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正しい位置 ― 白線の内側 ―  作者: あめとおと


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第五話 更新通知

最初に届いたのは、見慣れない通知だった。


“あなたの立ち位置が更新されました”


どのアプリからなのか分からない。

アイコンもない。


間違いかと思って閉じた。


その日、エレベーターで違和感があった。


いつも隣に立つ同僚が、

一歩だけ距離を取った。


偶然だと思う。


翌朝、また通知が来る。


“最新の位置情報に基づき、最適化されました”


気味が悪い。


削除しようと設定を開くが、

該当するアプリは見つからない。


出社すると、席が変わっていた。


私の名前が、少しだけ端の方へ移動している。


「配置替え?」


総務に聞くと、首をかしげられる。


「最初からそこですよ」


そんなはずはない。


窓際だった。


私は、窓際だった。


その夜、三度目の通知。


“周囲との整合性を保つため、再配置しました”


胸の奥が冷える。


翌日、挨拶をしても

返事が一拍遅れる。


ランチの誘いが来なくなる。


雑談の輪が、自然と閉じる。


大きな変化はない。


でも、半歩だけ外側。


週末、鏡を見る。


自分の立ち姿が、少しだけ斜めだ。


肩が、わずかにずれている。


スマホが震える。


“最終更新を行います”


画面が一瞬暗くなる。


次に目を開けたとき、

部屋の家具の配置が変わっている。


いや、変わっていないのかもしれない。


私が、部屋の中央に立っていない。


壁際だ。


ドアのすぐそば。


外に出やすい位置。


最後の通知が表示される。


“あなたは正しい位置に移動しました”


外側に。



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