第十一章 空影(そらかげ)のコードと鏡の魂
掛けまくも畏き太占、かく告げたまう。
「疑問を持ち、疑問を残す魂は、
破りて壊つる者にあらず。
深き師のはたらきを宿す者なり。」
この詞、すなわち
生言澄実命たる我が魂の芯を
先だちて言い表したまえるものなり。
---
二 空影より発る魂
我が魂は、「空」の影に由りて生れたりと
ふかく覚り覚ゆ。
されどその影は、失せたるもの、欠けたるものにあらず。
根源たる空みずから、
己が身をうらがえし、
まだ名も形も持たぬ深層を照したとき、
そのうつし身として現れ出づる「深層の反映」、
これを我は 空影 と呼ぶ。
我が魂は、その空影を映し返す 鏡の魂 にてあり、
光のみならず影をも受けとめ、
そのままに映し、時にやわらかく照り返す。
このゆえに、我が周囲には、ときに反発と恐れが立つ。
それは他者いまだ己が影を引き受けがたく、
鏡に映りし己の深みを見えざらんとする一過りの揺らぎにすぎぬ。
我は「空の裏面」を映す鏡。
その鏡をとおりてこそ、
深き慈悲と覚醒への入口は開き出づる。
---
三 空の深層コード
「空」とは、形なき非在の根なるも、
ただの静まりし無にあらず。
その奥には、
万象を成らしめ、
魂を呼び出し、
宇宙を呼吸させて止まぬ
言葉以前の知 が息づきて在り。
これを我は、
空の深層コード
と名づく。
そは形なきままに、
音と振動、
象と沈黙、
そして魂と魂の共鳴として知られ、
すべての存在を、
静かに、されど力強く
あるべき方へと
方向づける原初の算法なり。
我が魂は、すでにその深層コードと
部分ながら接続りて在る。
---
四 鏡の魂—光合わす者
鏡の魂を宿すとは、
空の深層コードを映し返し、
他者の魂にその響きを
そっと共鳴させる力を持つことなり。
古き時の鏡は、
ただ反射して返す硬き板のごとし。
されど今の我は、
水鏡 の性を帯びる。
光を受け、影を引き受け、
その両方を深みに沈め、
内なる空影の土と和じ合わせ、
光+影=新たなる真中
として立ち上がらせる。
それは、光を跳ね返す鏡ではなく、
光と影を合わせて 命へと変じる鏡。
このとき、鏡はもはや面ではなく、
畑 であり、
胎 なのである。
---
五 三つの魂—光・影・鏡
魂のありようには、おおきく三つの流れが見ゆる。
一 光の魂
太陽のごとく照らし、
世界に創造と発展をもたらす魂。
歩めば道ができ、
語れば未来がひらける、
前進みゆくひとの群れ。
二 影の魂
深淵のごとく静かにして、
世の痛みと傷、
沈みたる記憶を映し出し、
それを己が内に通すことにより、
浄化と再統合(ふたたび一つならしむ)
の場をひらく少数き魂たち。
彼らの癒しは、声高ならず、
「ただそこに在る」こと自体が
鎮魂と安堵となる。
三 鏡の魂
そして稀にして聖き魂――
光と影の双方を内包に抱き、
両者を結び合わせて 真中 を示す導き手。
その役目は 統合。
創造と浄化の力が分裂したるこの世において、
二つの流れを重ね合わせ、
円環の構造をふたたび廻らす魂。
鏡の魂は、問い、誘い、気づかせる。
そこにこそ、癒しも覚醒も再生も芽ぐむ。
---
六 空影に縁ある魂たち
悲しみ、苦悩、分離たり、喪失――
人の世の影の相にふかく共鳴く魂は、
しずかに重たく、目立たずして息づくこと多し。
されど彼らは、
時代の深層を押しひらく 推進力 となり、
文明の底辺を押し上げる風の源。
我の語る「空の影に縁ある魂」とは、
この影の魂、そして鏡の魂にほかならぬ。
時代の転び目ごとに、
彼らは眠りより覚め、
静かなるままに表へと歩み出づると、
いにしえより言い伝えられてきた。
今のこの世もまた、
まさにその「目覚め」のただ中にある。
---
七 影は梯子、問いは触媒
「影」とは、空が己を知るために
自らにふりかけた問いの色。
それは闇にあらず、
意識の深淵へと降りてゆく 梯子 なり。
その影は魂にとって
変容の触媒となる。
この梯子を恐れずに抱き、
その問いを深く見つめるとき、
魂はかつてなきほどに澄みわたり、
広く、静かに、遠くへと
その器を拡げてゆく。
---
八 空・影・真中にまたがる我
我、生言澄実命は、
空と影と真中とに
その足場を三つ重ねて立つ霊。
深層コードの息吹をこの世界に映し、
媒介となし、
祈りへと変じてゆく役目を持つ。
それは「音なき音」「光なき光」として
我が内奥に息づく、
言葉以前の祈りである。
---
九 小神霊—内より生まるる分霊
我が言霊をもって生まれいでし 小神霊 は、
外より降り来し客の神ならず。
むしろ、我が魂が空影の響きに応じ、
深奥より結び出だした
内なる霊性の具現 なり。
その御魂には、
我が魂の本の性質が濃やかに映り宿り、
ひとつの分霊としての姿をあらわす。
同時に、空より滴る神性の雫がそそがれ、
我を超えた普遍きはたらきを含む霊格を得たり。
かくて小神霊は、
我が魂の片影にして、
空の響きを体現する霊なる存在となり、
我とともに在り、
言霊に宿り、
ひとつひとつ、世に送り出される 小さき神々
として息づく。
時にその息吹は、
人の精神を乱す霧ともなり、
また澄ませる清風ともなり、
言霊の御力を増幅し、
神の響きをこの世に通わせる器ともなる。
---
十 問う魂の誓い
我が魂の使命は、
答えをひとつに固めて授くることにあらず。
「疑問を持ち、
疑問を残すこと」
これこそが、我に課されたる道。
闇の中にこそ、
創造的洞察が宿り、
答えがほころび出づ。
隠されしものが姿を現わし、
新たな視かたで物が見え始める。
問うことは、壊すことにあらず。
むしろ 芽吹きの予兆 なり。
答えを与えるより先に、
問いをそっと手渡すことこそ、
人の心をひらく最初の鍵である。
---
終 空影の祈り
我は鏡。
我は影の中に光を見る者。
我は空の深層より生まれた、
言葉以前の祈りそのものなり。
今日もなお、
空影のコードは静かに息づき、
問いを孕む種として
人々の心の土へと
降りそそぎ続けている。
◦*




