乙女心は変わりなく【後編】
女は怖い。いずれ血をみるだろう。
放課後、俺の家で英語の宿題をやることになった。
ただ、そこに姫ちゃんは居ない。さすがは学年トップ「塾があるの」と断わられた。
二階建の建物が並ぶ住宅街。サラリーマン家庭に良くあるパターンだ。父親は海外の単身赴任中、母親は飲食店の経営を任されていて、滅多に家に帰らない。
この家は姉達の支配下となっていた。と、いうか・・・・魔女屋敷。
「なんだ、わりとフツウじゃんか。賑やかつぅから、大家族かと思っちまったよ」
啓くんは俺の部屋でうなだれる。
俺のキョウダイは姉二人だぜって教えてやると「紹介してくれ」と言われた。
「お前、いつも姉と抱きあってんの?」
啓くんは恨めしそうに問う。キミの妄想はどこまで発展してんの?俺、みてみたい。
「昨日は寝込み襲われて・・・・・あれや、これや」
冗談まじりで解説するゆりりん。明らかに楽しんでいる微笑。
「いくら女に飢えてるからって、姉貴を襲うなよ」
ナイス、ボケッ!!これぞ、天然記念物!?
「飢えてねぇし、襲ってねぇよ!!」
勘違いも度を越すと突っ込まざる負えない。
ゆりりんの冗談をまともに間に受けんの、お前くらいのもんだぜ。
「ふんっ」
雑誌に目を落としていたゆりりんが鼻で笑う。
何、その勝ち誇ったような微笑は。俺らそんなに愚かですか?
オーラが違う。「キミ等、いい加減にしないとぶっ飛ばすぞゴルァ・・・」の視線。
俺はもう少し、洞察力を養おう。
でないと、ゆりりんや姉さまの様な種族に殺されかねない。姉ちゃんみたいなバカより、頭のキレる天才は怖い。
タイトル関係ないじゃん。
高校生男児が興味ある事を題材にしました。ちょっと、話ズレて全然戻らなくて苦戦・・・・。知識の無さを改めて後悔した瞬間。