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65.望まぬ同化と謎の弱体化

カット分の辻褄を修正しながら急いでストーリーイベントを回収していってますが、なかなか終われない。

続きが書けないのではなく、続きが書け過ぎる事に悩むのはレアケースなんでしょうかね。

「魔女の姉さん、こいつを助けてやってくれ!」

『あついよー!』


ここは【迷いの森】にある、魔女の住居である。

フラックが、大きな鍋のような物に妙な生物を入れて訪れている。


【ズバシュー屋さん】で仕事している、マグマのような生物のようだ。


「恐らく体温を調節できない状態ね。何があったの?」

「結論から言うと、炎羅素材を取り込んだら同化して、こうなった」


実はギルドショップに売却した炎羅の素材は、武器に加工する事になった。

普通の者では加工が出来ないので、ズバシュー屋さんに持ち込んだのだが…

いつものように、この生物が素材を取り込むと、勝手に同化してしまった。

こうなると体内から素材を取り出せないのだ。

その上で、炎羅素材の力に体が耐え切れない、危険な状態だ。


「熱を相殺する事なら今すぐ出来るけど、摘出は時間が掛かりそうね…」


フィーリは、シャボン玉のような物体に、メテオリット砂漠の砂を入れる。

この砂は、常に冷気を放っており、熱吸収に使われる。

それをマグマの生物に与えて取り込ませる。


この玉表面で熱を交換し、温度を調整出来る。

完全に対症療法で、凌いでいる間に根本対応が必要である。


『大丈夫になった。お姉さん、ありがと!』

「俺からも礼を言わせてくれ」


ひとまず落ち着いたが、フィーリには気になった点があった。


「他の魔神素材を取り込んだ事はある?」

『雷過のはやったけど、同化せずに取り込めたんだよね』

「うーん、勝手に同化するのは、炎羅本人くらいだと思っていたけど…」


この生物が、実は魔神【炎羅】ではないかと思ったが、その節は否定される。


「一応こいつを鑑定してみたが、Lv5のマグマ・ゴーレムだった」

「やけにLvが低い所が気になるけど、争わずに居るならそんなものね」


何かヒントになるかもしれないので、この生物の過去の話を聞く事にした。

長話になるかと思われたが、途中で中断する。


『そしたらおじちゃんが、鉱石を渡すから命だけは助けてと言ったんだ』

「ふむ…ん?何かおかしいぞ」


今は火山で生活していた時の話で、タルナンドと出会った瞬間のようだ。

しかし、どうも妙な点があるようで、突っ込みが入る。


「タルナンドさんはLv5に負ける程弱いとは思えないんだが」

『そう言えば、そうだね。あれ…?』


考え込む二名をよそに、フィーリは空中に火山地帯の地図を展開する。


「その場所って、この辺り?」

『もっと南側でマグマが冷え固まってる所だったはず…』


フィーリはもう一つ追加で地図を出す。

二つの地図は似ているようで、結構地形が違うようだ。


「それは二つ目の地図の、ここ?」

『確かその辺り』

「この両方で、住んでた所が分かる?」

『一つ目は、この辺り。二つ目はこの辺りだったはず』


位置を確かめ終わったところで、フラックが質問する。


「二つ目の地図は最新の地図っぽいが、一つ目のは何だ?」

「百五十年くらい前の地図よ」

「えっ?」

『一つ目のここ、レッド・ドラゴンの巣。こっちも…全部わかる!』


この生物は、人基準で言うと十歳前後だと思っている。

しかし、この地図が理解できるなら、百五十歳は超えている事になる。

今まで変だとは思わなかったが、色々と記憶がおかしいようだ。


「記憶障害にしては妙な感じね。今後、併せて様子を見るわ」

『う、うん…』


とりあえずは炎羅素材の摘出をメインに、対策を練っていく事にした。


------------------------------


一方こちらは、妖精の森へ連日通い詰めの、パペット三人組である。

ファイア・スライムの調査を行うつもりで来ているのだが…

調査するまでもなく、異常事態だ。


「こいつはラッキーだ!全部頂いて行くか!」

「逃す手は無いな!囲め!」


人の声がしたので、その方向に向かう。


「これは、何が起きてる?」

「スライムの死骸らしきものが大量に…」

「まさか、全滅!?」


一行が見たのは、パッとしない冒険者パーティと、大量のスライムの死骸である。

赤色をしているので、ファイア・スライムのようだ。

冒険者パーティの一人がこちらに気付き、近寄って警告してくる。


「お前ら、どこの者かは知らんが、横取りしようとは思うなよ」


グリンは逆手に鑑定アイテムを全て持っており、この冒険者を鑑定する。


########

種族:人間 Lv20

技能:

 <気配察知> 動くものを察知しやすくなる

 <整頓術> アイテムを少し多く収納できる

 <開運> 予期しない幸運が訪れる事がある

########


まともな方法でスライムを倒せるはずが無い事が分かった。

ここはクエラセルに会話を任せ、情報を探る。


「横取り目的じゃない。この辺りの調査をしている者だ」

「ふーん?まあ、回収が終わったら好きにしな」

「ああ。ついでに聞きたいんだが、この辺で異変は無かったか?」

「強いて言うなら、霧が出たくらいか。この辺ではよくあるやつだ」


クエラセルは無理やり時間を稼ぐ。


「お?そこの女、なかなかの美人じゃないか。一緒に来いよ」

「ちょっと、放しなさいよ!」

「これだけのスライムを狩れるパーティだぜ。悪くないだろ?」


リコラディアは、今までありそうで無かったパターンに掴まっている。

しかし、一番気を引いているようだ。


こうやって時間を稼いでいる内に、グリンはスライムの死骸を鑑定する。


########

種族:ファイア・スライム Lv1

状態:死亡

########


「!?」


なんと、スライムは戦闘能力が一切無かった。

時間稼ぎも限界を迎え、バレずに探れるのはここまでだ。


「回収が終わった、あとは好きにしてくれ。全員、行くぞ!」


冒険者パーティは引き上げて行く。

リコラディアに纏わりついていた者は、投げキッスしながら、合流していく。


「何なの!気持ち悪っ!」


ある程度の冒険者になると、不測の事態を生む可能性があるのでこんな事はしない。

そこそこ順調に来たことで調子に乗ってしまった者の行動である。


「何と言うか、災難だったな…」

「でも、気を引いてくれたお陰で、少しは情報が取れました」


一行は、一応その場を調査してみるが、目ぼしいものは見つからなかった。

Lv1のスライムが大量に居た理由も分からずじまいだが、クルタの所へ報告に行く。





「ぜ、全滅ですか…」

「残念ながら、他の個体は見当たらなかった」


ファイア・スライムの一部始終と、グリンの鑑定データを連携する。

すると、クルタから一体のスライムが分離し、テーブルの上に乗る。


「あ!メギドファイアちゃん、噴火したらだめですよ!」


出て来たのは、ファイア・スライムの長のようだ。

割と気が短いようで、怒ると辺りを灰にするのだそうだ。


しかし、今回は割と落ち着いているようだ。

リコラディアに向かって、触手のように伸ばした体を近付ける。


「何?腕…?」


そこは、冒険者の一人に掴まれた部分である。

実はスライムの体液が微量付着しており、その情報を読み取っている。


「どうも、Lvを下げられてしまったみたいです」

「そんな事が出来るのか?」

「方法は分かりませんが、元々はLv100以上の子が居たらしいのです」


謎が深まるが、とりあえず情報をメモして纏めておく。

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