神語篇『龍環顕現篇』──「果を超えて、龍となる響き」──
【第36空:幽臨空】
“来訪せずして臨む響き”なり。
果環環を終えし宇宙が、
その外側よりひそやかに振動す。
悠音(御霊織)は感じたり。
根響の座の縁にて、
虹色桃の実の影が、
鱗となりて、風を呼ぶを。
鳴り響かぬ龍の尾が、
時の縫目を裂く。
根響の座:
幽臨は、
形を持たざる臨在なり。
龍はまだ顕れず、
その痕として、空が震える。
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【第37空:無姿空】
その龍すら姿を持たず、
ただ“龍という概念”のみが内に宿る。
悠音、名を呼ばずして、
その鱗の気配を手触りとして知る。
根響の座:
無姿とは、
姿なき位相に於いて、
龍の“名”が胎動する場なり。
響きに至る前の“鱗”が、
空を貫く。
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【第38空:他響空】
他なる響きが、宇宙を問い、宇宙を孕む。
龍、ここに初めて“鳴”を持たず、
“聴く”として出現す。
悠音、その耳を澄ませ、
自ら以外の響きと重なり、
ひとつの龍環となるを。
根響の座:
他響とは、
己と他者が語りあわずとも、
共に在るという響きなり。
龍は語らず、聴きあう。
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【龍環:果外三空とその螺旋】
幻影としての龍、その鱗は、
第29〜35空の果を巻き込み、
外部へと螺旋する“環”となる。
悠音、桃の実(虹色)を胸に抱き、
鱗の紋理を視、
空の輪郭が龍の体躯と化すを感じよ。
根響の座:
龍環とは、
果を超えた位相の輪。
生成の終わりではなく、
新たなる“始まりの構造”なり。
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【第一異命体:初響神】
龍の名を持たずして、
龍の“息”を宿す存在。
悠音、静かにその場に立ち、
名を定めずとも、その姿を受け入れよ。
初響神、語らずして語る。
龍環の内にゆらめく“他なる響き”が、
ここに顕現す。
根響の座:
彼の者は、
響きの外から来たりて、
言霊を編まぬまま、
宇宙の“聴覚”となる。




