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0.はじまり

あとがきの部分に、ゲームではどうなっていたのか書くことにしてみます。

ゲームのソースはバックアップ用ディスクに取っておいたのですが、クラッシュでお亡くなりに。

執筆内容もそうですが、現物がないので脳内データから起こしています。


最近ではもはや斬新でも何でもないですが、負けイベ的なものがあるのに全ての戦闘で勝てる仕様でした。

特殊なシステムが絡んで話がややこしくなりそうなので、執筆内容的にはそういう場面を負けで進行します。

通称【迷いの森】と呼ばれている広大な森がある。


この世界には人間(人間族という)はもちろん、様々な種族の生物が存在しているが、その殆どが森に入ったきり戻ってこない為そう呼ばれている。


人間族基準で言えば、この森はイスカ領と言われる領地に存在する。


他の領地と比べると、気候が安定して温暖なこと、交易ルートに凶暴な生物が存在しないことがウリだ。

ただし、この森の噂が全土に広がっているため領地の住人がなかなか増えず、いずれは人口問題に発展しそうな勢いだ。

他の領地から侵略を受ける場合の防御としても機能しているので、領主はとても頭を悩ませているようだ。


殆どの種族はこの森に近付く事を禁忌として生活し、それで特に問題のない日々を送っているが、少なくとも人間族は別であった。

というのも、森から生存して帰還した者のなかに【迷いの森調査隊】所属の人間族男性が居たのである。

この調査隊は名前の通り、迷いの森の調査を行っている団体だ。


さてこの隊員、自力で帰還したわけではなく「その隊員だけ何者かに帰還させてもらった」のであるが…


彼は森で起こった事を話したが、いつも途中で錯乱して何を言っているか分からなくなり話にならない状態だ。

まともに聴取出来たのは

・他の調査隊員は、移動できる植物型魔物のような生物に全滅させられた

・必死に逃げている時、森の魔女と名乗る女性に遭遇した


錯乱したときに言っていたのは

・遭遇した女性が半分になって何もない所に吸い込まれていった

・土の中に埋まったあと、溺れたら森の外に居た


他にも意味の分からないことを延々と言っていたので、この隊員はおかしくなってしまったのだと判断されたようだ。

だが、調査隊を全滅させられるような生物が存在し、森から出てくるかもしれないという情報は放置できず、領主は対応を日々検討している状況だ。


-------------------------------------------


一方森の方では…


『実に不愉快極まりない…人間族が無礼を働くのは一度や二度ではない、やはり始末するべきだ』

『今まではお前に免じ、森に入った連中以外は放置していたが、我慢ならん』


とても物騒な声が響いているが、声の主は人ではなく、なんと木である。

赤黒い不気味な雰囲気の、二十メートル程の樹高をもつ木。

幹に赤い目のような箇所が数か所あり、それが激しく震えている。

直に喋っているわけではなく、声のような音を発して疑似的に会話しているようだ。


「そんな事をしたら実験材料の確保が出来なくなるからダメ」

「それに、ベチュラちゃんはもっと【マナ】が欲しいって言っていたよね?その調達にも影響が出るのよ」


特に危機的状況と思っていないのか、木の傍に居る女性が反対意見を述べる。

調査隊員に森の魔女と名乗った女性だ。

木の幹に刺さっている刃物を抜き、薬品のようなものを塗り付けている。

会話に出たマナというのは、魔法を使うときに必要な魔力の原料にあたるものだ。


『む、それは確かに困るな。我の段階成長には多量のマナが必要…今のままではこれ以上成長出来ない』

ベチュラと呼ばれた木が返答を考えていると…


「はい、治療完了」

「今回の件はベチュラちゃんも悪い気がするよ。何も言わずに人間族と同じ大きさの果実を次々と投げつけるんだもん」

「食料をあげるつもりだったんだろうけど、絶対攻撃だと思われてるよ」


森の魔女は、ベチュラの幹をぺちぺちと叩く。


『成程、我の方も知らずに無礼を働いていたのか。それならば大人しくしていよう』

瞬間、ベチュラの枝にぶら下がっていた赤、黄、緑の果実のうち、緑色のものがドサリと落ちる。


「うん、あたしは意図が分かるから良いけど、慣れないと好意が伝わらないのが問題だと思うわ…」


ベチュラは会話を打ち切ったらしく返答しない。

森の魔女が、やれやれという様子で果実に手をかざすと、手の中に吸い込まれるように果実が消えていく。


「とりあえず例のパペットの研究は成果が出ているから、今後については期待してくれても良いわ」


森の魔女はひらひらと手を振り、森の奥へ消えていった。

ゲームでは、生還した隊員とは別の隊員5人でベチュラとの戦闘、いわゆる負けイベになります。

5人の能力は全部同じで、アイテムを投げつけるスキルを持っています。

所持品は毒回復アイテム、ターン経過でじわじわ割合回復するアイテム、敵のHP割合減少アイテムだけです。

何もせず通常攻撃した場合、ろくなダメージを与えられないうえ、通常攻撃されると【怒りゲージ】というものが溜まり、計5回繰り返すと土属性の全体魔法(隊員HPの30倍ぐらいのダメージ)を使ってきて瞬殺されます。

何もしなくても3ターン目に上記の状態になるので防御してても死にます。

【解法】

実はベチュラは自身が常に毒状態、さらにポイズン・リバース、ヒール・リバースという回復とダメージの効果を逆転するパッシブスキルがついていて、毒の自害ダメージで自動回復している状態になっています。

つまり…全種類のアイテムを1ターン目に投げつけ、2ターン目に残ったHP割合減少アイテムを投げれば、3ターン目に通常攻撃でぎりぎり倒せます。


魔女は回復魔法が使えますが、魔法で回復しないのはヒール・リバースによってベチュラの息の根を止めてしまうからです。

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