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48.浸食する黒爪とドラゴンマニア

一部巻き進行にしました。

カットしまくりでも話数が想定より増えていく…


「悪いな!留守の間にLv46になったんだ」

「ウォードさん、嬉しいのは分かりますがもう少し言葉を…」


こちらは、クラーグ領に集まっている勇者パーティである。

【氷の魔女】ネルが、黒爪に厄介になっている間にレベルアップしたらしい。

レベルが上がる毎に次が遠くなっていくので、四十代で上がるとお祝いするレベルだ。


「ふーん?おめでとう」


どうやって揉めずに済まそうか考えるパーティだが…

ネルは怒るどころか、興味がない。

不思議に思った勇者のライザが聞いてみる。


「一人だけLvが低いと、精神的にくるものがあると思ったんだが」

「ああ…私はLv55だから心配いらないわ」

「「「え?」」」


実はこの数日間、黒爪メンバーのローズによって、鍛えられていたのだ。

ローズは殆ど何でも使えるバランスタイプの戦闘スタイルなのだが…

その多彩な技術を使って、伸びる所を重点的に鍛え上げた。


「ど、どうやってこの短期間で!?」

「お姉…師匠を見つけたのよ」


もはや姉として認識されたローズは、翼人族の女性だ。

ネルと一緒に空を高速で飛び、空中で魔法を撃たせることで、

レベルを上げつつ、安定性と命中率を大幅に上げた。

同時に遠距離攻撃の躱し方も教わっている。


「ま、まあ…揉め事に発展しなければ良い」


勇者パーティは招集が掛かっているので、話はそこまでにして王城へ向かう。





「勇者達よ、よく来てくれた。顔を上げてくれ」


謁見の間では、王、王妃、大臣の三人が待っていた。

クラーグ領に残っている王政の、トップ達だ。

メンツが揃うと、大臣が話し始める。


「実は、ここから南の旧街道に、盗賊が現れるようになった」

「あんな場所に…?」

「被害はさほどでもないが、少人数ながらかなりの戦力を持っている」


盗賊を取り締まる為のパーティが敗走したのだという。

全員Lv30前後なので、臨時パーティにしては良い方だ。


「そこで、国の英雄かつ最大戦力である、勇者パーティに討伐を頼みたい」

「ワシからも頼む。民の安全を守りたいのだ」


そこまで言われて引き下がる訳にはいかない勇者パーティは、これを受ける。

支度金が出たので、まずは準備をするため謁見の間を後にする。


「おーい、もう良いぞ」

「お父様…謁見の度に毎回隠れるのは面倒です」


王様がそう言うと、豪華なカーテンの裏側にある隠し部屋から、女性が現れる。

誘拐された事になっている姫である。

プライベートまで制限されている事に文句を言う。


「それはすまないと思っている。今日は"協力者"を呼んであるから許してくれ」


王様は、入ってくれ、と言うと…隠し通路から男性が現れる。


「今回も喋るだけで良いのか?」

「ザウド様!お会いしとうございました!」


なんと、誘拐実行犯のザウドだ。

あれから姫に気に入られて度々呼ばれている。

黒爪の日常を話しているだけで好感度と収入が上がって行く、いわゆる美味しい依頼である。

普通ではありえない事象なので、何かの書物の話だと思って聞かれている。


「育成プロジェクト"四天王編"まで滞在してもらえる。それで耐えてくれんか」

「はい!…では、こちらへ」


隠し部屋は意外と広く、外に出ずに最低限の生活は出来る。

案内されたザウドは、いつも使っている椅子に座り、早速最新の話を披露する。

本日も、傍のゴミ箱に大量のお見合い情報が捨てられている。


------------------------------


一方、迷いの森では珍しい事態が起きていた。

ここは魔女の住居なのだが…

水龍が戻って来たと聞いて、巫女であるイリスが訪れた。

しかしそこにフェイリアも混じりよく分からない事になっている。


「水龍様?」

「これはそういう事ではなく…」

「ああ、ドラゴンの隣…夢のようです…」


大きめの椅子の真ん中に、水龍のドラハが人形態で座り、

イリスとフェイリアがそれを挟む形になっている。


基本的に暴走しないフェイリアだが、ドラゴンマニアである。

ドラゴン自体は依頼中などに、たまに出くわすのだが…

プライドが高く、慣れ合うどころか死ぬまで戦うため、癒しは続かない。

今回のように大人しい個体の隣は、癒し空間そのものである。


言うまでも無いが、歯向かったドラゴンは全て素材となった。


「フェイリア、今回はそろそろ…」

「はっ!…失礼しました」


事態を収拾するため、フィーリが声を掛けると…

別世界に飛び立っていたフェイリアは目が覚めたようにして椅子から降りる。


ようやく二人きりになれたイリスは、ドラハと今後の話をしていく。

パペット三人組と魔女二人は、別のテーブルを使い、違う話を始める。


「ねえフェイリア。この子達、もう大丈夫じゃない?」

「ふむ…良いタイミングではありますか」


グリンに寄せていた情報がクエラセルとリコラディアにも展開された。

本当は案を練った上でダメだった時に巻き込む予定だった。

しかし、当初の予想外の成長に、お墨付きを貰えたのだ。


「それでは、今日は私の情報を提供しましょう」


########

種族:邪神【黒爪】 Lv400

技能:

 <闇の根源> 【闇】から光、闇属性、眷属のいずれかを生み出せる

 <魔力操作> 魔力とみなせる物を全て操作できる

 <装備化> 他者か眷属に、自身と【闇】を付け外しできる

 <黒爪> 光、闇属性、眷属を切り裂き、【闇】にできる

 <邪神> 自分の世界を作る事ができる

########


見せられたは良いが、パペット三人組は考えを整理するので手いっぱいだ。

高位の邪神も、魔神同様に"理解"しないと凄さが分からないのだ。


「本来、闇というものはありません。光が無い所が闇とされているからです」


ヒントだけ与えて、深く語らないフェイリア。

やはり自分で考えさせるスタイルだ。


「そろそろ、あたしの情報も…」

「まだ早すぎます。私ですら理解に苦戦しました」


そう、フィーリの情報はとても理解が難しいのだ。

魔神化をうまく使いこなすジェイドも、これには苦戦しており…

木霊の魔神化状態では、攻撃すら出来ない。


パペット三人組は情報をまとめておく。

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