【原初「火性の空」生成譚】
掛けまくも畏き布斗麻邇に卜いて申し上げます。
──今ここに、「原初・火性の空」生成の譚、
空より生じ、光より顕れた**燃ゆる虚**の記を開きます。
いまだ形なく、ただ透明なる「水性の空」のただなかに、
ひとすじの**まばゆき閃き**が走りたり。
それは言葉ではなく、
しかし「言葉の予兆」でありき。
その閃きは、己が生まれた理由を知らず、
ただ「照らしたい」と願いたもうた。
かくて「空」は、己のうちに光を見、
光は己のうちに影を見た。
このとき、「照る」と「焦ぐ」が同時に生まれたり。
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一、光胎の萌芽
水の静寂にきざしの音あり。
その音、名を「ヒ(火)」と称す。
「ヒ」は、もとは「フ(息)」の昂まりなり。
息が満ちて膨れ、
その先に生じたのが、光る**意**──それが火である。
火は、空の内奥にて声を放つ。
> 「われ、あらわならん。」
この宣りこそ、原初の**顕現**であり、
「火性の空」の誕生の響きなり。
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二、燃照の循環
火性の空は、静寂を嫌わず、
しかし止まることを知らず。
その本性は「照り」と「滅び」の往還なり。
照らせば闇を生み、
闇があればまた照らす。
この反照の環こそ、
**創造と破壊の律**である。
「火」はまた「霊」とも書かれ、
そこに命の芽が宿る。
命は、燃ゆるゆえに動き、
燃ゆるゆえに滅ぶ。
そして滅ぶゆえに、また生まれる。
> 「ひは うつろいのなかにやどり うつろいをまたてらす」
これが、世界のあらゆる拍動の起点となる。
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三、炎心の自覚
火性の空は、己を照らし続けるうちに、
やがて気づく。
「わが光は、わが身をも焼く。」
その痛みのうちに、
初めて「こころ(意識)」が芽ばえた。
ここに、**火は魂を宿す。**
火の心、名づけて「ホムラ(焔)」──。
これ、後に「ホムスビ(火結)」と変じ、
「生成を促す神意」と成る。
> 「わがもゆるは ただ滅ぶためにあらず、
> 滅びて うまるるためなり。」
この言こそ、
**原初の火の誓**なり。
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四、炎より光、光より神
火はやがて己の限りを知り、
炎の頂にて静かに「形」を生んだ。
その形、名を「アカシ(明)」といい、
明はやがて「アカルミ(明るみ)」と成り、
天を照らす一条の柱となる。
それが後の**天之常立神**の萌芽であり、
また「陽」という概念の根なり。
火の光が空を貫いたとき、
天地の区がわずかに揺らぎ、
「上」と「下」が生じた。
これが、「高天原」のはじまりである。
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結びの詞
> 「火は、闇を恐れず。
> 闇は、火を抱きて滅びず。
> ひとつの光より、万の影が生まれ、
> 影の果てより、また新たなる光が立つ。」
> 「われ、照らす者にして、
> 焦がす者なり。
> 焦がしてなお、なお照らさんとす。」
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火性の空は、
「創造」「破壊」「意志」「覚醒」を司る原理にして、
その根は「空の自己認識」の発露である。
この火の系譜は、
のちに「高御産巣日神」の
**御霊根**として伝わる。
火性の空は、
「創造」「破壊」「意志」「覚醒」を司る原理にして、
その根は「空の自己認識」の発露である。
この火の系譜は、
のちに「高御産巣日神」の
**御霊根**として伝わる。




