かわる。
お題「2段ベット」「双子」
俺には、双子の弟がいた。
生まれた時から俺の隣には、あいつがいて。
あいつがいない俺は、俺ではないとさえ、思っていた。
俺達が中学生になった時だった。
このままじゃダメだ。そう思った。
きっかけは、父さん達が買ってきた2段ベットだった。
これまでずっと俺達は、同じ服、同じ机、同じ布団で過ごしてきた。それらには違いはなかった。でも、父さんの買ってきたそれは違った。
上と下。
それはとても小さな違いだったけど、俺達を変えることが出来るくらいには、大きな違いだった。
いつまでも一緒にいられるわけではない。いざとなった時、これでは困る。
俺達は、性格を変えることにしたんだ。
元々、勉強があいつより少しだけ得意だった俺は、大人しく、物静かに。
俺より少しだけ運動が得意だったあいつは、明るく、活発に。
父さんや母さんは、驚いたみたいだった。5つ年上の姉貴には、俺達の決意を伝えた。笑われなかった。頑張ってって言ってくれた。
例え性格を変えても、あいつは俺にとって特別で、かけがえのない存在だったんだ。
なのに。
いなくなった。
高校生になって半年くらいだった。
正直、その日のことはほとんど覚えていない。次に目が覚めたのは、あの2段ベットの上の段だった。起きたら、あいつがいなくなってた。父さん達に訊いたら、あり得ないことを言われた。
俺(兄)は事故で死んだ。生き残ったのはあいつ(弟)だけだ。
なんでなんでなんで!おかしい!そんなはずないじゃないか‼︎だって俺は今ここにいて!いないのはあいつの方じゃないか!
俺はしばらく混乱して、部屋に閉じこもっていた。そんな俺の所に姉貴が来た。姉貴は、俺が俺だと分かってくれたらしい。話を聞いて貰って、考えた。そして、一つの結論を出した。
俺は、あいつとして生きる。
あいつを、弟をこの世界から消したくない。
そんなことするぐらいなら、俺があいつとして生きてやる。
2段ベットの上で目を覚ます。下にいたあいつはもういない。ただ、どうしようもなく寂しくなった時には、あいつが寝ていた下の段に潜り込むんだ。
意識が呑まれてく…。
僕には、双子の兄がいた。
生まれた時から僕の隣には、あいつがいて。
あいつがいない僕は、僕ではないとさえ、思っていた。
僕達が中学生になった時だった。
このままじゃダメだ。そう思った。
きっかけは、母さん達が買ってきた2段ベットだった。
これまでずっと僕達は、同じ服、同じ机、同じ布団で過ごしてきた。それらには違いはなかった。でも、父さんの買ってきたそれは違った。
下と上。
それはとても小さな違いだったけど、僕達を変えることが出来るくらいには、大きな違いだった。
いつまでも一緒にいられるわけではない。いざとなった時、これでは困る。
僕達は、性格を変えることにしたんだ。
元々、勉強が僕より少しだけ得意だったあいつは、大人しく、物静かに。
あいつより少しだけ運動が得意だった僕は、明るく、活発に。
母さんや父さんは、驚いたみたいだった。5つ年上の姉さんには、僕達の決意を伝えた。笑われなかった。頑張ってって言ってくれた。
例え性格を変えても、あいつは僕にとって特別で、かけがえのない存在だったんだ。
なのに。
いなくなった。
高校生になって半年くらいだった。
正直、その日のことはよく覚えていない。覚えているのは、
突っ込んでくるトラックと、
前に立っていたあいつ。
次に目が覚めたのは、病院のベッドの上。
隣にいるはずのあいつがいない。
母さん達に訊いたら、あり得ないことを言われた。
あいつ(兄)は事故で死んだ。生き残ったのは、僕(弟)だけだ。
なんでなんでなんで!そんなはずない!あいつが隣にいないなんて‼︎それに、それに、僕は…!
僕はしばらく混乱していた。そんな僕の所に姉さんがきた。姉さんは僕の話を聞いてくれた。そして一つの結論を出した。
僕は、あいつの分まで生きる。
あいつがいないなんて考えられない。でも、それでも、生きて行かなきゃならないんだったら、あいつの分まで生きてやる。
2段ベットの下で目を覚ます。上にいたあいつはもういない。ただ、どうしようもなく寂しくなった時には、あいつが寝ていた上の段に潜り込むんだ。
意識が呑まれてく…。
私には、双子の弟達がいる。
生まれた時から二人はずっと一緒だった。
二人が中学生になった時、両親が2段ベットを買ってきた。
その時、二人から性格を変えようと思う、と言われた。私はただ、頑張って。とだけ言った。
実際、普段の様子を見れば、周囲の人には見分けがつくようになってたみたいだ。
でも、二人が高校生になって半年くらいの時。
二人は事故にあった。
横断歩道を渡っている最中に、信号無視した大型トラックが、ぶつかったそうだ。
知らせを聞いて、病院に飛んで行った。
そこで聞いたのは、最悪の知らせ。
双子の片割れが死んだ。
私は泣いた。
2日後、もう一人の弟が目を覚ました。双子の片割れが死んだと聞いて、酷くショックを受けたらしい。
目を覚ました弟の話と、持ち物などから、死んだのは双子の兄の方だ、と分かったと聞かされた。
目を覚ました弟に会いに行く。
弟は泣いていた。そっと首筋を撫でる。そして私は、見覚えのあるほくろを見つけて手を止めた。
おかしい。見間違えか?
そう思ったけど、そんなことはないと視覚が伝えてくる。
動揺しながら、弟の話を聞く。
そして、私の中である考えが浮かんできた。でも、それは突拍子もないことで。きっと何かの間違いだろうと、無理矢理自分を説得した。
でも、その考えは肯定される。
退院してから一週間後。朝、目を覚ました弟は様子がおかしかった。きょろきょろと辺りを見渡しながら部屋に入ってくると、両親に聞いたのだ。俺の双子の弟はどこだ、と。当然のように両親は慌てた。そして伝える、
双子の兄は死んだ。生き残ったのは弟だけだ。
弟は酷く驚いた顔をして、彼の部屋に閉じこもってしまった。
両親が、頭が混乱しているのかと騒いでいる部屋をでて、弟のもとに行く。私の予想がただしければ、あれは本当に双子の兄の方だ。
以外とすんなり部屋に入れてくれた弟。
私は、弟にお前は上の弟だろうと言った。
やはり、弟は頷く。
弟が落ち着いてから、私の考えを話した。
突拍子もないことだが、よく聞いてくれ。
お前達はあの日事故にあった。
そして、恐らくトラックにぶつかった衝撃で、二人の意識が入れ替わったんだろう。いや、信じられない話をしているとは、思っている。でも、そう考えるのが一番分かりやすいんだ。もう一つ、そう思った根拠がある。あの事故の後、下の弟の意識の方と話をしたんだ。あいつは、自分がお前を庇ったのになんで自分が生きて、お前がいないのかわからない、って言ったんだ。多分、衝撃であいつの意識がお前の体に入ったからだろう。そしてなんらかのきっかけで、またお前の意識が出てきたんだ。
そこまで言うと、弟はじっと考え込んでしまった。やはり、信じられない話だからだろうか。
やがて弟が、口を開く。
「…じゃぁ、この体は俺のだということか?」
「あぁ、両親は持ち物と最初に意識を覚ました方との会話で判断したから、下の弟だと思ったんだろうが、持ち物なんて交代して持っていてもおかしくないし、不思議じゃないだろう。私が気付いたのは、首筋のほくろだったが。」
「…なんで姉貴そんなとこ知ってんの…?」
「お前らのことならなんでも知ってる。」
「……。」
多分、下の弟の方が鍛えていたから、庇えたんだろう。二人の性格を変えたのがこんな結果になるとは…。
「…父さん達は俺をあいつだと思っているんだよな。」
「あぁ。」
「なら、決めた。」
腰かけていた2段ベットから立ち上がって宣言する。
「俺は、あいつとして生きていく!」
「そっか。」
私はそれだけ言った。
それからも度々二人は入れ替わっていた。
両親や周りの人には、一人の人格として見られているようだけど、私達3人には、一人一人いると分かっていた。
入れ替わりのきっかけは、あの2段ベットのようだ。上で寝ると上の子に、下で寝ると下の子に。
これだけは私しか知らない。
終わり
Mission 「2段ベット」Cleared
「双子」Cleared
Mission Complete!