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14.領主のお仕事と電波解析

今回は情報提供ターンです。

さくっと流して進みます。

朝を迎えたオトルス領、今日は何かが動く日のようである。


領主の部屋では、鏡に歪み切った顔が浮かんでいる。

オトルス領主、ディバの顔が映っているのだ。

眉毛のチェックをしながら、何かの報告を聞いている。


「そうか、うまくいったか。どちらに転んでも良い結果になったな、ガハハ!」

「計画通り、小さな闇ギルドに手配致しました。やつらはどうなさいますか?」

「今回は情報が漏れたところで問題ない、放っておけ」


ディバは満足そうに顎をさすっている。


「ところであの書類はどうだ?」

「問題なく、今日中に届く手はずです」

「よくやった、報酬は約束通りの物を。これで一度に問題解決だ」


報告が終わったことで、その人物は静かに部屋を出ていく。


「あの生意気なロークスには、立場の違いというものを分からせてやらんとな」

「楽しみだ、ガハハ!」


-------------------------------------------


こちらはイスカ領、領主の執務室である。


領主であるロークスは居るのだが…生気がない。

"植物の素晴らしさ"について、不眠で叩き込まれていたのだ。

周りの書士は時折心配そうな顔で様子を見る。


だが、オトルス領からの手紙を受け取ったことで気を持ち直す。


「何だこれは。ふざけているのか?」


領土譲渡の合意書が入っていたのだが、イスカ領に届いた日付が三日前になっている。

だが、届いたのは今日で、普段なら一日で配達できる距離間のやり取りだ。

事故などは報告が無いため、故意の遅延である事は想像できる。


「今日、オトルス領まで返信が無い場合は合意したものとみなす…」

「かなり強引な手を使っている。これは、逆にチャンスだな。乗ってやろう」

「子供たちのお陰で【迷いの森】問題も解決したからな」


ロークスは、サラサラと書類を書き、領政策を管理している受付に持って行く。


「他領からの移民受け入れに関する書類を持ってきた。不備が無いかチェックを頼む」

「受け入れ?人と資産が流出している場所が発行したところで…」


受付の男性が首をかしげる。


「しかも、いくら住居と食事をこちらが負担するとはいえ、この賃金ではちょっと」

「そこは問題ない、人は来るからな」


やつあたり先を見つけたかのように、ロークスが不敵な笑みを浮かべる。

受付の男性も、いつかは賭けに出ないといけない事は分かっていたため、真剣に書類をチェックする。


-------------------------------------------


そして【迷いの森】では、どうやら魔女が戻ってきたようである。

しかし、グレイスの言う通り、疲労の色が濃いようだ。

椅子に背中を預けて空を見上げているような格好で居る。

パペット三人組は近くの椅子に座っている。


「あはは…ちょっと今日は"お仕事"の疲れが出ちゃって…」

「グレイスから聞いた事を説明した後は自習にするわ」


そういってグレイスの言っていた事を確認していく。

*******************************************

「あの子が居ないときはルアちゃんが居て、ルアちゃんに探してきてもらうのですが」

「ルアちゃんがラウダの中のフォスレから居場所を探してきて、それがデファクトとして再構成出来ないとき居ないと分かります」

*******************************************


「あの子は正確に伝えすぎるから、逆に混乱させているみたいね」

「分かりやすさ重視で話して、後から訂正するようにするわ」


魔女は単語の意味などを伝わるように噛み砕いていく。

話をまとめるとこうだ。

・魔女の名前は、フィーリ

・魔女は、グレイスの体を操作している

・ルアちゃんというのは、魔女との連絡用アイテムのようなもの

・ラウダとは、この森のこと

・フォスレとは、森の地下にあるマナのこと

・デファクトとして再構成というのは、呼び出して応答するか確認する行為


魔女は森の地下にあるマナと繋がっていて、そこに連絡が来ると分かるのだそうだ。

つまりグレイスが言っていたのは、魔女の家のドアをノックして、居るか確認しているようなものだ。


「ただ他の所に名前が知られると困るから…理由がないときは今まで通り呼んでね」


そういってグリンに、何かを渡す。

フラックが使っていた鑑定アイテムだ。


「実はこれ、ある筋に頼んで格安で作ってもらっているの」

「それをあたしが売りに出して外貨獲得している訳ね」

「今回はこれを使って、【ルア】の情報を見せてあげる」


そういうと、魔女は爪先から小さな双葉のようなものを出す。


「これを鑑定してみて。この双葉だけ意識するのよ」

「はい、…出来ました」


グリンは情報を開示する。


########

種族:マナ

状態:リンク

能力:リンケージ

技能:

 <マナ・リンク> ラウダとフォスレに無条件でリンクできる

 <マナ・サーチ> フォスレに存在する特定対象の場所を知る事ができる

 <デファクト> リンクしたフォスレに対してデファクトを再構成できる

 <デバトラ> デファクトの結果を解析して他者に転送できる

########


「連絡を取りたくなったら、この【ルア】に、頼めば良いんだけど」

「あたしをマナ・サーチしてリンクしたあと、デファクトを使えば、繋がると憶えておいて」

「繋がらないときは、忙しいだけだから」

「「「はあ…」」」


三人は【ルア】の情報を見たが、結局魔女が何者なのかよく分からない。


「あ、そうそう、ニュースがあります」

「森の北側あたりに大量の毒物があったんだけど、ベチュラちゃんが全て吸い取っちゃったから安全よ」


オマケのように重要そうな情報が出てくるのであった。

ゲームでも魔女と森のシステムを掘り起こしていけるのですが、全設定を開示すると頭がおかしくなる人が多数出たので、ほどほどで止めます。

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