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44.森の施設拡張と黒爪総力戦

また少し外れた話をします。

どうやって連載を続けるかで悩んでいる方が多いようですが…

私の場合は、困ったら何かキャラを置き、それに関係ありそうな者と多少の情報を与えれば頭の中で話が出来上がります。

引き延ばせば200話までは楽勝でしょう。


最新話になるほど記憶が怪しいので、特に時間経過させるための話は大体この手法で書いてます。

意味のない話は作らないようにしてますが、それが面白いかどうかは別問題なのが悩ましい所。

「今日は森の一部を移動するから、見学に来て欲しいの」

「「「えっ?」」」


ここは【迷いの森】に存在する魔女の住居だ。

非常識の日常が帰ってきたようである。

ここが迷いの森と言われるもう一つの理由は、"再配置"出来る森だからだ。

災害等も無い状態で道が変わるとは誰も思わないだろう。


話を聞くと、森に仕込まれている大魔法の回路を変更するのだそうだ。

パペット三人組は、どうやって組み上げたか気になっていたため、着いていく。





一行は、以前大量のマナを溢れさせた広場に着いた。

フィーリは以前と同じようにして、小さな泉の水を輝かせる。

その後地面をトントン叩くと、泉から水が溢れ、森の歩道に行き渡る。


「相変わらず生きた心地がしない状態だな」

「あ、でも前よりは怖くない」

「とんでもない情報が行き来しているのが分かる…」


三人組はマナの扱いに慣れた事で、少しは気が楽になったようだ。

以前フィーリが言った通り、本当に慣れてしまったのだ。

しかし、ここからは未知の領域だ。


「あら?見学者が増えるみたいね」


フィーリがそう言い暫く待つと、一体のスライムが現れる。

相当無理な速度で移動しているようで、形状が崩れている。

これはクルタの所に居た高レベルのスライムである。


一行のすぐ近くまで来ると、"混ぜろ"と言わんばかりにジャンプを繰り返す。


「面白い子ね。いらっしゃい」


フィーリが屈んで両手を出すと、そこに乗り、動かなくなる。

一応、邪魔にならないように気を使っているつもりらしい。

気を取り直して、続きを実行する。


「ラウダ・リンク」

「フォレスト・ムーブ」


謎の魔法らしきものを使うと、周囲の草木がざわめき始め…


「「「はあ!?」」」

「…!」


まず、小さな草木が自ら根を引き抜き、"根で走って行った"。

この時点で信じられないのだが、まだ続きがある。


「あの木、空を飛んでるぞ…」

「土の中に何か居るわ!」

「ツタの植物が、飛んでいる木に掴まって移動している…」


なかなかにとんでもない状況だ。

移動はさほど時間が掛からず、十分ほどで何事も無かったかのように静まる。


「どう?他では見れない光景よ」


三人組が言葉を無くしていると、スライムは満足したのか、体を揺らしている。


「次、ベチュラちゃーん!Sサイズ!」


そう言うと、すぐ近くの地面に炎が発生する。

炎は二つに分かれ、円を描くような軌道で広がって行き…

中央部に黒い円柱状の物が生えてくる。

そして円柱が内側から破裂するように砕けると、小さなベチュラが現れる。

これは新しく考えた登場シーンである。


「ベチュラちゃん、ついに成長出来る時が来たわ」

『…ほう。では早速済ませようではないか』


実は登場シーンの感想が欲しかったのだが、大事な話なのでやめておいた。


「みんな、これからマナが溢れるから、気を付けてね」

「「「気を付けるって…」」」

「足を取られて流されなければ、大丈夫」


ベチュラの成長には、相当な量のマナが必要だ。

この森のマナ貯蓄量も相当の物だが、まだ足りない。

以前フィーリがグリンに話していた、"魔神のエネルギー"を使ってマナにする事で補うのだ。


「ダイナ・ファイア!」

「「「「!?」」」」


とんでもない量の何かが動く気配がするが、魔法のようなものはどこにも発生しない。

しかし…


ブシャァァァ!


暫く待つと、いきなり泉の水が高く噴き出し、流れて来る。

先に聞いていたので、一行はバランスを取り耐える。


数分耐えると、謎の地響きと共に水は消え、静けさを取り戻す。


『成長は完了した。小娘よ、よくやった』

「やっと次に進めそうね」


実は森のマナは、ベチュラの管理している分もある。

成長する事でより多く蓄えられ、"施設拡張"した事になる。

今日の所はここまでという事で、各自それぞれの場所に戻る。


-------------------------------------------


「今日は全力で暴れても良いですよ」

「「「「ウオォォォ!!」」」」


こちらは、ギルド【黒爪】一行が集まり、"裏世界"へ来ている。

フェイリアが珍しく問題児の暴走を許可している。

これを待っていたかのように、凄まじい熱気だ。


暫くすると、黒い塊のような物が空から多数落ち…

それぞれが武器のような形状のものに変わる。

これは全て"邪神の欠片"である。


「一番乗りだ!よっと!」


バキン!


早速仕掛けたのはボルドーだ。

フォークのような形状のものを一撃で破壊している。


「数が全てだ。エア・スライサー!」


近くに居るデスピオが挑発的な表情で、四つの破片を破壊する。

他のメンツもかなりのペースで破壊しているようだ。


「このっ!このっ!」

「せい!せい!」


バキッ!


「どうよ。俺達にかかれば、この通り!」

「ハッハァ、楽勝だぜ」


爪楊枝のような小物を潰しているのは、おいしい依頼を探していた中級冒険者たちだ。

視認が難しいものを仕留めているという意味では、貢献している。


一方でフェイリアは、大物と対峙していた。


「フィーリ、派手にやったようですね。こんな大きな物が来るとは」


実はフィーリが放った魔法は、邪神にヒットしているのだ。

それでも表面を破壊して成長阻害する程度である。

何も考えず破壊すると破片が世界各地に飛び散り大変な事になるので、

フェイリアが裏世界に拾い上げ、ギルド総出で潰している。


「まあ、あれは大きいだけのようですね」


目の前には、巨大な黒い扉が鎮座している。

明らかに頑丈そうで、近寄ると反撃するタイプのようだ。


「デル・ス・イー・ラ」


短縮魔法と呼ばれる技術で、特定の術を一瞬のうちに連続で叩きつける。

すると、あっけなく壊れ、溶けるように消えていく。


「流石はマスター。一瞬ですね」

「弱点を知っているだけの事ですよ」


余裕な素振りで現れたのは、現サブマスターのトースだ。

今回も便利な破片を拾え、機嫌が良いようだ。


「それでも、ですよ。あとは細かい物だけなので、僕達が処理しておきます」

「では、お願いしますね」


難なく邪神処理を終える黒爪一同。

簡単そうな作業に見えるが、殆どの破片はLv100以上で、攻撃性が高い。

この作業も見越してギルドを立ち上げ、対応出来そうなメンツを鍛えていたのだ。

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