残念なイケメン現れる!
「奏汰君デートして~」
複数の女生徒が僕に言った、僕は奏汰として答える。
「君達が僕のものになったらね」
爽やかに僕は奏汰として言う。
「なりた~い」
本当にこの人達の目は節穴なんじゃないかと思う、奏汰のものになりたいだなんて命を捨てる様なものだ、僕は知らないって事は幸せな事なんだなと思いながら教室に向かった、もちろん彼女達に奏汰スマイル&投げキッスをしてからだけど。
「泡沫、約束が違うぞ」
教室に入ると中にいた男子生徒が怒りと驚きがごちゃ混ぜになった表情で言った。
「…約束、何の事かな?」
僕は奏汰と以下略…
もう、面倒なので僕でいいや。
「約束を忘れたのか?」
僕に怒りを向けているのは、残念なイケメンと影で呼ばれている男、音無秀
昔のスポ根漫画ばりの熱血漢、友情、努力、勝利といった某少年雑誌の三大要素が詰まった男、要は凄く暑苦しい男だ。
女子には黙ってればカッコいいのに残念、とかお願いだから喋らないで動かないでとか言われているが、男子からは根強い人気がある。
「本当に忘れたのか!?」
信じられないとか嘘だろ?といった表情で言った。
……いちいちリアクションが大きいんだよなこの残念な男は。
僕が無言のままでいると、音無は怒りの形相で言った。
「お前今日から一週間女装する約束だぞ」