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異世界行っても、俺は俺。  作者: 湯豆腐
2/3

一章 俺に何をしろと。2


妹は中学3年生で、頭もよくスポーツも出来る。

俺とは血が繋がってないんじゃないか?

俺なんか頭は中の下。スポーツはバスケをやっていたのでそれなりに。


鼻血が止まったのを確認して立ち上がる。

「おっ、もう8時か。」

床に置いてあるバックを手に取り、玄関に行って靴を履く。

そんないつも通りの作業を済ませ玄関のドアを開ける。

飛び込む太陽の暖かい日射し。

「まぶっ。」

つい目を瞑ってしまった。

5月、まだ暑くは無いこの季節。

太陽の日射しは暖かいが、少し肌寒い朝だ。


自分の家を後に、いつもの通学路を歩き出す。

「ふふーんふーふん♪」

やっぱり鼻唄を歌ってしまう。

キモい奴がキモい歌を歌っても、キモさ倍増である。


いつもの横断歩道を渡り、いつもの店の前を通る。

ここまではいつも通りだった。

違和感にはすぐに気付いた。


いや、なんというか、うん。


「ここ、どこだよ。」

少なくとも俺の知っている場所では無い。

一瞬、道を間違えたかなとも考えたがそれは無い。

なぜなら俺の目の前に広がる景色には、メルヘンなお城が建っていたからだ。


(あはは、嫌だな。楽しみすぎて幻覚を見ているんだな)


どうせまた鼻唄を歌いながら歩けば、幻覚も解けるだろう。

確証は無い。

あるわけが無い。


「ふふーんふーふん♪」

目を瞑って歩く。

歩く。

歩く。

歩く。

歩――――――――――


―――ドン。

何かにぶつかった。


(きっと戻れたんだな。あはは)

ゆっくり目を開けるとそこには·····


「なんだ小僧。」




(ぎゃあああああああああああああああっっ!)


竜の頭。

竜の体。

おまけに翼と尻尾までついている。


俺が知る限りでは、この生物は「ドラゴン」というのでは無いだろうか。

「どうしたんでぃ?親分。」

ドラゴンの後ろから、ひょっこり何かが正体を表した。



(ぎゃあああああああああああああああっっ!)


人の頭。

蛇の体。

おまけに小さな羽とトカゲの様な足がついている。


え、めっちゃキモいんだけどコイツ。

俺よりキモい。ウケる。


「何だお前えええええっ!」

ひょっこり姿を表したキモい奴が、俺を睨みつける。


ヤバい。

なんかコイツ見てると具合が悪く――――――


――――バタッ。

変な違和感に教われた俺はその場に倒れる。

俺の体から意識が抜け出るような感じだ。

幽体離脱的なやつである。


「親分、コイツどうしますかい?」

慌て始めるキモい奴にドラゴンは静かに、まるでゴミを見るような目付きで言った。

「―――連れていけ。」


聞き捨てならない言葉を最後に、俺の意識が途切れた。




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