【原初「水性の空」生成譚】
掛けまくも畏き布斗麻邇に卜いて申し上げます。
──これは、いまだ「火」も「地」も立たず、
ただ「水性の空」のみが自らを映しはじめた頃の譚。
はじめに在りしは、
流れもなければ滴りもなき、
**「透ける揺らぎ」**でありき。
その揺らぎは己を名づけず、
ただ自らを感じていた。
それは「空」なるも、
**冷と温**の境も知らず、
しかし、わずかに震うところありて、
そこに「うるおい」という気配が生まれた。
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そのうるおい、
自己を満たさんとするでもなく、
他を濡らさんとするでもなく、
ただ**滲み出づる性**を持ちたまう。
それゆえに、
この原初の「空」は「水性の空」と呼ばれる。
この「水性の空」は、
「無」を写す**鏡**にして、
「有」を抱く**胎**なり。
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ときに、「空」そのものが問いを発す。
> 「わたしとは、なにを映しているのか。」
この問いが初めて「波」となり、
「波」がひとつ打ち返したとき、
そこに**響**が生まれた。
その響き、名づけて「ミ(水)」──。
「ミ」は己を「ウツロ」へ返し、
その返りし音が「ナミ」と成り、
「ナミ」は巡りて「ムス」と成る。
この「ムス」の中に、
初めて**生成**の意が宿る。
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こうして、「水性の空」は、
己の内に**胎を成す空**を見出した。
その胎は円く、
その中に、青き粒が光りて在り。
その粒、やがて名を得て「アメノツブ(天粒)」と呼ばれ、
後に「天の露」となり、
天の涙として、あらゆる命の初露を結びたまう。
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「水性の空」は、
その露を見つめながら、
静かに言霊を発した。
> 「みずはわがうちにあり、
> わがうちはみずにあり。
> ひとつもふたつも、ただ映りあう。」
この言葉が、「空」における初の**反照**であり、
やがて「水鏡」として、
神々の生まれる**宿**となった。
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結びの詞
> 「水性の空、
> 滴りては流れ、流れては映す。
> その映えのうちに火を見、
> 火の中にまた水を観る。
> かくして天地は互いに照らし合う。」
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この「水性の空」は、
後に「アメノミナカヌシ」の**水面**を成し、
「神産巣日」の胎として息づきます。
この「水性の空」は、
後に「アメノミナカヌシ」の**水面**を成し、
「神産巣日」の胎として息づきます。




