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3.希望の転生と闇の肉

修正してギリギリいけそうな、エグいイベントの一つを登場させてみました。


「希望と絶望」「光と闇」

殆どの事柄では対になる事柄が存在する。

例えば善人が居れば悪人も居るというような具合だ。


今日の組み合わせは歪んでいて、「希望と闇」のようだ。

まずは希望のカケラから始まる。


「みんな、本当にお疲れ様」

「全員が試験を乗り超えた事で、<準>転生者になる資格を得ました!」


前日に抱き合っていた三人が椅子に座った状態で、やり切った顔をしている。

魔女が嬉しそうに会話している。


そう、ここは【迷いの森】にある、魔女の住居だ。

木の幹をスライスしたものに足をつけたような、天然素材の丸形テーブルに四人が集まっている。


「まず転生者というのは、今の記憶や技術などを持ったまま生まれ変わった者で…」

「"自分の記憶というデータを新しい体に渡す"という事をしているイメージね」

「分かりやすく言えば、他の体に自分の頭をくっつけているような感じ」

魔女は、今更言わなくても理解しているかと漏らしつつ話を続ける


「問題は準と付けた部分…」

「あなた達には人間族をやめてパペットになってもらいます」

「事前に了解は取っているけど、気が変わって拒否したい場合は言うようにね」


少し待った後、魔女が何もない空間に両手を突っ込み、ずるずると人型の何かを出していく。

慣れているのか動揺した者はいない。


「はい、まずはアナタから行ってみましょうか」

「パペット ソウル・イン」

先日ベチュラと戦っていた、体格の良い男性が選ばれる。

男性の全身が淡く発光したかと思うと、その光が傍のパペットに吸い込まれていく。


数秒待つとパペットが動き、立ち上がる。

動作を確認しているのか、腕を回したり周囲を歩いたりしている。


「問題ない。要望通り元の体と同じ感じだ」

「俺は名前を取られているから…この体の型名と同じ、クエラセルを名乗らせてもらう」


どちらがパペットだったのか見分けがつかない訳アリ<仮>転生者、クエラセル誕生の瞬間だ。

魔女は自信作のパペットを気に入って貰えた事でご満悦だ。


「次は、注文の多かったアナタにしましょうか」

「パペット ソウル・イン」

ローブの女性が選ばれ、同様にパペットが起動するが…


「あら?どういうこと?なぜ?」

どうも混乱している。


魔女がこれを予想していたように、フォローしていく。

実は記憶を中途半端に引き継ぐ要望のため、整合が取れないところがあるのだ。

おおまかな要望は以下の通り。

・見た目は自分が二十歳の時のもの

・二十歳からこの森に着く前までの記憶を捨てる

・魔法を使いやすいパペットにする


その他、顔パーツの修正や、スタイルの修正等を行っているのは秘密だ。


「ありがとう、落ち着いたわ。魔女、いえ…お姉さま!」

「見てこの肌のツヤ!それにこんな立派な服がしっかり似合うなんて…!」


ベチュラ素材で作られた、言うなればドレスとローブを足して割った感じの服だ。

赤ベースに黒の模様が混じった、街中で注目を浴びそうな仕上がりになっている。

これ以上ない笑顔で、服の裾をつまんでくるくる回転してみせている。


「わたしは名前…変えないと不味いから…」

「そうね、クエラセルを習って、このパペットの名前から…リコラディアにするわ」

本物の転生者より好き勝手に転生した、リコラディア誕生の瞬間だ。



「さて、残ったこの子は元から高性能なパペットだからそのままで良いわね」

「「え?」」


クエラセル、リコラディアはこれを知らずに人間族だと思っていたのだ。

実は人間族との会話窓口用パペットとして、最終テストと仕上げをしていたのだ。

ついでに自衛用の戦闘力を持てたら面白いという事で、試験で試験していたとの事。


「それでこの子の名前なんだけど…」

「失敗前提のこの子に適当な名前を付けていたら、気に入ったみたいで」

魔女が言い難そうに詰まらせるが、ローブの男性は頷いて返す。


「ボクの名前は、グリン=ピースです。よろしくお願いします」


------------------------------


さて、闇のカケラもあることを憶えているだろうか。

こちらは件の、オトルス領である。


「お金はないけどショッピン=ショッピン」

「イジワルするならチョッキン=チョッキン」

少女が妙な歌を口に出して商店街を歩いている。


「この子、良さそう。欲しいなぁ」

「ねえおじさん、この【お肉】ちょうだい!」

「ん?嬢ちゃん、こんなのに興味があるのかい?まあ金があるなら売るけどな」

「お金…ない。でも買い物したいの!」

「よくわからんが、お金を貯めるか、親を連れて来たら売ってやるさ」

「だめなの?じゃあ…」


チョッキンだね、と言うと。

少女の腹部から黒い巨大なナイフのようなものが飛び出し…店主らしき人物が無残な姿になる。


「あはぁー いひ、いひ」

少女?が狂気に溢れた表情で【お肉】を見る。

目は笑っていないが、口が大きく歪んでいる。


「やめて、こないで!」

「助けて!」


【お肉】が助けを求める。

そう、それは売られている奴隷の事であった。


「こいつだ!変装した魔物かどうかは分からんが、やばそうだぞ!」

「今応援を呼んだ、暫く耐えるぞ!」


街中の実力者が立ち向かうが…はたして?

ゲームでは、この少女?が各拠点を徘徊して、対処しないととても酷いことになります。

徘徊している街などで遭遇して逃げずに戦闘すると、以降マークされて色んなところで乱入します。

倒すごとに強くなって帰ってくるんですが、一定回数以上倒すと普通に会話や取引できるようになります。

どこまで強化したかは憶えてないのですが、最速で会って最後まで倒し続けるとラスボスより強かったはずです。

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