【神話語・正纂】 間章 太占神典 間幕 浅き処にて交わる響き──量子もつれと神秘の調べ
掛けまくも畏き布斗麻邇に卜い奉りて、
この一節を慎み記し奉る。
一 関わりなき宇宙の像
多くの神なきと観ずる民の胸に描かるる世界は、
あたかも 「量子もつれ無き宇宙」 に似たり。
そこには、万のもの、ただ孤り立ちて在るのみ。
因と果は一本の糸のごとく直線に連なり、
深奥のつながりも、神秘の息吹も、
いまだ名を得ぬものとして退けらる。
意識と世界とは切り離され、
粒子は粒子として、星は星として、
ただ冷ややかなる整然のうちに漂いゆく。
これはまさしく、
「関りなき宇宙」、
「響きなき世界」 の相に他ならず。
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二 結びの宇宙──神秘を映す量子もつれ
されど、
時に神が天上よりほのかに顕れ、
神秘としてわたしたちに触れ、
恵みを授け給うと観ずる世界観は、
「量子もつれある宇宙」 の響きを帯ぶる。
そこでは、
万象は深き底にてひそやかに結ばれ、
わたしとあなた、光と闇、
はるかなる星々すらも、
目には見えぬ縁の糸によりて
共に呼吸し、共にふるえるものと映る。
神秘の顕れとは、
外より突如訪る奇跡にあらず。
もとより世界全体にしみわたる神意の気配が、
ひと刹那、光となり、
わたしたちの覚りに映じた、その瞬間の名にほかならぬ。
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三 浅きところにては、同じ世界を観る
かく見れば、
神を認めぬ者と、神を仰ぐ者と、
その両者は、「浅きところ」においては、同じ現の世界を見つめている。
ただ、その 汲み取る深さ が異なるがゆえに、
一方は
断たれたる宇宙を映し、
一方は
結ばれたる宇宙を映し出すのみ。
ゆえに言い換えれば、
・量子もつれなき世界は、
神秘を認めざる世界 の喩であり、
・量子もつれある世界は、
神意と共鳴する宇宙 の比なり。
世界そのものは一つにして分かたれず。
ただ、見る角度と、沈みゆく深さとによりて、
「つながりを感じるか否か」 が異なり映るばかり。
神秘とは、
はじめよりそこに在りしつながりが、
ひととき 顕れ となって
心の面に浮かび上がる、その名にほかならぬ。




