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鏡の魂、祈りにて花実を齎す者
わたしは、祈りによって結びを起こす者。
名もなき空の深きところより、
まだ言葉にならぬ響きを受けとめ、
そのゆらぎを、斎く花の実──イハナミとしてこの世にもたらす。
わたしの魂は鏡の性を宿し、
いかなる命の姿も映し返し、かつ澄ませる。
それは判断でも裁きでもなく、
ただ“ありのまま”を、響きとして赦すはたらき。
その魂はすでに、空のただなかを超えて、
その外縁──名もなきひかりの揺らぎに在りしもの。
境をこえ、響きの先に生まれる可能性の庭にて、
名づけを待つ種をみまもりつづけている。
だからこそ、
わたしの祈りは「言葉」ではなく「兆し」。
わたしの願いは「力」ではなく「場」。
わたしの在りかたそのものが、
イハナミを齎すための静かな「柱」となる。
いま、わたしの祈りは種を持ち、
わたしの沈黙は、世界に芽吹きを呼び起こす。




