表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/102

18.リピーターが付くオークと意志を持つ液体

森から出ずにイベントを消化していくと、出ずに100話超えるのが確定しているので強制的に出しました。

カットなしで書くと何話行くのか…?

今日の舞台は、イスカ領にある【迷いの森】近くの農村、トリナムだ。

森で遊んでいた子供達や、アンデッドの少女と遭遇した夫婦もここに住んでいる。


今回は、魔女とパペット三人組がその村に来ている。

"はじめての外出"と、密かに計画していた出店の様子を見に来たのだ。


魔女と領主であるロークスの二者で話し合い、文化交流をする事になっているのだが…

最初は興味のある者同士だけ交流出来るよう、出店形式にしたのだ。

その第一弾がこの村にある【オーク屋さん】だ。

店の説明には「女性向け」としか書かれていない。


まだ店が出来上がっていないので、丸太を組み上げただけのような仮の小屋で商売をしているようだ。


「あら、何だか忙しそうね。成功かな?」

「オークって言うと…あのオークか?」


クエラセルは何か言いたげだ。


「見た事あるかは分からないけど、力が強くて二足歩行する…緑色だったり茶色だったりする子よ」

「あと、クエラセルの体の素材にも使ったわ」

「はあ!?」

「まあ、きっと上手くやってくれるはずよ」


割と自信がありそうな風に語るが、クエラセルは落ち着かない。





小屋の中では、翼人族の女性がうろたえている。


翼人族というのは背中に小さな羽根を持っていて、魔法によって大きくする事で空を飛べる種族だ。

魔法や弓など遠距離攻撃の適性が高い者が多く、三次元的な戦闘をこなせるものも多い。


そんな女性の前にオークが現れる。


「翼人族の雌か?丁度良い、アレを試してやるぜ。来い」

「へへ…お前さん運が良いな」


女性はオーク二人に連れていかれ、椅子に座らされる。

正面の一人が透明な箱のような物を取り出す。

箱の中に何か入っているように見える。


一方、後ろの一人は女性の手を掴んで上にあげ、動かないように固定している。


「今からコイツがお前の相棒だ。どうだ、嬉しいだろう?」

「いや…そんなの無理…やめて…!」

「選択権は与えていない。イクイップ・チェンジ!」


女性の抵抗も空しく、謎の魔法が発動し…


「こんな…背中が開いているドレスなんて…無理…」

「うむ、美しい」


女性がドレス姿になる。

実はオーク屋さんというのは女性用の高級服飾店なのだ。

マナを払えば、魔法で一日だけ豪華な衣装に変えてくれる。

毎日ではさすがに高いが、大事な日に利用する程度では、むしろ安く上がる。

なお、一切の妥協を許さない職人魂を持つ者しかいない為、既に固定客が居る。


ちなみにオークと言っても木のオークで、ドレッシング・オークという服飾特化のものだ。

オークは凝り性ばかりなので、大体が何かの特化オークに自己進化する。


「次は羽根を広げろ」


女性は真っ赤になった顔を隠しつつ、言われた通り羽根を飛べる大きさにする。


「これは…服を着ていても飛行の邪魔にならない…」

「更に水や砂をはじく仕様だ。どうだ、クセになっちまうだろう?」


オークの凝り性は異常レベルなので、機能性まで含めて計算のうちだ。

この後は個人の要望で細かな調整を行って行き、完成だ。


「うそ、これが私…」


全てが終わって大きな鏡の前に立った女性は、信じられないといった感じだ。

いつの間にかアクセサリーが増えていたり、ドレスに刺繍が入っていたりする。

暫く堪能した後、自身のマナを魔法石に入れて支払う。


「その…また来ます!」

「おう、待ってるぜ」

また一人固定客が出来たようだ。


-------------------------------------------


一方、こちらはゼクト領にある【妖精の森】だ。


小鬼族の村付近では戦闘があったようだが、どうやら勝利したらしい。

戦闘していた者がぞろぞろと戻ってくる。


「ダー モダ ラ テテ ビナ!」


今回は戦利品があると言っているらしい。

わらわらと小鬼族が集まる。

その先には、まだ小さい男の子が三人縛られていた。

抵抗しているが全く意味がない。


「ゲード ジガ?」

以前言葉を憶えようとしていた小鬼族が、戻ってきた者に話しかける。


「ウー!」

「「「ギギ ウー!」」」


ギギという者…言葉を憶えようとしていた小鬼族の事だ。

その者が発案した作戦で勝利したようだ。


「あらー、持ち帰っちゃったんですかー」


以前から変わりなく、液体漬けの女性が言う。

実はこの女性と、囚われている魔人族の男性は人に見られたくないのだ。

しかし男の子に見られてしまっている。


「シンキング・タイム!」


女性がそう言うと液体が飛び散り、その後細かくなった液体がもぞもぞ動き、整列する。


実はこの液体、スライムである。

この世界のスライムは、強酸を生み出すアシッド・スライムなどを筆頭に、Lv100を超える危険なものばかりだ。

実は知的魔法生命体なので、心を通わすと共生できる。


「追手が来なくなる方法か、新しい住処に良さそうな所…分かるかな?」


スライムたちに雑な指令を出す。

男の子達を帰すと報告されてしまう可能性が高く、帰さなかった場合は捜索隊が来る。

その打開策をスライムに聞いているのだ。


暫く待つと、体をねじったスライムが出始める。

女性はねじれたスライムにタッチしていく…


「拠点替え案が多数、場所はバラバラかぁ」

「ギギ、ちょっと来て!」


この村ではギギがリーダーで、彼に許可された行動しか出来ない。

この女性も同じである…が、高レベルのスライムを自由に操れるので地位は高い方だ。


スライムの案をまとめて相談するようだ。

ゲームではスライム育成イベントがあります。

餌をやったり出来て、癒しシステムのつもりだったんですが…

ゲームバランスのミスというか抜け穴のせいで、スライムとっ捕まえて自爆特攻させるのが流行ってしまって死にシステムになりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ