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20.液の三天王、トリナムに現る

一部巻き進行にしました。

内容的にはさほど差がないはず…

昼を過ぎた頃、イスカ領上空で謎の爆発が起きる。

その発生源となった農村、トリナムから始まる。


どうやらパペット三人組と追加一人が派手にやり過ぎたようである。

この村に寄る予定でなかった者も呼び寄せてしまったようだ。


「何があったの?」


現場には強力な魔力が発生していたので、最初は魔女がやってきた。


「あ、森のお姉ちゃん!これを見てもらってたの!」


元アンデッドの少女であるピナが、鞄から魔法石を取り出し見せる。

先程起こした爆発のものと同じものが多数と、更に大きな物もある。


「これはまた、とんでもない物を作ったわね…」

「凄いでしょ!ママに教えてもらったんだぁ」


自信満々な態度を取るが、伝えたい事があったのを思い出す。

先程までの様子ではなく、真剣な表情をする。


「森のお姉ちゃん、このお店が出来たら来て欲しいの!」

「ママが、最後の作品を見てほしいって…」


そこまで言い詰まる。

大体の事情を察した魔女は、頭を撫でて行く約束をする。

すると再び元気を取り戻し…鞄の中をごそごそと探る。

"お土産"なるものがあるらしい。


「じゃーん!最新作、スキルジェネレーター君です!」

「パペット限定だけど、これでスキルを作って装着できるの!」

「「「「はあ!?」」」」


自重して話を聞いていたパペット三人組と、今回は魔女も加えて驚愕している。

なんと、パペット限定ではあるが、スキルを作れてしまっている。


「ただ、ちょっと体を改造しないと使えないの…」


ピナは【多面機構】について話していく。

パペット標準の動力である魔導回路と…

アンデッド時代使っていた【動屍機構】を組み合わせ、進化させたものだ。

いつの間にか、とんでもない技術同士が融合したのだ。


「そもそも、【動屍機構】ってなに?」


魔導回路が理解できているリコラディアが質問する。


「えっとね、壁で囲んだ物体の中に属性魔力を込められる技術で…」

「その並び方と数で、いろんな魔法やスキルを発現出来るんです!」

「前は体の細胞に魔力を込めて、入れ替えてたの」


全く未知の技術とアンデッド体をフルに生かした構成に言葉が出ないパペット三人組だが、魔女は少し知っていたようだ。

実はピナの母親と一緒に研究していた頃に原案を見ているのだ。

なので、以前の戦闘であっさり戦術を破れたのだ。


ここで魔女が種明かしする。


「あの時使った、アーク・リプレイスの魔法は、並べてある箱の位置を入れ替える魔法なんだけど…」

「体細胞を"箱"と認識させて位置を変えたのよ」


非常識には非常識。戦闘時に魔女が注意していた事の解だ。

ピナも、「あれは非常識から見ても非常識だよ」と笑い話にしている。


「特別に、後で【多面機構】に無料アップグレードしてあげるの!」


これは強制である。満面の笑顔に対し拒否する者は居なかった。

とりあえず順番に"スキルジェネレーター君"を試していく。

ボタンを押すだけで、中から品物が出るようだが…


各自ボタンを押し、緑色の細長い石のようなものを受け取っていく中、一人だけ何か違っていた。


「何これ?虹色に光ってる」

「それは大当たりなの!」


リコラディアのものだけ大当たりだという。

スキルジェネレーター君は有料で利用出来るのだが、品物にばらつきがある。

その人が絶対手に入れられないような物になる程、輝きが派手になるのだ。

なお、不必要な物と、使いこなせないような物は出ない。

ピナが全員分のアイテムの結果を伝える。


########

品名:微妙な回路 Lv1

付与:<深夜の抗争> 夜食を食べても太らない

########


「グレイス…夜食を再開したのね…やめるように言ったのに」

魔女は"同居人"にお怒りだ。

しかもこれはパペットしか使えない。隠し事発見器になってしまったようだ。


########

品名:微妙な回路 Lv1

付与:<清潔な手> 手を洗う必要が無くなる

########


「普段洗ってないと言われた気分だ」

クエラセルはちゃんと洗っていることを説明する。

長旅では効果が高そうなスキルだ。


########

品名:微妙な回路 Lv1

付与:<苦汁の決断> 飲食物が苦いほど回復効果上昇

########


「うっ…」

実を言うと、グリンは苦い物が嫌いなのだ。

自分に言い訳できるスキルと言う意味では当たりである。



「そして大当たりは…こんなのでーす!」


########

品名:超高性能な回路 Lv200

付与:<ダンディボイス> 使用者が女性の時、非常に色気のある男性声が出せるようになる

########


「なんでよ!」

リコラディアがキレる。

"絶対欲しい物"と"絶対手に入れられない物"は別物なのだ。


とりあえず魔女以外は、【多面機構】にアップグレードして各自の回路を装着した。



丁度改造が終わった頃、村の者が数人走ってくる。

なんでも、村入り口に謎の生物が現れ、長を出せと言っているのだそうだ。

迷いの森の生物かもしれないので、とりあえず来て欲しいとの事。


「長はあなたですかー?」


村の入り口に、その謎の生物が待っている。

魔女が前に出て話をしてみる。

挨拶をすると、返した上で名乗る。


「私はクラーグ領の…分かりやすく言えば第二王女、クルタです」

「あまり知られたくはないので秘密ですよー?」


謎の液体に包まれている女性はそう話す。

そう、小鬼族と行動していた女性で、今は一人…と、スライムだ。


グリンは抜かりない。嘘が無いかも含めて鑑定アイテムを使用する。


########

種族:スライムクイーン Lv3

能力:特になし 

技能:

 <テイマー> 心を通わせた生物を仲間に出来る(スライム、邪神)

 <家族愛> 仲間の生物のステータス上昇、意思疎通が出来るようになる

 <オーダー> 仲間に命令出来る

########


「種族がスライムクイーン…」

「えっ?」


グリンがぼそっと言うと、クルタと名乗った女性はこちらを見る。

いつの間にか人間族を辞めていたようだ。

何故か本人は少し嬉しそうにしている。


「この子たちも紹介しますねー」

「ルーズ・ブロック!」

「カラー・チェンジ!」


魔法のように見えるが、そんなものは使えない。

言葉に合わせて、スライムが一生懸命動いたり色を変えたりしている。

これで女性とスライムが分離した姿が見える。


スライムは三色に分けて整列したあと、色毎に一体ずつ前に出てくる。

全て合わせて百体以上は居る。


「透明の子が、オールデリートちゃん」

「赤色の子が、メギドファイアちゃん」

「黄色の子が、ライデンサムライちゃん」


「個性的な名前ねぇ…」


紹介が終わった後「間違っても攻撃しないでくださいね!」と言われる。

ならばと、グリンは残った一つの鑑定アイテムを使う。

紹介された透明のスライムを狙ってみる。


########

種族:メッセージ Lv1

能力:警告 

技能:

 <次はない> 頭を消し飛ばす

 <この後> 一人で残れ

########


グリンがビクッ!となる。

フラックの教えには、"鑑定を察知して反撃する"異常な者の対応が足りていない。

この透明のスライムは相当に出来る事だけ分かった。


「ここへ来た理由ですが、近くに見える森と、この付近で起きた爆発について情報が欲しいのです」


特に敵意は無いようなので、落ち着いて話すことにした。

スライムはまたクルタの元に集まり、塊となる。

が…透明なスライムが一体残っている。


グリンは先程の件がトラウマのようで、ビクビクしている。

他の者が不思議がる中、指示通り待っていると、スライムが近寄ってくる。

草の葉っぱを運んできて、グリンの足元にその葉っぱを置いていく。

葉っぱ同士が繋がり、周囲を取り囲んで円のようになっている。


「???」


見ていると体を尖らせ、その葉っぱを指差すような動作をする。

これはジャスティス・ポアナなのだが、何かを知りたいようだ。


とりあえずマナを流してみる。


葉っぱの上にマナが流れ、光のサークルが出来ると…

スライムが葉っぱを散らす。


スライムは結果に満足したらしく、納得しているような動作をして、皆の元へ向かっていく。

グリンは解放されたが…足がすくんで暫く動けなかったという。

ゲームでは、クリア後にネームドのスライムと戦えます。

倒しても特に何も得られず、ただの腕試しイベントですが…

ちなみに意外と名前通りの行動をしてきます。

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