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そういう事ですか……。

 余裕を持って出立した私とユリアだったが、国交祭が開かれる事で以前来た時よりどこもかしこも人が多く、宿も取りにくく何度か野営したりしつつ、なんとか国交祭の2日前に首都入りを果たした。


 「数年に一度というだけあって、人が凄いですね……」


 大賑わいの大通りを移動しながら、ユリアが圧倒されている。


 「小さい頃にお父様から連れられてきたことがあるくらいだけど、記憶に残っているよりも人が増えている気がするわ」


 これだけ人が多いと宿もなかなか取れず、首都付近に野営する商人やら旅人やらのテントがあちこちに見受けられ、盛り上がりを感じさせた。


 「とりあえず荷物を置きに行きましょう。私は国王陛下に謁見して色々打ち合わせもあるだろうし悪いんだけどユリア、私の分の荷ほどきも頼める?」

 「かしこまりました」


 城に登城して使用人に客室に通された後、私は陛下の元へと向かう。


 「陛下、アイナ・リーフェルト様が参られました」

 「うむ、通せ」


 衛兵が重々しい扉を両側から開かれ、中に入っていく。

 この間とは違う一室の中央に装飾が各所に散りばめられたテーブルとイスが置かれ、その最奥にユリウス陛下は椅子に腰かけていた。

 

 「アイナ・リーフェルト、ただいま参上いたしました」

 「うむ、突然の招待驚いたであろう?民たちの間でアイナ嬢の事が話題になっておってなぁ、<救済の伯爵令嬢>と言ったか?」

 「お恥ずかしい限りです」

 「何を恥ずることがあるか、民に夢と希望を与える存在になっておるというのに」


 いたたまれない気持ちになっている私を不思議そうに見つめるユリウス陛下。

 いや、だって恥ずかしいでしょ……!?


 「我もそういうあだ名、欲しいのぉ」

 「あの、陛下。それで剣闘士大会と、奴隷市場の件について色々と詳しく知りたいのですが……」

 「おお!そうであったな!いかんいかん、では改めて剣闘士大会についてだがアイナ嬢は特別枠での参加なので、最終試合でステージに上がってもらう。勝負は木剣で行い、選手同士の同意があれば実剣で行う。もちろん多少は耳に入っているかと思うが、傍で治癒術師と医者が待機しているので、余程の致命傷でない限りは死傷者は出ないはずだ」


 木剣となると、イグナリスの補助なしの私自身の自力が試されるわけね。望むところよ!


 「ちなみにお主以外の選手は明日到着するので、その時に顔合わせをしてもらう。他国の要人や選手たちは既に各部屋で休んでもらって居る。階層が違うのでおそらく会う事はないかもしれんが、その時は失礼のないように頼む」

 「はい、それはもちろん」

 「奴隷市場に関しては別の者に説明させる。入れ」


 陛下が声をかけると、フィオート領での奴隷市場で共闘した近衛兵のリーダーが部屋に入ってきた。


 「失礼します。お久しぶりです、アイナ・リーフェルト伯爵」

 「お久しぶりです」

 「さて、早速ですが今回集めた情報では、奴隷市場が開かれるのは国交祭二日目、剣闘士大会の前日になります。出場されるアイナ様の負担になるのではと思い、陛下には大会に専念してもらった方がいいのではと進言したのですが……」


 困った顔でリーダーさんが陛下の顔をちらりと見る。


 「<救済の伯爵令嬢>を隠れ蓑にすれば、我も動きやすくなるだろう?」


 ニヤリといたずらっ子そのものの顔で、不敵に笑うユリウス様には参った者だ。


 「私に注目を集め、その陰で陛下が参加していたことを隠しやすくするため……と」

 「……そうです。誠に申し訳ありません」


 これ以上ないくらいに綺麗な謝罪の礼をするリーダーさんに対して、愉快そうに快活に笑うユリウス陛下の声が部屋中に響いた。


 「大丈夫なのかしらこの国」

 「俺もそう思います」


 諦めがついた私は続きを促し、奴隷市場の現場を抑える作戦の打ち合わせを詰めていった。

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