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1.パペット起動

設定を思い出したりアレな箇所をぼやかしたりするため、のんびり更新しようと思っていたのですが。

序盤はダレるほどテストしたせいか完全に記憶に残っているので、世界観を早く伝えられるように更新を速めてみました。

元々世界観は「気になったら自力で歩いて情報集めろ」的なスタンスで作っていたので、文章にすると補いきれてない部分があるかもです。

あたたかな日差し、ゆるやかな風…

屋外で作業をするにはうってつけの日だ。


人間族の村では農作業に精を出している者が多数、

その手伝いなのか、木箱に水を入れて運んでくる子供たちも居る。


平和な光景が広がる中、そこから遠くに見える【迷いの森】では何かが起ころうとしていた。


-------------------------------------------


森には、幅百メートルを超える巨大な【神木】と呼ばれる大木がいくつかある。

その一つをくり抜いて家にしたものが、森の魔女の住居だ。

彼女はその住居にある広めの部屋に居るのだが、

この部屋でまさに異常と言える状況が始まろうとしている。


魔女の正面の床には、大きめの植木鉢のようなものが等間隔で並んでいる。

恐らく百個程はあるのではないか、という量だ。

その中にはこぼれ落ちそうなほどスレスレまで土が入っており、上から水をかけたのか湿っている。


「パペット ソウル・イン」

魔女が何か呪文を使い、片手を上に挙げると、植木鉢の土がモゾモゾと動き始め…


「「「「「起床しました」」」」」

なんと生首が現れ、声を上げた。

先ほどの植木鉢から、人間族の顔にしか見えない物体が生えている。

それらがすべて魔女の方を見つめている。


「パペット オーダー マナ・コレクト」

魔女がまた何か呪文を使う。

すると生首はキョロキョロと周囲を観察し始め…

暫くすると目を瞑り動かなくなる。


「パペット ソウル・アウト」

魔女が何か呪文を使うと、生首は植木鉢の中に沈む。

植木鉢はまた土だけになっていた。


「量産型の動作は問題なさそうね」

「時間が余ったから、今日は自信作ちゃん達の様子を見に行きますか」

魔女は満足げに頷いた後、何もない空間に吸い込まれるように消えていく。


-------------------------------------------


その頃、森の奥地では…


「まだまだァ!これならどうだ!」

『動きは良くなって来ているが、大したダメージではない』


剣と皮鎧を装備した体格の良い男性が、ベチュラと戦っている。

攻撃を受けたのか、かなりボロボロの状態だ。

男性の後ろで、ローブを着込んだ男女がその様子を観察している。


『…飽きてしまったな。攻撃を止めてやる、後を考えず全力で打ってこい』

『もし次でまともな攻撃になっていなければ、不合格だ』

「分かった、もし致命傷になっても恨むなよ」


場の雰囲気が変わる。

男性は殺意を向けて身構え…力をためる。

「これが全力、だっ!」


バキィという鈍い音が森に響く。


『…』

ベチュラは何も言わない。

しかし幹がひしゃげ、大きく傷が入った…死んでいなかったとしても結構なダメージのはずだ。


暫くして…

『よかろう、今回の試験は合格とする。あの小娘にも報告するが良い』


そう言われた瞬間、男性は両手を上げ、全身で喜びを表現する。

声には出さないが相当嬉しかったのだろう。

後ろで見ていた男女も駆け寄り、抱き合っている。

いつの間にか魔女も一緒に抱き合っているので三人は時間差でびっくりしていた。


『試練を乗り切った者には何かを授ける事になっている』

『お前たちはまだ専用の装備が無いようだが…小娘よ、我の体を素材として何か作れないか』

「一通りは作れると思うよ。それじゃあ早速伐採するね」


魔女は当然出来ると言わんばかりに自信満々だ。

何の迷いもなく、ベチュラに向かって光の線のようなものを飛ばすと…


バキバキッ

ドガァァァン・・・・


木が綺麗に切断されて倒れる。

一瞬にして生物が素材となる瞬間であった。

この光景、抱き合っていた三人も理解できなかった。


『それでは、今後を期待しているぞ』


切り倒されたはずのベチュラの声が遠くから響く。

魔女は説明していなかったことに気付いて、その場でベチュラの生態について講義を始めた。

話をまとめるとこうだ。

・ベチュラは根が本体で森の広範囲に広がっている

・木の部分はただの栄養タンクのようなもので、他種族との会話窓口を兼ねている

・木の部分は森の中に五百本ほどはある

・森の中の毒素や病原体を取り込み、無毒化して放出している

・強さ的には中堅くらいだが、根からすぐに木の部分を再生出来るので、拠点防衛力が高い


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さて、ベチュラが言っていたのは、自分を素材にして装備を作れという事だ。

装備には素材となったもののスキルが付く。

ベチュラの場合は「ポイズン・リバース」という毒ダメージで逆に回復できるメリットスキルと…

「ヒール・リバース」という回復魔法や回復アイテムで逆にダメージを受けるデメリットスキルが付くのだ。

実質回復出来ないのはかなりのデメリットになるため、これを何とかする必要がある。

ゲームでは、ベチュラ素材は「全体的に優秀だがデメリットスキルがひどい」というシリーズになります。

スキルを剥がしたり打ち消したり…そうするとメリットが薄くなったり…いろいろと頭を使う装備ですが。

エグすぎてこの作品内ではカットするイベントですが、分かりやすく言えば過剰回復で死なせてくる敵がいるのですが、この装備がぶっ刺さります。

回復したときに追加回復するスキル…とか色々コンボをしてくるのですが、全部止まります。

そのイベントまでにベチュラ素材を取っていないと、ベチュラがそいつらに枯らされてしまうので大苦戦します。

この辺は何とか整合性取っていこうと思います。

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