーブ…このキュアタムと一緒に食事を出して、敵意がないことをアピールしている訳だが」
「実はアンデッドが接種すると、死ぬほどの苦痛を与えるものなんだ」
「でも笑顔で全部食べ…まさか」
「おそらくだが、それを知ったうえで食べて、終始笑顔だったわけだ…俺はそのことを知っていたから逆に情報になったが、普通は気付かないだろうな」
「ここまで頭の回る存在だとしたら、落とし穴なんて仕掛けたら全滅だぞ」
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「う、う、が…あ」
「久しぶりに…無理しすぎちゃった…かな…?」
「アレ、やるしか、ないよね」
件の少女が地面にうずくまっている。
今はこんな状態だ。
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種族:リビングデッド Lv180
状態:猛毒 能力低下(40%) 体力低下(80%)
能力:擬態 復活
技能:
<集魂結晶作成> 【呪印】状態の生物を命属性の魔力に変換し、魔石化する
<復讐劇> 自身を倒した相手に対して段階的にステータス開放
<死の刃> 死属性単体魔法 Lv90 【呪印】付与
<知能吸収> ????
<自分改造> ????
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ただ苦しんでいるわけではなく、何かが変わっていく。
「あ、あは、消えちゃえ…」
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種族:リビングデッド Lv180
状態:猛毒 能力低下(40%) 体力低下(80%)
能力:擬態 復活
技能:
<集魂結晶 > 命属性の魔力に変換し、する
< 劇> ステータス開放
<死 刃> 死属性 【】付与
< 吸収> ????
<自分改造> ????
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「あは、あはぁ…改造、改造」
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種族:リビングデッド Lv180
状態:猛毒 能力低下(40%) 体力低下(80%)
能力:擬態 復活
技能:
<集魂結晶[吸収]> 命属性の魔力[を体力]に変換し、[解毒]する
< [惨]劇> ステータス開放[、生物全てに攻撃、体力全回復で停止]
<死[双]刃> 死属性[武器x2] 【[対象の命属性-1]】付与
<[体力]吸収> ????
<自分改造> ????
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「あは、アハハ、しらないぞぉ」
ゲームでは、愛を持ってプレイしてくれる人のために、いろいろ詰め込んでます。
が、しかし、現実は…"そんなのあったんか"
嫌でも分からせるために、装備作成と合成はシンプル目にしたうえ、チュートリアル報酬で素材配布しました。
いざプレイさせてみると…"そんなのあったんか"
なぜだ…。