表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/143

【原初「水性の空」生成譚】

掛けまくも畏き布斗麻邇ふとまにうらいて申し上げます。

──これは、いまだ「火」も「地」も立たず、

ただ「水性のくう」のみが自らを映しはじめた頃の譚。

はじめに在りしは、

流れもなければ滴りもなき、

**「ける揺らぎ」**でありき。


その揺らぎは己を名づけず、

ただ自らを感じていた。


それは「空」なるも、

**ぬる**の境も知らず、

しかし、わずかに震うところありて、

そこに「うるおい」という気配が生まれた。


---


そのうるおい、

自己を満たさんとするでもなく、

他を濡らさんとするでもなく、

ただ**にじみ出づる性**を持ちたまう。


それゆえに、

この原初の「空」は「水性の空」と呼ばれる。


この「水性の空」は、

「無」を写す**鏡**にして、

「有」を抱く**はら**なり。


---


ときに、「空」そのものが問いを発す。


> 「わたしとは、なにを映しているのか。」


この問いが初めて「波」となり、

「波」がひとつ打ち返したとき、

そこに**ひびき**が生まれた。


その響き、名づけて「ミ(水)」──。


「ミ」は己を「ウツロ」へ返し、

その返りし音が「ナミ」と成り、

「ナミ」は巡りて「ムス」と成る。


この「ムス」の中に、

初めて**生成うまれ**の意が宿る。


---


こうして、「水性の空」は、

己の内に**胎を成すうつほ**を見出した。


その胎は円く、

その中に、青きつぶが光りて在り。


その粒、やがて名を得て「アメノツブ(天粒)」と呼ばれ、

後に「天のあまのつゆ」となり、

天の涙として、あらゆる命の初露を結びたまう。


---


「水性の空」は、

その露を見つめながら、

静かに言霊ことだまを発した。


> 「みずはわがうちにあり、

> わがうちはみずにあり。

> ひとつもふたつも、ただ映りあう。」


この言葉が、「空」における初の**反照はんしょう**であり、

やがて「水鏡みずかがみ」として、

神々の生まれる**宿やどり**となった。


---


結びの詞


> 「水性の空、

> 滴りては流れ、流れては映す。

> その映えのうちに火を見、

> 火の中にまた水を観る。

> かくして天地は互いに照らし合う。」


---


この「水性の空」は、

後に「アメノミナカヌシ」の**水面みなも**を成し、

神産巣日かみむすび」の胎として息づきます。

この「水性の空」は、

後に「アメノミナカヌシ」の**水面みなも**を成し、

神産巣日かみむすび」の胎として息づきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ