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積極的

ウルの成長が速くてレイナが驚いています。

ウルの気持ちはレイナには届くのでしょうか。

ウルと生活を始めて一か月がたとうとしているとき、私はウルの変化に気づいた。ウルがとっても成長しているのです。であったばかりは私より背が低かったはずなのに、今では私が見降ろされている。

 しかし問題はそれだけではない、ウルからのスキンシップがやたらと多くなったのだ。寝る時も一緒のベッドに入ってきたり私の頭をなでてきたりする。もっとひどいときには、料理を作っている間ずっと私に抱き付いている。


 先月まではまだ小さく弟のように思っていたが、ここまで大きくなるとさすがに意識してしまう。早くどうにかしないとほかの女たちに変な噂をされてしまう。


 「ねぇウル、少し離れてほしいんだけど。」


 ウルはまた私に抱き付いている。


 「やだよ、だってレイナから離れたくないんだもん。」


 もう一つ付け加えて言っておくとウルはとてもわがままになった。


 「なんでそんなにくっついてくるの?」


 「レイナが好きだから。」


 私は不意を突かれてつい顔を赤らめてしまった。いつからだろうウルがこんなことを言い出したのは。


 「ウルの気持ちはわかったけど、それには答えられないの。私は元の世界にかいるつもりだから。」


 「俺は絶対にレイナをもとの世界に帰らせないよ。」


 「ウル私を困らせないで。」


 「だってレイナが悪いんだよ、元の世界に帰りたいなんて言うから。」


 こんな口喧嘩はいつものように続いている。私はいつものようにウルの言う言葉に対して反論している。

 するとどこからか、聞いたことのある声が聞こえてきた。


 「レイナ私よカイラよ。」


 そこには親友のカイラがいた。前に湖に行った後、一回もあっていない。


 「久しぶりカイラ。なんで今まで来なかったのよ、私とっても寂しかったわ。それで今日は何しに来たの?」


 「レイナが最近イケメンの狼男と同居しているって聞いたから見に来たのよ。それにしても噂どうりのイケメンね。これならあのクラインにも引けを取らないわ。」


 「そうかしら?私は普通と思うけど、弟みたいに思っているからそんなこと思ったこともなかったわ。ね、ウル。」


 私がそう言ってウルを見るとなぜか私をにらんでいた。なんで怒っているんだろう。


 「もう一つレイナに言っておくことがあるわ。森の動物たちが噂していたんだけど、もう少ししたらイベントが始まるわ。おそらく今回もクラインに贈り物をしないといけないと思うんだけど。レイナ準備しといた方がいいわよ。送りもの次第でクラインの目に留まるかもしれないわよ。それじゃあ頑張ってね。」


 カイラはそう言っていつもの隙間から帰って行った。


 私は驚きを隠せずとにかく落ち着こうと椅子に腰かけようとすると、横から強い視線を感じた。それはウルからだった。


 「さっきからなに怒っているの?」


 「レイナがさっき俺のこと弟って言った。」


 「それがどうしたの?」


 「俺レイナの弟なんて嫌だ。」


 「じゃあ友達にしましょう。それだったらいいでしょう?」


 私がそういうとウルは納得したようで、もう怒った顔はしなくなった。そのとたん次は不安そうな顔になっていた。


 「ウル今度は何?」


 「レイナ本当にクラインに贈り物をするの?レイナだけあげなくたってばれないよ。」


 「私も本当はあげたくないけどこれは決まりだからしょうがないの。」


 「わかったよ。じゃあ僕にも何か頂戴。」


 ウルはいきなり意味の分からないことを言い出した。おそらくここで断ったら、また口喧嘩が始まるだろうと思い、


 「わかったわ、それでウルは何がほしいの?」


 「レイナ。」


 その言葉を聞いた瞬間私は固まってしまった。なぜウルはこんなにも恥ずかしいことを平気で言えるのだろうか。私は動揺しながらも冷静を装い


 「わかったわ、ペンダントがほしいのね、私のこれをあげるからいいでしょ。」


 そう言って渡したペンダントを見てウルはうれしそうな顔の反面不思議そうな顔をしていた。私にもどうやらウルの攻撃をかわす技術が身についたようだ。


 その日私はずっと何を渡そうかと考えていた。


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