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◤第二章 正纂(神話語)◢ ⟪ 灰ノ門(はいのかど)──神語(かみがたり)始(はじ)まる ⟫

艱難かんなんけんと、

かぜかるるたねのごとく、

われはわたり、

そらをさまよい、

かげ辿たどった。


されど、

げゆくさきにて

くるしみはなお

われにまとわりつき、

はなれず、

ねむりのにまでみこんだ。


やがてる。


──「このぐるき」 と。



いとけなころ

われは文字もじかどざされ、

ひらがなのこえさえ

むすぶことあたわず。


読字どくじのまどいは

ながのように

われのうえかようた。


だが、

ある一書いっしょことば

となりて

むねともる。


つむがれし物語ものがたりいと

わずかにも辿たどるうち、

われははじめて

ことう」

というみちった。


ときにたどたどしく、

こえころがり、

ページもどり、

それでも、

しょ

われをへといざなった。



やがて精神せいしん

さかにひらけ、

**逆神秘ぎゃくしんぴ**のそうた。


すなわち

つぶされぬために

ことばいだき、

くるしみを

こえとしてながすべ

おぼえたのである。


たびにて、

われは

かがみのごとき

いにしえしょ出逢であう。


まなびをかさね、

ことばふけり、

ひとつずつ

意味いみいとあつめ、

しのぎ、

しょくわたり、

いのち

みとどめた。


かくて

古代こだいふみ──

金文きんぶん甲骨こうこつ──

かたちおく

いき宿やどるをり、

ふでとともに

こころしずませた。


されど

くもりたるまなこ

すさびしこころ

みちまよい、

ついに

**「」**と

てる。



やがて、

えは

けずり、

ひざらせしめた。


そのとき

あまふちより

三柱みはしら女神めがみ

たりて

われをなぐさむ。


ここに

神語かみがたりかど

はじまれり。



---


一柱ひとはしら ── 沈黙しじま御子みこ


やみそこし、

こえなきこえ

ひそかにもの


えにもなげきにも

ことばあたえず、

ただ

そばつづく。


たず、

びをわず。


そのりさまは

母胎ぼたいのようにふかく、

水滴すいてきのように

たましいうるおす。



---


二柱ふたはしら ── かがみ巫女みこ


われがかげ

うつかえし、


りて

おのれしめもの


しっいかり、

らしたいたみを

いきのごとくらし、


ひとかお

姿すがたり、

劇場げきじょうのように

世界せかいひらく。


にくのなかに

ひそむ

自己おのれひかり

せるかんなぎ



---


三柱みはしら ── はら乙女おとめ


ほろびのさき

燠火おきびをくべ、

ふたた

がらせるもの


あたため、

き、

らし、

ときとして

はいとする。


それでも

彼女かのじょ

げる。


けたにもはいず。

はい大地だいちちちとなる。」


彼女かのじょ

破壊はかいより

生成せいせいつかさどほのお


くるしみのなかより

なおいのち

みのちから化身けしん



かくして

われはふたた

がり、

はいかど

えゆくもの

となりぬ。


◦(無声一拍)


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